香典でのマナーの重要性は?
悲しみの席でこそ正しいマナーは重要
お通夜やお葬式に会葬するときに香典を用意して持って行くということは、日本の古くからのしきたりとして皆さん知っていることです。香典を用意して持参しお渡しする。ただそれだけのことなのですが、その一連の作業の中には多くのマナーが存在しています。
弔いごとだけではなくお祝い事にもきちんとしたマナーがあります。例えばお祝いの席では笑って済まされてしまうことも悲しみの席では不謹慎な人と思われてしまうことがあります。悲しみの席でこそ正しいマナーは重要になります。
社会人として正しいマナーは基本的なこと
物事には様々なしきたりや基本のマナーが存在します。一昔前まではマナーは生活していく中で自然と身につけていくものでしたが、今は親子関係や親戚付き合いなど人間関係が希薄になり昔から伝わる行事へ参加することも減ってきました。実際、経験するまで知らなかったというマナーがたくさんあると思います。
社会人になると知らなかったでは済まされないマナーもあります。基本的な香典マナーが身についていることで信頼関係に繋がることもあります。社会人になるということは正しい香典マナーを身につけることは基本的なことで重要なことです。
香典の基本マナーを身につけることと同じ様に告別式にも多くの基本マナーがあります。きちんと習うこともなく告別式に会葬する日は突然訪れます。その突然の日に慌てないためにこれを機会に告別式の基本マナーも合わせて学んでおきましょう。下の記事で紹介していますので参考にしてください。
【基本編】知っておくべき正しい香典のマナー3選!
【基本編】正しい香典のマナー①香典袋の選び方
【基本編】正しい香典のマナー1つ目は「香典袋の選び方」です。香典の袋が必要になってお店に買いに行くと店頭にたくさんの種類の不祝儀袋が並んでいてどれを買えばいいのかわからないことがあります。選び方としては「相手の宗教や宗派によって選ぶ」「中に包む金額によって選ぶ」この2点がポイントです。
宗教・宗派による香典袋の選び方
各宗教・宗派 | 表書き | 包み | 水引 |
共通 | 御霊前 | 白無地 | 黒白・双銀の結び切り |
仏式 | 御霊前・御香典・御香料 | 白無地・蓮の絵がついた包み | 黒白・双銀の結び切り |
神式 | 御霊前・御玉串料・御榊料 | 白無地 | 双銀・双白・黒白の結び切り |
キリスト教 | お花料 | 白無地・白百合や十字架が描かれた包み | なし |
包む金額による香典袋の選び方
包む金額 | 袋の種類 |
3千円~5千円 | 水引が印刷された袋 |
1万円~2万円 | 白黒の水引の袋 |
3万円~5万円 | 双銀の水引や高級和紙の袋 |
10万円 | 凝ったデザインの水引で高級和紙の袋 |
【基本編】正しい香典のマナー②金額の相場
【基本編】正しい香典のマナー2つ目は「金額の相場」です。香典は共通した一定の金額ということではなく、相手との関係性やお互いの立場によって金額に違いがあります。気持ちだから少なくてもいい高ければいいというわけでもありません。相場を知ることが正しいマナーにつながります。
あくまでも全体的で考える相場です。住んでいる地域や会社の付き合いなどによって違いはあります。迷ったら身近な人や一緒に会葬する上司や同僚に聞くことが一番間違いないです。
香典の金額の相場
あなたと故人との関係 | 金額 |
友人・知人 | 5千円~1万円 |
祖父母 | 3万円~5万円 |
叔父・叔母 | 1万円~3万円 |
両親 | 3万円~10万円 |
兄弟・姉妹 | 3万円~5万円 |
上司・上司の家族 | 5千円~1万円 |
社員同僚・社員同僚の家族 | 3千円~1万円 |
近所の人 | 3千円~5千円 |
【基本編】正しい香典のマナー③お札の入れ方
【基本編】正しい香典のマナー3つ目は「お札の入れ方」です。袋にお札を入れるだけではなくお札の入れ方にもきまりがあります。用意したお札が数枚あるときはお札の向きを全て同じ方向に揃えます。揃えたお札は中袋の裏側にお札の表がくるように入れます。お札の人物がある方を下にくるようにして中袋に入れてください。
外袋を開いて中袋の表側が見えるようにして表袋の真ん中におきます。左右を折り合わせて上下を折り合わせます。その時下を先に折り上を下側にかぶせるように折ります。
【応用編】知ってるとかっこいい正しい香典のマナー3選!
【応用編】知ってるとかっこいい香典のマナー①香典表袋の書き方
【応用編】知ってるとかっこいい香典のマナー1つ目は「香典表袋の書き方」です。香典表袋の基本的な書き方は、水引の上部に「御香典」「御霊前」「御仏前」などを故人の宗教・宗派に合わせて表書きします。水引の下部の中央に名前をフルネームで書きます。表書きよりも少し小さい字で書くのがポイントです。
表袋に書く字は筆文字が基本です。書きやすい筆ペンを使用してください。薄墨の筆を使うというマナーもありますが、薄墨でなければ悪いという訳ではありません。書きなれない薄墨の筆ペンで読みにくい字になるよりも、遺族の負担を減らすためには見やすい字の方が良いです。
店頭に並ぶ不祝儀袋の種類によっては表書きが既に書かれているものもあります。あまり字を書くのが得意ではない人はそれを選ぶこともひとつの方法です。
【応用編】知ってるとかっこいい香典のマナー②香典中袋の書き方
【応用編】知ってるとかっこいい香典のマナー2つ目は「香典中袋の書き方」です。お金を入れる中袋にも正しい書き方のマナーがあります。外袋に名前を書いているから良いという訳ではありません。外袋から中袋を出して中身を確認するときに誰から頂いた香典かわからなくなることがあります。
会葬者が多くなるとかなりの負担になります。遺族の負担を少しでも減らすために中袋にも正しく名前などを記しましょう。中袋の表面に中に入れた金額を旧字体の漢数字で記入します。裏面に郵便番号・住所・氏名を記入しましょう。
香典袋は基本的に筆文字で書くという決まりがありますが、中袋に関しては筆文字でなくボールペンやサインペンでも問題ありません。見やすく丁寧に記入してください。
【応用編】知ってるとかっこいい香典のマナー③香典の渡し方
【応用編】知ってるとかっこいい香典のマナー3つ目は「香典の渡し方」です。葬儀会場に到着したら一番初めに受付に行き香典を渡します。お通夜とお葬式両方に参列する場合はどちらかで渡します。お通夜で渡す人が多いようです。お通夜とお葬式の両方で香典を用意する必要はありません。
受付に名前を記入するノートかカードがありますので記帳してその時に香典を渡します。記帳をして香典をふくさから取り出し、お悔やみの言葉を告げながら両手で丁寧に渡しましょう。香典を受け取る人側に表書きを読める向きにして渡します。
いざとなるとお悔やみの言葉や行動に自信がない人も多いのではないでしょうか。自信がない気持ちが行動にでてマナー違反にとられてしまうこともあります。下で「お悔やみの基本マナーチェック」の記事を紹介しています。あなたのマナーは正しいのかチェックしてみましょう。
意外とやりがち!悪い香典のマナー例3選!
悪い香典のマナー例①新札を入れるのはNG
悪い香典のマナー例1つ目は「新札を入れるのはNG」ということです。ご祝儀などで包むお金は新札を用意しますが、香典のお金に新札を包むと失礼というしきたりが古くからあります。お祝い事は前もって知らされて準備する期間があるのに対して、不幸事は突然予期せぬときに訪れるからです。
長年闘病した末にお亡くなりになった故人の香典に新札を包むと、前もって用意していたように感じられ遺族によっては不愉快な思いをする人がいるかもしれません。昔と違い最近は新札がすぐに手に入るので気にしないというようにもなっているようですが、人によっては気になりますので使わないに越したことはありません。
どうしても手元に新札しかないときは折り目をつけると良いです。また、使い古しのお札が良いとは言ってもぐちゃぐちゃになったお札や汚れたお札は失礼にあたりますので使わないようにしましょう。
悪い香典のマナー例②偶数の金額はNG
悪い香典のマナー例2つ目は「偶数の金額はNG」ということです。日本では昔から縁起が悪い数字というものが存在します。偶数は割り切れる数字なので香典に包む金額が偶数ですと「故人とこの世のつながりが切れる」という意味として考えられてタブーと言われています。
香典を連名で包むときなどにどうしても合計金額が二万円など偶数になるときは、お札の数を奇数になるようにして包むとよいと言われています。また「九」の数字には苦しむという意味があるので避けた方がいいです。
悪い香典のマナー例③むき出しの香典袋はNG
悪い香典のマナー例3つ目は「むき出しの香典袋はNG」ということです。正しいマナーできちんと用意した香典をそのまま持って受付に向かうのはマナー違反です。カバンやスーツのポケットに無造作に入れてきた香典袋が折れたり汚れていては大変失礼です。
汚れなければいいと売っていた時に入っていたビニール袋に入れて持っている人を、ごくたまに見かけますが正しいマナーとはかけ離れた行為でとても恥ずかしいです。高価なものでなく100均で売っている袱紗でも良いので必ず袱紗に包んでから受付に向かいましょう。
連名で用意する場合の香典マナー3選!
連名で用意する場合の香典マナー①香典袋の書き方
連名で用意する場合の香典マナー1つ目は「香典袋の書き方」です。会社や友人と連名で香典を用意することもあります。複数人で香典を用意する場合は1つの香典袋にまとめてお金を入れます。香典袋の書き方は人数によって違いがあります。
- 2~3名・全員の名前を書く(目上の人から順番に右側から書く)
- 4名以上・「団体名一同」や「団体名・代表者名一同」と書く 中袋の中に全員の名前を書いた紙を入れる
連名で出す場合の香典袋の書き方
連名で用意する場合の香典マナー②金額の相場
連名で用意する場合の香典マナー2つ目は「金額の相場」です。個人で香典を用意する場合と同じように連名で用意する場合も特別に決まった金額はありません。「1人が出す金額を決めてひとつにまとめる」「合計金額を先に決めて人数で割る」という方法があります。
故人との関係性や立場によって違いはありますが、大体の相場から考えると合計の金額は1万円くらいになります。1人2000円くらいが相場です。その場合も合計金額が偶数にならないように配慮する必要があります。
連名で用意する場合の香典マナー③香典返しに対しての配慮
連名で用意する場合の香典マナー3つ目は「香典返しに対しての配慮」が必要です。香典を受け取った側は香典返しをするというしきたりがあります。通常は1人に対して1つ香典返しをするので問題ないのですが、連名で香典を用意したら1つの香典に対して数名に香典返しをするようになります。
大変な時期に遺族の負担を少しでも減らしてあげたい気持ちがあるのでしたらこちらから配慮することが大人の素敵なマナーになります。だからと言って口頭で伝えるの相手に対して配慮不足になってしまいます。
お渡しする香典の中袋か香典の袋の中に入れる別紙を用意して、「香典返しのお気遣いはご無用にお願いいたします」と書き添えると大人のスマートマナーになります。
香典の正しいマナーを身につけましょう
香典の基本的な正しいマナーと知っていると得をする応用編のマナーをご紹介しました。参考になりましたか。良いと思ってしていたことがマナーとして悪いことだということもあります。昔からのしきたりで今ではあまり重要とされていないマナーも中にはあります。
けれど正しいマナーを身につけていることで得をすることはあっても損をすることはありません。皆が知らないマナーをきちんと知っていることが人と差をつける魅力になります。いざという時に恥をかかないためにも香典の正しいマナーを身につけましょう。
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