和食でのマナーの重要性は?
和食のマナーは食事を楽しむためのもの
和食のマナーは、食事を楽しむためのものです。格式高いお店で和食をいただくことは意外と少なく、緊張してしまう人もいるでしょう。しかし、和食のお作法やテーブルマナーを知っておくことは、会食をより楽しいものにしてくれます。
日本料理は4つに分けられる
和食といわれる日本料理は「本膳料理」「懐石料理」「会席料理」「精進料理」と大きく4つに分類されます。「本膳料理」は脚付きの膳が並べられた宴会料理のことで、「精進料理」は肉や魚などの動物性タンパク質を使わずに作られ、こんにゃくや大豆製品や麩などのヘルシーな食材を使ったお料理です。
「懐石料理」は茶会で出される料理
「懐石料理」は茶会で出される料理で、もともと茶道のお茶席で出されていたので「茶懐石料理」とも呼ばれています。基本は一汁三菜で、後ほどご紹介する「会席料理」とは逆にごはんと汁物から提供されます。
料理が出てくる順番が決まっているので、基本的に提供される順番にいただくのが正しいマナーです。現代では「懐石料理」も「会席料理」も同じ意味とされていることもありますが、本来はお茶会での料理だったということを知っておくとよいでしょう。
「会席料理」は宴会で出される料理
「会席料理」は宴会で出される料理です。料亭や旅館、結婚披露宴など酒宴で提供されるお料理で、お酒を楽しむために構成されています。前菜から始まり、煮物、刺身、メインの焼き物などの順番で、最後の締めにごはんと汁物が提供されます。
本膳料理の流れを組んでいて、和食の中でも宴席や改まった席でのお料理です。現在の和食の主流とされているので、この記事では「会席料理」をベースに和食の基本マナーについてみていきます。
【基本編】知っておくべき正しい和食のマナー8選!
知っておくべき正しい和食のマナー①おしぼりの作法は手を拭くため
知っておくべき正しい和食のマナーの1つ目は、「おしぼりの作法は手を拭くため」です。おしぼりの正しい作法は、右手でまず手に取り、左手に持ちかえます。両手を拭いたら、拭いた部分を内側にしてたたみ、元の場所におきます。このときの注意点は、おしぼりは手を拭くものだということです。
顔や体などのほかの部位を拭くのは、悪いマナーとなりますのでご注意くださいね。食事中に口を拭くことも、テーブルの汚れや飲み物の水滴を拭き取ることもタブーとなります。
知っておくべき正しい和食のマナー②箸の作法は基本のテーブルマナー
知っておくべき正しい和食のマナーの2つ目は、「箸の作法は基本のテーブルマナー」です。「箸使いを見れば、育ちがわかる」「箸使いに尽きる」と言われている和食のテーブルマナーです。一緒にお料理を楽しむ方に気持ちよく過ごしてもらうために、正しい箸の基本のマナーを知っておきましょう。
- 1右手で箸の中程を持ち、持ち上げる
- 2下から左手で支える
- 3右手を横に滑らせ、右手を返したら箸の下に回す
- 4箸の右端から1/3の場所を、指先でもつ
- 5左手を外す
正しい箸の取り上げ方
一連の流れをスムーズに行うと、美しい作法になります。お箸を使うときには、下の箸を動かさずに上の箸だけ動かすのが正しい作法になりますので、意識してみましょう。
知っておくべき正しい和食のマナー③基本的に和食は左側から食べる
知っておくべき正しい和食のマナーの3つ目は、「和食は左側から食べる」です。和食の盛り付け方は左から右へと味が濃くなるように、左側から食べやすいように盛り付けてあります。そのため、左側から食べるようにするとスムーズに食べられます。会席料理は次のような順番で提供されるので、それぞれ詳しくみていきます。
知っておくべき正しい和食のマナー④料理に合わせて食べ方を変える
続いてご紹介する、知っておくべき正しい和食のマナーの4つ目は「料理に合わせて食べ方を変える」です。前菜として出される先付けは、いろいろな形で提供される場合がありますので料理に合わせて食べ方を変えます。平皿の場合はそのまま食べ、お椀や小鉢に入っていたら持ち上げて、串物は箸で一個ずつ取ってから食べます。
串物をまとめて抜いてしまうのは悪いマナーになりますので、一つずつ抜いて食べるように気をつけましょう。串はお皿の向こう側へ寄せておきます。
知っておくべき正しい和食のマナー⑤吸い物や煮物は蓋の扱いに注意
続いてご紹介する知っておくべき正しい和食のマナーの5つ目は、「吸い物や煮物は蓋の扱いに注意」することです。蓋つきのお椀や器の正しい基本マナーは、目上の方が蓋を取ってから自分も蓋を外します。まずは左手を添え、右手で蓋を静かに持ち上げます。半円を描くようにすると水滴が器に落ちます。
続いて左手を添えながら蓋を裏返したら、器が左側にあれば左奥に、器が右側にあれば右奥におきます。食べ終わったら蓋をしめますが、斜めにしめるとお椀を痛めてしまう可能性があるのでNGです。汁物を飲むときには具を箸先でおさえながら飲みます。箸先を相手に向けないこと、手の甲より上に上げないのも基本マナーです。
知っておくべき正しい和食のマナー⑥盛り付けを崩さないように左から食べる
知っておくべき正しい和食のマナーの6つ目は「盛り付けを崩さず左から食べる」です。これはお造りや天ぷらに当てはまります。お造りでは手前に淡白な白身の魚、中程に貝、奥に脂身のある魚が並べられています。盛り付けを崩さないように、淡白な左手前、右手前、中央、最後に奥の順番にいただくのがマナーです。
天ぷらも盛り付けを崩さないように、手前から食べるのが基本です。天つゆにつけて食べるときは薬味を入れ、天つゆが垂れないよう、器を持って口に運ぶと良いでしょう。
知っておくべき正しい和食のマナー⑦焼き物は少しずつ食べる
続いてご紹介する、知っておくべき正しい和食のマナー7つ目は「焼き物は少しずつ食べる」ことです。懐石料理のコースのメインは、こちらの焼き物で切り身や尾頭つきの魚エビ、ホタテなどです。左側から少しずつ食べ、食べ終わって残った皮や骨は、お皿の端に寄せておきましょう。
お魚は頭が左側に向けられていることが多いので、まずは奥側の上半分を左から右へ食べます。続いて下半分の身を左から右に食べたら、出てきた中骨と下の身の間にお箸を入れ、骨を引き上げます。箸が使いづらいときは手を使ってもOKです。骨は器の左側に置き、裏側の身も同じように左から右へと食べましょう。
知っておくべき正しい和食のマナー⑧ごはんが出たらお酒はストップ
続いてご紹介する、知っておくべき正しい和食のマナーの8つ目は「ごはん、止め椀が出たらお酒はストップ」です。ごはん、止め椀、香の物が出てきたらコースの締めくくりとなりますので、お酒の注文は切り上げましょう。止め椀は汁物のことで、そろそろコースが終了しますという合図になります。香の物はお漬物のことです。
【応用編】知ってるとかっこいい正しい和食のマナー3選!
知ってるとかっこいい正しい和食のマナー①和室では畳のヘリを踏まない
知ってるとかっこいい正しい和食のマナーの1つ目は、「和室では畳のヘリを踏まない」ことです。和室に入退室するときには、敷居には神様が住んでいて、神様を踏むことは、その家の繁栄を妨げることとされているので、畳のヘリや敷居を踏まないように注意しましょう。
知ってるとかっこいい正しい和食のマナー②座布団は踏まない
知ってるとかっこいい正しい和食のマナーの2つ目は、「座布団は踏まない」ことです。座布団の上を歩いたり、座るときに座布団を踏みつけないように気をつけましょう。お作法は、まずは座布団の下座に正座をします。勧められたら会釈をし、両手を軽く握って座布団の両側に着き、腕で体を支えて膝で座布団に上がります。
座布団の中央まできたら、膝を揃えて、背筋を伸ばして正座をします。逆に降りるときには、手を後ろについて体をずらし、膝を使って徐々に座布団を降りていきます。両足が座布団から出たら、かかとで体を支え、正面になおります。
知ってるとかっこいい正しい和食のマナー③懐紙を受け皿がわりにする
知ってるとかっこいい正しい和食のマナーの3つ目は、「懐紙を受け皿がわりにする」ことです。懐紙は馴染みがない方も多いかもしれませんが、汁気の多い料理を口に運ぶときに、受け皿の代わりに使うことができます。手皿をするのは悪いマナーとされていますので、懐紙を使うとスマートです。
懐紙は口元や箸先の汚れを拭ったり、グラスについた口紅を拭う時も、その指先を懐紙でふくのにも役立ちます。小骨や果物のタネを出したいときにも、口元を懐紙で隠すのにも使えます。
意外とやりがち!悪い和食のマナー例3選!
意外とやりがちな悪い和食のマナー①返し箸や刺し箸をする
意外とやりがちな悪い和食のマナーの1つ目は、「返し箸や刺し箸をする」ことです。返し箸は、箸を逆さにして持ち手の方で食べ物を掴む方法、刺し箸は料理を箸に刺して食べる方法です。どちらもついついやってしまう方も多いかもしれませんが、悪いテーブルマナーとなりますのでご注意ください。
また、お箸を持ちながら他のことをするのもマナー違反となります。お箸を持ちながら器を持ったり、飲み物を手にしたりしたいときにはまずはお箸をおくのが大事です。箸先を汚さないようにするのも大切な和食のマナーの1つとなりますので、汚れは箸先の3cm以内におさえられるように注意します。
意外とやりがちな悪い和食のマナー②焼き魚をひっくり返して食べる
意外とやりがちな悪い和食のマナーの2つ目は、「焼き魚をひっくり返して食べる」ことです。骨を外すのは手間がかかり面倒と感じてひっくり返して食べてしまう人も多いのです。しかし、会席料理や懐石料理では悪いマナーとなりますので、骨をとり裏返さずに食べましょう。
和食では箸だけでは難しい場合は、手を使っても問題ありませんので上手に取り除きましょう。汚れた手は懐紙で拭くとスマートです。
意外とやりがちな悪い和食のマナー③手皿をする
意外とやりがちな悪い和食のマナーの3つ目は、「手皿をする」ことです。「手皿」は食べるときに、箸を持っていない方の手を下に添えて食べる方法です。お上品に見えると思いがちですが、和食では悪いテーブルマナーの一つなのでご注意ください。
一口サイズに箸で切ってからいただくようにすると、手皿を添える心配もなくなります。基本的に汁が垂れそうなときは、小さい器なら持ち上げたり、懐紙を使って添えると良いでしょう。
和食の正しいマナーを身に着けた大人になろう!
和食の正しいマナーは、身近な箸の使い方やおしぼりの使い方など、ちょっとしたポイントを抑えることで身につきます。格式高い懐石料理や会席料理でも、正しいマナーを身につけていたら、緊張せずにお料理を楽しめるようになるでしょう。
日本人だからこそ、和食のマナーは身につけていたいものですよね。懐石料理とお寿司のマナーもチェックしておくと安心です。こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
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