カレーの語源とは?
インドではカレーという言葉も起源も存在しない
まず始めにカレーの語源や起源といえばインドを考えますよね。けれど、実はインドではカレーという言葉は外来語として扱われています。インドでは様々なスパイスを使って肉や魚を煮込むレシピがありますが、それぞれにレシピ名があります。今までカレーは全てカレーだと思っていた人も多いのではないでしょうか?
私達が色んな種類のカレーをまとめてカレーと呼ぶのは、インドの人々からすれば、肉じゃがや筑前煮などをまとめて括られているような感覚なんです。日本でも和食の煮物や煮込み料理は、それぞれにレシピ名がありますよね。醤油を使った料理を全て同じと言われては、少し乱暴に感じてしまうかもしれません。
カレーの語源の説①タミール語のkari
カレーの語源の説はいくつか存在しますが、現在一番有力なのが、タミール語のkari(カリ)です。タミール語は南インドで使用されている言語で、「ソース、汁」という意味があります。このkariという言葉がなまってカレーと呼ばれるようになったというのが、数々の語源の起源で有名です。
このkariという言葉には辛いという意味はなく、実はカレーは元々は辛くなかったんです。これについては、この後のカレーの歴史などで詳しくお伝えしていきたいと思いますが、カレーが辛くない時代があったなんて驚きですよね!どんな味だったのでしょうか、少し食べてみたい気がします。
カレーの語源の説②ヒンズー語のturcarri
カレーの語源の説2つ目は、ヒンズー語のturcarri(ターカリー)という言葉です。turcarriとは「香り高いもの」や「美味しいもの」という意味があり、そこが起源としてカレーという言葉ができたとも言われています。こちらは意味も合っているような気がしますよね。
カレーは日持ちしやすいと感じられますが、実はそんなことないんです。入れている具によっても大きく変わります。そんなカレーの保存方法ですが、こちらの記事で詳しく紹介されているため、気になる人はぜひこちらも読んでみてくださいね!
カレーの語源の説③お釈迦様の関係
1つ目のタミール語の説が一番有力ですが、お釈迦様が関係しているという説もあるんです。例えば、お釈迦様が人々に木の実や葉っぱなどを与えて、それを食べた人々が「クーリー(美味しい)」と言ったからという説だったり、お釈迦様が説法をした場所がカリーという地だったという説があります。
色々な語源の説を紹介しましたが、未だに正解は分かっていません。どのようにカレーという言葉が生まれたのかは謎に包まれていますが、どちらにせよ世界に広まり、現在も世界で愛されているのがカレーです。
カレーの歴史や起源・カレー粉の発祥地は?
カレーの歴史や起源は複雑にできている
カレーはインドが発祥地であり起源となるというのはご存知かと思いますが、先ほどお伝えしたように、インドではカレーという括りがありません。様々な地域で、様々な文化や宗教、様々な家庭で様々なスパイスが使われた煮込み料理なので、それぞれ発祥した土地や起源が異なります。
先ほどの例を使うと、肉じゃがと筑前煮では発祥した土地や起源は、それぞれ違いますよね。地域によっても具材や調味料が変わり、インドでのカレーも同じような感覚になります。
カレーの発見は大航海時代が起源
もともとインドには古くからカレーが存在していましたが、カレーが発見されたのは、大航海時代だと言われています。この時代はヨーロッパの国々が、世界中を競うように冒険していました。いわゆる大航海時代と呼ばれる16世紀に、西洋の文化にカレーが加わりました。
ヨーロッパに初めてカレーを紹介したのは、ポルトガル人が起源といわれています。日本に伝わったのは江戸時代の後半で、初めてカレーを食べている姿を見た日本人は、手で食べる文化に衝撃を受けたようです。今でも手づかみで食べる人を見ると驚くことがあるので、当時はかなりの衝撃だったことでしょう。
鎖国が終わったあとは日本で洋食文化が進んだ
有名なのがペリー来航ですね。鎖国制度が崩壊したことによって、海外の人々(特に欧米人)が日本に移住するようになり、洋食の文化が進んでいきました。料理本なども出版され、その中にカレーのレシピも掲載され、あっという間に広がっていきました。
もちろん、洋食には洋食の特別なマナーがありますよね。当時の日本人も戸惑うことが多かったそうです。今でも箸が主流の日本人にとって、正しい洋食のマナーに自信がない人がいると思います。こちらの記事を読んで、基本のマナーを学んでみてもいいかもしれませんね!
カレーライスで使われるカレー粉の発祥地はイギリス
カレー粉の発祥地はイギリスと言われています。インドから帰ってくる人々が持って来るスパイスに注目した企業が、家庭でもこの味を楽しめるようにと、スパイスを混ぜ合わせたカレー粉を発明しました。そのため、カレー粉の起源はインドではなく、イギリスになります。
カレー粉が発売したあとは、瞬く間にイギリス中に広まっていきます。上流階級の人々から一般的な家庭まで、カレーを楽しめるようになっていきました。このカレー粉が日本へ渡ってきたのは、1870年頃とされています。
世界のカレー
世界のカレー①インド
誰もが知っているカレーの発祥地ですが、インドと一言では片付けられないほど、様々な宗教や文化、気候や環境があります。例えば北インドは特に濃厚なとろみのあるカレーが特徴で、肉を使ったバターチキンカレーや、キーマカレーなどが有名です。主食はナンやチャパティがメインでした。
対して南インドでは米が主流となり、ココナッツミルクなどを使った、とろみの少ないさらさらなカレーになります。他の地域でも、宗教によってニンニクやターメリックなどなスパイスやハーブが禁止されていて、独特のレシピがある地域もあります。
世界のカレー②イギリス
イギリスのカレーは、日本ととても良く似ています。それは、日本にカレーの文化を広めたのはインドではなく、イギリスと言われているからです。ルーは小麦粉で作り、インドのヒンズー教で禁止されている牛肉を使用したりと、 インドのカレーとはかけ離れていると言ってもいいかもしれません。
日本にカレーを伝えたのがイギリス人のため、日本のカレーの起源はイギリス式の洋風カレーとなります。そのため、本場インドのカレーを見ると、あれ?と違和感を感じることがあるかもしれません。
世界のカレー③タイ
近年人気のタイ料理ですが、昔はタイ料理は未知と言われていました。それは建国以来、ずっと奪われることなく独立してきたためで、その料理も他の国と違った独特のレシピがあります。レモングラスやナンプラーなどハーブやスパイスも個性的で、グリーンカレーやレッドカレーなどがあります。
インドでは乾燥したハーブが主流ですが、タイのカレーは生のハーブを使うことが多いです。さらにタイのカレーは「ゲーン」という名前が付いていて、歴史のある、カレーから独立したような料理になっています。
世界のカレー④ドイツ
ドイツは日本のように「カレーは国民の代表食!」と言われるほどメジャーではありません。第二次世界大戦の後にドイツにもカレーが入ってきましたが、それほど広まることはありませんでした。
日本でいうカレーライスなどではなく、歴史の中で別のカレー料理が誕生しました。カリーヴルストというカレーのソーセージです。色々な調味料を使うのですが、カレー粉も使われていて、博物館が建てられるほど有名なレシピとなっています。
世界のカレー⑤インドネシア
インドネシアの中でも、例えばジャワ島などは世界の全ての香辛料が手に入ると言われるほど、歴史的に見ても香辛料が豊富にある島です。当時はスパイスは高価なもので、それらを手に入れるために始まったのが大航海時代と言われています。
それによって多くのインドネシアの島々は、それぞれ他の国に支配された経験があり、それぞれ独特のカレー文化が出来上がっていきました。ジャワ島はヒンズー教の影響を受け、野菜や豆をたくさん使っています。中国の影響を受けて春雨の入ったカレー、ヒンズー教の影響でイスラム教では禁忌の豚肉を食べる島もあります。
カレーの起源や歴史は奥が深い
カレーの語源や発祥地、起源や歴史はなどを紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか?起源を遡ってみると、遠い国から伝わったカレーですが、これからも幅広い年齢の人々から愛されていくでしょう。発祥地に関わらず、スパイスを組み合わせることからカレーを作ってみるのも楽しいかもしれませんね!
また、大量に作ったカレーが余った時のリメイクレシピもたくさんあります!連日カレーだとつまらないと感じる人は、ぜひこちらの記事を参考にして、美味しくリメイクしてみてくださいね!
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