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サボテンの胴切りの前におさえたいポイント3つ

サボテンの基本・原産国の気候風土や成長する時期

サボテンの出身地は情熱の国

サボテンは南米アメリカの乾燥地帯に自生する多肉植物です。日当たりがよくカラリとした気候と、水はけのよい土(砂)を好みます。4~10月が生育期、11~3月は休眠期で、梅雨の湿度や真夏の高温多湿は成育が停滞します。過酷な環境に育つ種が多いとはいえ、日本では温室生まれ温室育ちで、日本の夏と冬は苦手です。

サボテンの胴切りは大手術!事前にリスクを知っておく

教えてどうなるの?

最も起きやすいリスクは、カットした面が腐ったりカビが生えたりして、そのまま打つ手なしです。切り口が大きいと乾くのに時間がかかります。次に起きるのは、いつまでも根がでなくて、しなびてしまうことです。小さい(3cm以下)と、発根に十分な養分がないことも考えられます。

サボテンの状態で決める!胴切りの時期

この疑問に答えてほしい

表のポイントを参考に、サボテンの状態を見て、良いタイミングで胴切りしましょう。根腐れや病気などは緊急性が高く、徒長や挿し木でふやしたいなどは時期が選べます(おすすめ順に、春→秋→夏→冬)。

サボテンの状態と胴切りのタイミング

サボテンが折れた!つぶれた! 迷わず胴切り。分身も元株も生かそう
はりがなくブニブニ。根元が赤黒く変色。根腐れや病気、根が熱くなって焼けた 早めの胴切りを!元株は様子を見て廃棄も覚悟
傾いた。根元がふらふら 上に同じ
傾いた。ねじれて育ってきた。日照不足 形が気になるなら、気候の良い時期に胴切り。その前に、鉢の向きや場所を変える。日光浴(レース越し→ガラス越し→外の半日陰。まずは短時間で)
途中から細長くのびて変な形になった。日照不足による徒長 上に同じ
途中にくびれができたり変形。環境変化(日照・温度・水やり・肥料)が原因。 形が気になるなら、気候を見て胴切り
直射日光で茶色くなった 枯れ広がるようなら早めに胴切り。色が気になる程度なら、切除または、気候の良い時期に胴切り
胴体に黒い斑点がある。黒斑病やすす病。 黒いカビを歯ブラシなどで落として、植物用除菌剤を
胴体(棘の根元)にポツポツができた(1~3mmで白または茶色。殻やかさぶたみたいなものやフワフワしたもの)カイガラムシ発生! 胴切りのタイミングではありません。他の植物から離して、カイガラムシはつま楊枝でコツコツ除去
成長が旺盛で形が崩れた 気候の良いときに胴切り
自分で増やしてみたい 気候の良い時期に胴切り。元株から子吹きすれば、胴切りの要領で切って増やせる
買ってから2年間同じ鉢のまま育てている。鉢底穴から根が飛び出している。根詰まりしている 植え替えが必要!気候をみて、植え替えと胴切りを同時に決行!

サボテンの胴切り!準備編・根腐れ予防と病気予防に大切なこと

サボテンの胴切り①時期と胴切り日和を見極める

高温多湿はちょっと・・でも太陽は味方

胴切りは時期が大切!リスクを減らせるタイミングがあります。①4~10月の生育期(梅雨・真夏をのぞく)②胴切りのあと晴れの日が続く③午前中 この3つで成功率アップ!スケジュールが選べるならば、「サボテンに活力があって、あたたかく湿度が低い時期」に合わせて胴切りを決行しましょう。

サボテンの胴切り②事前の消毒


掃除と換気と消毒できれいな環境を

ポイントは、腐敗菌・カビへの警戒!カッターの消毒は、熱湯や漂白剤、火であぶるのもありですが、エタノール拭き(ウエットテッシュ)がお手軽です。サボテンが変色しているときは、切るたびに消毒します。念のため、手や手袋、容器もきれいにして、風通しの良い所で作業できるように準備します。

    準備するもの~胴切りに使うものの消毒

  • カッター(大きいサボテンには包丁やのこぎりも))
  • 消毒用エタノール(アルコール除菌ウェットティッシュでも可)
  • 厚手のゴム手袋(トゲが痛そうなとき)
  • 胴切りしたサボテンを立てられる安定した容器(植木鉢など)
  • 適宜 キッチン漂白剤やライター

サボテンの胴切り!本番・トゲや刃物のケガに注意!

サボテンの胴切り③サボテンのカット

いよいよカットです

切りやすい場所にサボテンをセットしたら、利き手にカッター、逆の手でサボテンを押さえます(トゲ対策は手袋着用、新聞紙巻きつけも)。切る場所は変色や変形の少し下です。悪い所が見えるように手前にして、その数センチ下に刃をあてて、地面と水平に切ります。手前から奥へ刃をむけて押して切ることで、ケガをさけます。

    準備するもの~胴切り準備・消毒

  • カッターなど消毒済の切るもの
  • 消毒用エタノール(アルコール除菌ウェットティッシュでも可)
  • 新聞紙(サボテンの胴を保護してトゲがからまないもの,キッチンペーパーも可)
  • 厚手の手袋(トゲが痛いとき,消毒済のもの)
  • 絶対失敗したくないならルートン(発根促進植物ホルモン剤)or ベンレート(殺菌剤)【Amazonで購入可】
  • 胴切りしたサボテンを立てられる容器(消毒済)

サボテンの胴切り④カット面の処理方法

輪切り~消毒をわすれずに

新聞紙を敷いた上で傷んでいるところを確認して取り除くように輪切りにします。カッターを消毒しながら、変色がないきれいな面が出るまで切りつめます。次に、切り口を上にして新聞紙を巻きつけます(湯上りバスタオルのように)。新聞紙ごとそっと握って、切り口を面取りして真ん中を高く整えます。

サボテンの胴切り⑤カット面の消毒と乾燥の方法 

ていねいにラッピング

ルートンかベンレートがあれば、切り口に粉をまぶします。新聞紙で包んだまま容器に立てて、切り口だけ上に出します。30分間直射日光に当てて、紫外線消毒して乾燥させます。新聞紙で容器に安定させるとともに、切り口以外を新聞紙で重ねて包みこんで保護します。冬なら外は危険です。冬は窓越しの冷気にも気をつけます。

根腐れ・病気でなければ元株からの発芽に期待!


サボテンの胴切り⑥元株のカット面の処理・ニサボテン発芽!挿し木も!

ピンチで目覚める成長点

残った株は、元気なところが残れば面取りします。サボテンの成長点は、上のトゲが密集したつむじのようなところです。でも実はトゲの根元(棘座:しざ)すべてが眠れる成長点。胴切りで目覚めて棘座にミニサボテンが発芽します。発芽すれば手軽に挿し木で増やすチャンスです!多肉植物の挿し木・株分け動画をご参照下さい。

サボテンの胴切り⑦元株と土の処分で根腐れ・病気の原因を残さない

今までありがとう。新しい命をありがとう。

元株に回復の見込みがないときに、胴切りしたサボテンの近くにおいてはいけません。弱った株の土はサボテンに合わなかったか、病気やカビの菌、害虫などがいるはずです。株と土は新聞紙にくるむなどして廃棄。これまでサボテンからもらった元気に感謝して潔くお別れします。植木鉢は洗剤で洗って日光でよく乾燥させます。

サボテンの胴切り⑧同時に植え替えなら事前に水やりをストップ!鉢土を乾燥

水やりストップ

胴切りと植え替えを同時にするときは、事前に水やりをとめます。鉢土を乾燥させると、根のダメージを減らして植え替えがやりやすくなります。サボテンを植木鉢からはずして、胴切り(下の方が木質化していれば避けて少し上の場所)します。根が付いた方は、古い根を切ってから用意した植木鉢に植えつけます。

    準備するもの~植え替えの分

  • 今よりひと回り大きな植木鉢で底に穴があるもの(洗浄・乾燥させておく)
  • 鉢底網(穴に合わせて最初におく)
  • 鉢底石(植木鉢の底にしきつめる)
  • サボテン用培養土(植木鉢の8分目まで入れておき、適宜足す)
  • 受け皿(水やりのとき流れ出た分を受ける,水をためておかない)

胴切りのあとの管理の方法・時期の見極めがここで効く!

サボテンの胴切りのあと①乾燥と発根待ち

風通しのよいところ

カット面の乾燥に重要なのは湿度。天候にも左右されますが、外の半日陰で風通しの良いところに横たえておきます。室内ならば、南の明るい部屋におきます。乾きにくいときは、換気やサーキュレーターで空気の流れを作る工夫をします。夏は高温・カビ注意。冬の休眠期は発根が難しいので温度維持にもつとめましょう。

サボテンの胴切りのあと②カット面にカビが出た


まさか、カビだったらどうしよう

切り口は、面取りして真ん中を高くしておくことで、陥没せず、乾きやすくなって、植えつけもしやすくなります。それでも、切り口に変色(腐り始め?ピンクや青、黒のカビ?)があらわれたら、胴切りミッションが失敗に傾きだしています。もう一度切り詰めて、切り口を処理します。乾いた風通しの良い場所で管理しましょう。

サボテンの胴切りのあと③根が出ない

どうか根っこがでますように

胴切りの成否の分かれ目は切り口の乾燥です。胴切りから、1~2か月で切り口から白い根が生えてきます。発根が遅れて心配ならば、発根促進剤ルートンを購入して対処するという方法もあります。とはいえ、乾燥がうまくいったら、サボテンの生命力を信じて気長に待つことも必要です。

サボテンの胴切りのあと④植えつけ(挿し木)は専用培養土で根腐れ予防

サボテンの生命力を発揮させて

サボテン専用の培養土は、排水性が高く雑菌が抑えられているので、新しいものを用意しましょう。実は、土の8割が砂でよいほど通気性が大切です。根が出たサボテンを用意した植木鉢の土にのせて立てたら、少し土を足して軽く埋めます。軽く日がさす風通しの良いところにおいて、3~4日後にたっぷり水を与えます。

    準備するもの~植えつけ

  • サボテンの直径よりひとまわり大きい植木鉢で底に穴があるもの(洗浄・乾燥させておく)
  • 鉢底網(穴に合わせて最初におく)
  • 鉢底石(植木鉢の1/3まで入れる)
  • サボテン用の培養土(植木鉢の8分目まで入れておいて、適宜足す)
  • 受け皿(水やりのとき流れ出た分を受ける,水をためておかない)

サボテンの胴切りのあと⑤植えつけた株の管理方法

回復期に合った対応を

植えつけ当初は成長より維持・回復の時期です。根が水を吸い上げる力もまだ弱く、たくさんの水は必要としません。また、夏の朝の水やりは、日中鉢の中が高温多湿になって根を痛めます。土が乾いても2日は待って、夕方~夜に水やり。排水受け皿の水は捨てます。植木鉢に割り箸を差して付く土で水分量を確認するのもOK。

サボテンの胴切り・挿し木の番外編!病気も

サボテンの胴切り・挿し木でイチおし!子株を挿し木する

急に子がふえた

子株が少し大きくなったらピンセットで動かして根元から折り取り、胴りした切り口と同じように処理して植えつけます。子株は切り口が小さく、成長力もあります。大きくしたいときはサボテン用の液体肥料もあります。肥料も水もサボテンのペースで控えめにします。窓際は夏暑く冬冷えるので薄日程度の場所におきましょう。

サボテンの胴切り・挿し木以外でサボテンを増やす方法!種まきで発芽

サボテンは多肉植物のなかま

花や種をつけるサボテンは発芽させて増やしましょう。サボテン培養土に種をまき(覆土しない)十分に湿らせてラップをかけて、20℃以上の環境で発芽を待ちます。発芽後は、ラップを外して、土が乾いたら水やりをして育てます。発芽から3か月ほどで苗ごとに植え替えします。

サボテンの異変・病気に気づく!

前に読んだ病気なのかも

根腐れを起こさせる「赤くされ病」「黒くされ病」。カビが出るのは「黒斑病」「すす病」。風通しが悪く、湿度が上がると、茎が途中から枯れてくる「立ち枯れ病」。土の表面にクモの巣のようなの糸が張る「クモの巣病」。病気を知って早く変化に気づいてあげましょう。

サボテンは多種多様!自分のサボテンの特徴を知ろう

サボテンに快適な環境

サボテンは、見た目、性質ともに個性的な種類がたくさんあります。お気に入りを見つけてその性質に詳しくなりましょう。特に耐寒性のない種類は冬越しに要注意です。冬の冷気は一発で再生不能ですから気をつけましょう。真夏をのぞく生育期には意外と水が必要です。サボテンの種類や育て方はこちらを参考にしてください。

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サボテンの胴切りでサボテンを助けよう!

ほったらかしでも枯れないイメージのサボテンですが、日当たりや水やりの加減など、初心者には意外と難しい面があります。そのまま枯らしてしまうくらいなら「胴切り」という方法にトライしてみましょう。ダメもとですから失うものはありません。サボテンの生命力に、新たな発見と予想外の楽しみが待っていますよ。


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