お中元でのマナーの重要性は?
お中元を贈るなら「マナー知らず」は恥ずかしい!
「お中元」とは、一般的には会社の上司や仕事で付き合いのある方、恩師など「日頃お世話になっている目上の方」に対して感謝の気持ちを込めて贈る物です。さて、人生経験豊富な年長者であれば、冠婚葬祭はじめ季節の行事に関するマナーもひと通り承知しています。
つまりお中元を贈って礼を尽くすところまでは良くても、そのお作法がトンチンカンでは「世間知らずな人」などと、ちょっと恥ずかしいイメージがついてしまいかねないということ…!逆に正しいマナーを知っておけば、あなた自身の高評価にも繋がります。
思わぬ失礼になっているかも!今後の付き合いに影響を及ぼす可能性
親族や友達といった気安い間柄ならともかく、ビジネス絡みのお付き合いの方にお中元を贈る場合は、かなり細やかな配慮が必要になってきます。たとえば送付する時期を間違える、表書きがふさわしくない…などなど、「ちょっとしたこと」のようですが、先方も同様に考えてくれるとは限りません。
また、きちんとマナーを守って贈ったつもりでも、勘違いして覚えていたために、知らずに失礼になっていた!なんてこともあります。以下からは具体的に正しいマナー、悪いマナーの例をご紹介しますので、しっかり確認しておきましょう。
【基本編】知っておくべき正しいお中元のマナー3選!
知っておくべき正しいお中元のマナー:基本①届ける時期は地域によって違う
基本のマナーは「お中元を届けるベストな時期には地域差がある」ということです。お中元は夏のギフトと考えて間違いないのですが、お盆の時期によってそのタイミングは異なります。
お中元を届ける時期
北海道 | 7月中旬~8月15日 |
北陸地方 | 地域による |
東北・関東地方 | 7月初旬~15日 |
東海・関西・中国・四国地方 | 7月中旬~8月15日 |
九州地方 | 8月1日~15日 |
沖縄地方 | 旧暦のお盆まで(年ごとに日付が変わるためチェックが必要) |
この期間内であれば問題ありませんが、たとえば北海道の夏は他の地域と比べて短いため、アイスやゼリーなど冷菓を贈る予定なら早めに届くよう手配する…といった配慮をすると、先方にもより喜んでもらえそうですね。
知っておくべき正しいお中元のマナー:基本②贈る品物には配慮が必要
知っておくべき正しいお中元のマナー、基本の2つ目は「先方の好みや家族構成などを考慮し、贈る品物を決める」ということです。値段や見栄えで決めてしまいがちですが、熟年の夫婦2人のお宅にボリューミーな『詰め合わせ系ギフト』を贈ったとしましょう。恐らくヨソにあげるor食べきれずダメにしてしまうのがオチです。
この場合は、同じ値段ならば量より質を取って『誰もが知る銘店の品』を贈るのが正解です。直営店、もしくは有名百貨店で購入するのもポイントとなります。逆に受取主が熟年の方でも、子どもや孫達と同居しているのであれば、『詰め合わせ系のギフト』は喜ばれる可能性大です。
POINT
相手に喜ばれる贈り物を
嬉しい贈り物をくれた人のイメージは自然とよくなります。普段のちょっとしたやり取りの中に相手を知るヒントがきっとあるはずなので、注意深く耳を傾けましょう。「こないだ送ってもらった○○、とても美味しかったよ!」なんて会話が弾み、より良い関係になれるかもしれませんね。
知っておくべき正しいお中元のマナー:基本③相手との関係性で予算を決める
知っておくべき正しいお中元のマナー、基本の2つ目は「先方との関係の深さで予算を決める」ということです。贈り物を選ぶ際、いくらくらいの品を差し上げたらいいかで悩んだら、以下のリストを参考にしてみてください。
- 一般的なお付き合い、親戚など…3000円程度
- 上司、お世話になっている方…5000円程度
- 特にお世話になっている方(重要な取引先など)…5000円~1万円
お中元の予算
3000~5000円程度の品物を贈るのが一般的となっています。ただし、先方の年齢や立場などを考慮して、相場よりもやや高めの品を贈ることもあるので、あくまでも目安として覚えておきましょう。
【応用編】知ってるとかっこいい正しいお中元のマナー3選!
知ってるとかっこいい正しいお中元のマナー:応用①のしには要・不要がある
お中元をお店で購入すると「おのし(熨斗)はどうされますか?」などと聞かれると思います。通常は「のし:あり、水引:あり、表書き:御中元」とします。ただし、送る人の中に喪中とわかっている方がいる場合は、無地のかけ紙で「のし:なし、水引:なし、表書き:御中元」として送るといいでしょう。
そもそも喪中の方にお中元を贈るのは失礼では?と思うかもしれませんが、お中元は日頃の感謝のお礼でお祝いごとではないため、良いとされています。ただし、忌中(仏式では四十九日、神式では五十日)であれば、その間は送るのは控えた方が無難です。
POINT
送るタイミングを外してしまったら
基本のマナーのところで「お中元を届ける時期は地域差がある」とお伝えしました。でも、先方の事情や、ついウッカリしてタイミングを逃してしまうことがあるかもしれません。そんなときは掛け紙には「御中元」と書かず、時期に合わせて「暑中御見舞」もしくは「残暑御見舞」として送りましょう。ちなみに目上の方には「御見舞」でなく「御伺い」とした方がより丁寧です。
知ってるとかっこいい正しいお中元のマナー:応用②挨拶状の書き方と送り方
お中元は本来持参するのが正しいマナーとされてはいるのですが、お互いに都合をつけるのが大変なこともあり、郵送が主流になっています。とは言え、送りっぱなしというのはマナー違反!「添え状」や「送り状」と呼ばれる、簡単な挨拶状を届けるのがスマートです。
ちなみに「添え状」は文字通り品物に添える挨拶状、「送り状」は挨拶状兼、到着日の事前通知です。ただ、添え状はお店から直接送る場合は同封できないことがほとんどなので、送り状を送付するといいでしょう。書き方は以下のポイントを参考にしてくださいね。親しい間柄に限っては送り状の代わりに電話やメールでも可です。
POINT
送り状の書き方
送り状は、お中元が届く2~3日前には先方に到着していなくては意味がありません。順番が前後しないように余裕を持って準備しておきましょう。文面は季節のご挨拶からはじまり「日頃のお礼」「相手の近況を伺う文面」「贈り物を送った旨のお知らせ(内容・到着日など)」といった流れになります。長々と書かなくてもハガキに収まる程度でOKです。
知ってるとかっこいい正しいお中元のマナー:応用③「お返し」をするときは
冒頭でもお伝えした通り、お中元は目上の方のお世話に対し、感謝の気持ちを込めて目下から贈るものです。そのため、もちろんお礼状は必要ですが、基本的にお返しをする必要はないのです。ただし、立場はさておき、思わぬところからお中元が届いたり、逆に目上の方からお中元をいただくことがないとは限りませんよね。
そんなときは早めにこちらからも同額程度、目上の方へであれば半額程度の品物を「御礼」ではなく「御中元」として送るようにします。また、送り先の地域がお中元の時期を外している場合、かけ紙は「暑中御見舞(御伺い)」か「残暑御見舞(御伺い)」としましょう。
POINT
お礼状は受取後できれば3日以内に
お中元をいただいたらお礼状を出すのがマナーです。内容は「お中元の到着」と「感謝の気持ち」と簡単でいいので、できるだけ3日以内にはハガキを投函するようにしましょう。特に親しい間柄であれば電話やメールでもOKです。
意外とやりがち!悪いお中元のマナー例3選!
意外とやりがち!悪いお中元のマナー例①送受NGの相手に贈る
ここまでは正しいマナーをご紹介してきましたが、ついウッカリやってしまいがちな悪いマナーについても確認しておきましょう。まず1つ目は、「送受NGの相手にお中元を贈る」という行為です。公務員はお中元やお歳暮などのやり取りは禁止されていますし、民間企業でも会社の方針としてしないと決めてることもあります。
そうした相手にお中元を送った場合、相手に返送の手間をかけさせることになります。お中元を贈る人の職業を知らないということはまずないでしょうから、ありがた迷惑にならないよう覚えておきたいマナーです。
POINT
「お気遣いなさいませんように」の意味
お礼状に「今後はお気遣いなさいませんように…」といった文言があったら、「贈り物は辞退します」という意味です。職業上の決まりや方針の他にも「虚礼」になっていたり、やり取りを負担に感じている…などなど断る事情はさまざまですが、先方の気持ちを汲み、以後、お中元を贈るのはやめておいた方がいいでしょう。
意外とやりがち!悪いお中元のマナー例②金額が下がる・金額が高すぎる
やりがちな悪いマナー、2つ目は予算についてです。まず、「前年よりお中元の金額が下がる」のは失礼に当たります。贈る側としても「去年のお中元よりパッとしないな」などと思われたら恥ずかしいですよね。贈るべき相手がたくさんいるなら「名前」「金額」「品物」をリスト化しておき、毎年同じ品を贈るのも手でしょう。
「金額が高すぎる」のは、頂いたお中元に対し、こちらからも何か贈る場合に気を付けたいマナーです。深い感謝を伝えたいという気持ちから相手よりも高額な品を選びがちですが、あまりにも豪華な物を差し上げると「今後のお中元は結構です」というメッセージになってしまいます。目上の方に対しては特に注意してくださいね。
意外とやりがち!悪いお中元のマナー例③お中元に相応しくない品を贈る
百貨店などのお中元向けにチョイスされた品からでなく、自分自身で品物を選ぶ人もいますよね。心がこもっている感じで良いのですが、贈り物には相応しくないとされるものがいくつかあります。たとえば「現金や金券」「ハンカチ」「刃物」「敷物」「下着」「文房具」などです。
基本的にどれもあまり贈り物として選びそうもないものばかりではありますが、これらのNGな品物をうっかり選んでしまったがために、悪いマナーになってしまった…なんて残念なことにならないよう、頭の隅っこに留めておいてくださいね。
贈り物にNGな品物とその理由
現金や金券 | 施しのような意味合いになるため |
ハンカチ | 日本語でハンカチを意味する手巾(てきれ)が「手切れ」=別れに通じるため |
刃物・ハサミなど | 「縁を切る」に通じるため |
敷物・靴下 | 「踏みつける」ものなので目上の方には失礼になる |
文房具・時計 | 「勤勉さ」を求める意味となり、目上の方には失礼になる |
お中元の正しいマナーを身に着けた大人になろう!
お中元の正しいマナー、悪いマナーについてお届けしました。送り方だけでなく贈る品物にまでルールがあって、「お中元って、何だか面倒だな…」と思われた方も少なくないと思います。しかし、「お世話になった方に礼を尽くす」という日本の伝統文化は受け継いでいきたいものです。
また、今は関係ないと思っていても、将来、あなたが受けとる側になる可能性があるかもしれません。そんなときのために、お中元のマナーはひと通り覚えておいて損はないはずです。ぜひ覚えておきましょう。
大人のたしなみとして身につけたいマナーは他にもたくさんありますが、「出産祝い」についてはいかがですか?自信がない方はもちろん、自信がある方も確認の意味で以下の記事を読んでみてください。友人・知人から出産報告を受けたとき、きっとスマート対応できますよ!
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