年収が100万円台の割合は?
年収100万円台=100万円以上200万円以下の場合
年収100万円の給与所得者の割合は、高額所得者と言われる弁護士でも、10%おります。なりたての歯科勤務医も、月収10万円台の場合があります。また薬剤師も供給過多と言われて久しい職業です。そのため、たとえ有利と思われる資格者であっても、年収を考えると、該当するすべての人が高額所得者とは限りません。
民間企業調査で、年間給与実態を表した2016年の統計資料によると、全体の40%が年収300万円未満です。この数字にはパートやアルバイトなど、扶養の範囲内で働く人も含まれています。ちなみに年収1,000万円以上の方は、全体の4%です。
人工知能AIの発達により、現段階では「702種類の職業は必要なくなる」とも言われています。「中間所得層がいなくなり、高額所得者と年収100万円台の低額層と二極化してしまう」という意見もあります。現在、100万円以上200万円以下の割合は表の通りです。女性の所得金額が低いことが分かりますね。
100万円以上200万円以下の年収の割合
男性 | 女性 | 合計 |
207.4万人 | 503万人 | 710.4万人 |
7.25% | 25.07% | 14.59% |
年収100万円台=90万円以上100万円以下の場合
年収100万円以下の方は420万人もいます。かたや年収2,500万円以上の方は12万人もいます。年収100万円以下は、男女別で見ると、やはり女性の割合が高いことが分かります。非正規雇用労働者や派遣業務、アルバイトの方が多いと予測されます。配偶者の扶養の範囲内で労働していることも想像されます。
90万円以上100万円以下の年収の割合
男性 | 女性 | 合計 |
91万人 | 330.9万人 | 421.9万人 |
3.18% | 16.49% | 8.66% |
年収100万円の手取り年収と手取り月収は?
年収100万円の手取り年収
年収100万円の人の手取りはおよそ996,000円です。年収103万円までは所得税がかかりません。また100万円までは住民税もかかりませんので、平均300円程度の雇用保険料が控除されると考えてください。平成29年4月から、社会保険の適用が拡大されましたが、年収100万円では対象になりません。
- ①1週間当たりの決まった労働時間が20時間以上あること
- ②1か月当たりの決まった賃金が88,000円以上あること
- ③雇用期間の見込みが一年以上あること
- ④学生でないこと
- ⑤従業員数が501人以上の事業所で働いていること
- ⑥⑤に該当しない事業所であれば、加入に際し労使で合意されていること
【平成29年4月より施行】社会保険加入の必須要件
年収100万円の手取り月収
年収100万円の人の手取り月収は、単純に割った計算で83,333円です。この給与金額だと一般に社会保険の適用外で、雇用保険料の控除のみだと考えます。通勤手当なしの給与の場合、雇用保険料は3/1000とされていますので、83,333円x0.003=249円です。
給与83,333円-雇用保険料249円=手取り83,084円です。非課税の通勤手当が付いた場合は金額の変動があります。10,000円の通勤手当をプラスすると、93,333円x0.003=279円です。この場合は93,333円-279円=手取り93,054円です。年収の捉え方で変わります。
POINT
通勤手当の話
もし同じ給与支給額で非課税の通勤手当がある方とない方は、総支給額が違いますが、通勤手当には課税されないため所得税の金額は同じです。しかし、雇用保険料は総支給額より計算されますので、金額が違うのです。
年収100万円の人が払う各税金の金額と計算方法は?
手取り年収100万円の税金!計算方法
年収100万円の人は所得税がかかりません。所得税は毎月担当者が、その人の給与標準報酬から割り出した金額を、徴収して預かります。給与金額によって違いますので、年度末の最後に、年末調整として確定させます。毎月割り出す所得税の金額ですが、8万8千円以下の給与の所得税は、徴収しない会社が多いはずです。
給与所得者の「収入」「手取り」「所得」は違います。会社から貰う賃金-経費=所得になります。給与所得控除=経費として65万円、他に基礎控除として38万円です。この控除合計金額が103万円のため、収入103万円-控除103万円=所得税0円となるわけです。年収103万円まではかからないのです。
個人事業主であれば、たとえば美容室経営などの方はその日の収入が、事業主のものです。ただし、その現金から使われるものを、「経費」「生活費」に分けて帳簿をつける必要があります。「生活費」は「事業主貸」という勘定科目になります。確定申告の際に「収入」-「経費」=「所得(生活費含む)」という数字がでます。
POINT
配偶者控除の話
配偶者控除を受けるために「年間の収入を103万円以下に抑えなければ」と、聞いたことはありませんか?103万円以下であれば「配偶者控除」、103万円以上であれば「特別配偶者控除」を受けれらます。この特別配偶者控除は103~141万円まで対象でした。平成30年以降は188万円までに拡大しました。その他、所得金額が「1,000万円を超える場合には、配偶者控除の適用を受けることができない」ことと変わりました。
年収100万円の税金各控除額
年収100万円では税金も気になります。税金には国に納める「国税」、県や市区町村に納める「地方税」があります。国税には所得税、法人税、相続税、消費税、自動車重量税など、地方税には住民税、事業税、固定資産税、地方消費税、自動車税(軽)などがあります。給与から控除されるものは、「住民税」と「所得税」です。
東日本大震災の被災者救済の財源確保の「復興特別所得税」が一律2,1%で控除されます。2037年まで続きます。所得が103万円以下の場合、所得税も復興特別所得税も免除です。100万円以下であれば住民税もかかりません。ただし、下記のポイントで説明しているように、住民税の均等割の負担があるかもしれません。
POINT
住民税の「均等割」?
年収100万円までは全国一律に住民税がかかりません。しかし、市区町村によって均等割というものがあります。決まった額を納付しなければならないという制度です。法人であっても同じです。93万円~100万円までは、年4,000円から5,000円程度課税される場合があります。居住地や所在地の、税務担当の役所に問い合わせてみましょう。
年収100万円の人は貯金・貯蓄はどれくらいある?
年収100万円の人は貯金・貯蓄は頑張れば可能
年収100万円の人は貯金・貯蓄は難しいものがあります。特に住居費用が発生している場合や、教育費などがかかるお子様がいらっしゃる家庭では、ローンなどを組むか、行政の福祉関係に相談が必要です。親や配偶者など主な生計者が別にいて、扶養されている場合、目的を持って頑張れば、年間20万円程の貯蓄は可能です。
年収100万円の人は貯金・貯蓄は節約を考えないと無理
年収100万円では、交際費や雑費などを節約しなければ貯蓄は無理といえます。総務省の統計局では、一定の条件で抽出された世帯の家計調査を毎月行っています。勤労者の単身世帯の場合、年間558,958円が食費です。年収100万円で、平均的な生活では、ほぼ半分は食費にかかると考えておいた方が良いです。
年収100万円の人は貯金・貯蓄は目的をしっかり持つこと
年収100万円では貯金・貯蓄には苦労します。どんなことも「できない」と諦めることはありません。諦めなければ少しずつ近づいて行きます。「なんのために貯蓄したいのか」「誰のために貯金したいのか」、漠然とした思いでなく、しっかりと目標を定めるべきです。貯蓄額については、関連記事も参考になります。
年収100万円はどんな生活ができる?
年収100万円の住居費用
年収100万円では、周りの平均的な家庭に比べて節約生活が必須です。あるいは生活することに対する考え方を変える必要があるかも知れません。衣・食・住が人間の生活の三大柱ですが、まず賃貸の住居である場合は、月額2万円の家賃が適正です。公営住宅や雇用促進住宅は、所得に応じて家賃が決定しますのでおすすめです。
親と同居などであれば、とりあえずの住居費用の悩みからは逃れられます。フリーランスの職種であるとか、通勤の可能な範囲であれば行政の空き家対策としての格安物件もねらい目です。
住居費用の他に忘れてはならないのが、水道光熱費です。2.3日食べなくても死にませんが、水は別です。冷暖房器具や洗濯機など、電気やガスなどの供給がストップした場合、一時的に割高な生活を強いられます。水道光熱費は止められることのないように、支払いを怠らないことを注意しましょう。関連記事もご参照ください。
年収100万円の生活の心配
年収100万円で心配なのは、事故や病気での急な出費です。事故は仕方がないとしても、余計な病気にかからないように健康に気を付けましょう。年収100万円の場合、同一生計の給与所得者の家族や親族がいれば、その扶養として金銭の負担なしで、健康保険に加入できます。そうでなければ国民健康保険の加入が必須です。
国民健康保険料は市区町村で、計算が異なりますので一概に提示できません。しかし、年収100万円程度であれば国の減免制度が活用されて、7割の減額、月々数千円の金額です。居住地の役所担当者に確認しましょう。ただし、前の年度の年収により計算されますので、年収100万円の今年でも高くなる場合があります。
もし年収100万円が一時的な状態であれば、クレジットカードで補てんするのもひとつの手です。クレジットカード申請審査は、バイトであっても、勤続年数が1年以上であれば安定収入と評価されます。また、イオンカードのように専業主婦でも作れる、審査の厳しくないカードもあります。もしものために覚えておきましょう。
年収100万円の人はどんな仕事・職業の人がいる?
年収100万円を実現している職業・企業
年収100万円を実現している職種・企業は、多くあり、声高に言えることでもありません。しかし、個人事業主など起業しての100万円の年収は価値があります。始まりはゼロなのですから、胸をはってよいと思います。浮き沈みの激しい芸能人の中でも、特に芸人さんは、年収100万円以下の下積み生活の多い方ばかりです。
年収100万円の多くの方は、「夢の途中」「転職・求職」「病気療養中」などの問題を抱えてる方が多いと言えます。あるいは「家計の足しに」「教育費に充てるため」と扶養家族の非正規労働者、パートタイム労働者も多いはずです。世の中の税のしくみや助成金や補助の申請などを身に付けるいい機会と捉えましょう。
「年収100万円の豊かな節約生活」の著者、山崎寿人さんは生活費月3万円、20年間定職に就かず生きてきた方です。東京大学卒業後一流企業に就職するも退職しました。ベランダ菜園で食卓を豊かにし、毎週友人を招いて宴会の生活です。お金の価値や快適さや豊かさの意味を学ぶべき機会です。
年収100万円に必要なスキル
年収100万円であればこそ、自分磨きをしましょう。学生や短期のアルバイト時代と比べると、一年で100万円も稼ぐには相応の苦労があったはずです。「給与は一ヶ月分の我慢料」とは、美輪明宏さんの言葉です。特別なスキルがなくても、ひとりの社会人としての礼儀や常識は備えていなければいけません。
言葉遣いや身だしなみ、仕事に対する責任感、回りとの協調性が必要です。たとえ、フリーランスの仕事であったり、単純作業での時給労働であっても、どこかで他人との接点があります。それはIT関連のバイトであっても同様です。人に好かれなくてもいいので、人に嫌われない処世術を身に付けましょう。
POINT
節約生活で自分の必要なものがちゃんと見えてくる!
前出の山崎寿人さんに触発されたのが、春原弥生さんの「やってみました!『年収100万円の豊かな節約生活術』」です。読みやすい明るいコミックで、肩の力が抜ける感じがおすすめです。下記でご参照ください。
年収100万円を目指すために取り組むことは?
手取り年収100万円を目指すためにおすすめの副業
手取り年収100万円を目指すためにおすすめの副業は、単発アルバイト全般です。申請すれば副業オーケーの会社も増えています。ましてや年収100万円では、勤務日数や勤務時間に、まだまだ余裕のある仕事が多いはずです。そうであれば、週に数時間の短時間アルバイトなどは続けやすいと思われます。
就業中の身である職人さんの場合は、副業をすることで本業がおろそかになる危険があります。その場合は、気分転換程度のスポット的なイベントスタッフなどのアルバイトが良いでしょう。一般に肉体を使う作業、土日祝日の日や、週末の夜など短時間で効率よく働ける副業がおすすめです。
引っ越しや転職に迫られていたり、むしろどこに居ても構わない状況であれば、下記の都道府県別の最低賃金をご参照ください。賃金が低い住所地は、相対的に生活費が安く上がります。ただし、場所によっては交通費等が負担になる場合もあります。
【平成29年度】都道府県別最低賃金
北海道 | 810円 | 青森県 | 738円 |
秋田県 | 738円 | 岩手県 | 738円 |
宮城県 | 772円 | 山形県 | 739円 |
福島県 | 748円 | 茨城県 | 796 円 |
栃木県 | 800円 | 群馬県 | 783円 |
埼玉県 | 871円 | 千葉県 | 868円 |
東京都 | 958円 | 神奈川県 | 956円 |
新潟県 | 778円 | 富山県 | 795円 |
石川県 | 781円 | 福井県 | 778円 |
山梨県 | 784円 | 長野県 | 795円 |
岐阜県 | 800円 | 静岡県 | 832円 |
愛知県 | 871円 | 三重県 | 820円 |
滋賀県 | 813円 | 京都府 | 856円 |
大阪府 | 909円 | 兵庫県 | 844円 |
奈良県 | 786円 | 和歌山県 | 777円 |
鳥取県 | 738円 | 島根県 | 740円 |
岡山県 | 781円 | 広島県 | 818円 |
山口県 | 777円 | 徳島県 | 740円 |
香川県 | 766円 | 愛媛県 | 739円 |
高知県 | 737円 | 福岡県 | 789円 |
佐賀県 | 737円 | 長崎県 | 737円 |
熊本県 | 737円 | 大分県 | 737円 |
宮崎県 | 737円 | 鹿児島県 | 737円 |
沖縄県 | 737円 | 全国平均額 | 848円 |
手取り年収100万円を目指すためにおすすめの投資
手取り100万円を目指すためには、「自分自身に投資すること」をおすすめします。無職や長くフリーター生活をしている方は、最初の目標として「年収100万円」を掲げるのは良いと思います。思い切ってヘアスタイルを変えてみたり、ワンランク上の化粧品の購入や、着回しのきく洋服の定番アイテムを探しましょう。
外面だけでなく、内面を意識して知識の向上をはかることも、決して無駄にはなりません。社会人としての良くある言い回しの言葉遣いや、雑学を会話にいれることで注目されることもあります。本を読んだり、映画を見たり、交流関係を広げることも重要です。
数字ではなく今の自分に見合った生活が大事!
年収100万円は低所得の範囲ですが、「それで良し」としている理由もさまざまです。お金はあっても困らないもの、とは良く言われます。「あればあるなりの生活」「なければないなりの生活」ができることが人間として大切です。長い人生には浮き沈みが何度もあり、誰もが常に同じレベルの環境を維持できるとは限りません。
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