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握り箸とは?

握り箸とは棒を握るように箸を持つこと

握る

握り箸とは、棒を握るように2本一緒に箸を持つことです。まだ箸を使い慣れない幼児や子供に多くみられ、幼い印象を与える持ち方です。相手を攻撃する、という意味も持ち、間違った箸の使い方の中でも特に汚い持ち方とされています。

2本を同時に握っているため箸本来の「はさむ」「つかむ」「切る」などの動作をスムーズに行うことが出来ません。握り箸は、握りしめた箸を食べ物に刺したり、お茶碗から直接かきこむような食べ方になります。そのため自然と早食いになり、背中も丸まり姿勢が悪く見えてしまいます。

また、食べるときだけでなく、片方の手で器、もう片方の手で箸を持つようなシチュエーションのときに箸を握るように持ってしまうと、これも握り箸なのでよろしくありません。このようなときは一度箸を置いて握り箸にならないように気を付けましょう。

握り箸はやってはいけない箸のマナー「嫌い箸」の1つ

やってはいけない

握り箸は、やってはいけない箸のマナーである「嫌い箸」の1つでもあります。箸のお作法の中で「嫌い箸」とはマナー違反とされる箸の使い方の総称で、食事中に嫌い箸をしてしまうと、食べ方が汚く見え、一緒に食べている相手にマイナスイメージを与えてしまうおそれがあります。

握り箸になってしまう原因は?

子供のころからの癖

子供のころから

握り箸になってしまう原因で一番多いのが、子供のころからの癖です。握り箸は、初めて箸を使う子供がやってしまいがちな持ち方で、フォークやスプーンを握るように使っている子が箸も同じように持ってしまうことから起こります。

フォークやスプーン自体棒を握るように持つのではなく、箸を扱うのに必要な指先の筋肉を鍛える「えんぴつ持ち」で持てるようになると、スムーズに箸に移行出来るといわれています。箸の持ち方は一度癖づいてしまうとなかなか矯正することが出来ません。早いうちから正しい持ち方を身に着けることが大切です。

握り箸が汚い持ち方だという自覚がない


自覚がない

握り箸が汚い持ち方だという自覚が無いことも、握り箸になってしまう原因です。本人に直す意思が無ければ、矯正しようがありません。握り箸などの間違った箸使いは、周囲を不快にさせてしまい、自分に損なことばかりだと知らなければいけません。

遊びで、仕事上で、結婚の挨拶で、など様々な場面で食事を共にする人たちに幻滅されたり、「育ちが悪い」と自分だけでなく両親にまでマイナスイメージを与えてしまうかもしれません。汚い箸の持ち方をしてしまっている人は、こちらの記事を読んで、自分の現状を確認し改善しましょう。

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汚い握り箸の持ち方を矯正する方法は?

正しい箸の持ち方を覚える

覚える

汚い握り箸の持ち方を矯正するために、まずは正しい箸の持ち方を知りましょう。初めの内は、2本同時に持つのではなく上の箸を持ってから下の箸を持つとわかりやすいですよ。2本の間隔は充分に空けるようにすると動かしやすくなります。

    正しい箸の持ち方

  1. 1上の箸を持つ。箸を1本、親指・人差し指・中指を使って、鉛筆を持つように持つ。箸の頭から1/3あたりを持つ。
  2. 2下の箸を持つ。もう1本の箸を、親指の付け根に挟み、薬指の第一関節あたりに乗せる。

正しく箸を持てたら動かしてみましょう。といっても動かすのは上の箸のみで、下の箸は基本的に動かしません。人差し指と中指を使って上の箸を動かしてものをつかんだり、切ったりします。親指は箸を支える役割なので動かしません。上の箸をまっすぐに上下させ、箸の先にカチカチと合わさるように意識してください。

最初は使い始めてすぐに疲れてしまったり、そもそも動かせないかもしれません。正しい持ち方を維持する指の筋力が無いので仕方がないことです。徐々に持つ時間を伸ばして慣らしていきましょう。また、箸の持ち方・動かし方はこちらの動画をみるとより理解が深まります。参考にしてみてくださいね。

輪ゴムで固定する

わごむ

家庭で簡単に汚い握り箸の持ち方を矯正するには、輪ゴムがおすすめです。正しい持ち方を頭で理解しても、実際に動かそうとするとスムーズにはいきません。そこで正しい持ち方が崩れないように、輪ゴムで固定して、箸の持ち方を身体に覚えさせます。強く固定してしまうと血が止まってしまうので気を付けてくださいね。

固定の仕方は2つあります。まずは8の字に固定する方法です。輪ゴムを8の字にし、人差し指と親指に巻き付けます。正しい箸の持ち方をして、輪ゴムの上から握ります。このとき下の箸は親指と輪ゴムの間に通すとしっかり固定され、正しい持ち方が崩れにくくなります。

次は薬指を固定する方法です。箸を持つ薬指に輪ゴムを巻き付けます。第一関節あたりに巻いてください。巻いた輪ゴムに、箸を通して固定します。上の箸は親指、人差し指、中指でえんぴつ持ちをしてください。上の箸の動かし方、下の箸の固定の仕方をそれぞれ覚えることが出来ます。

矯正箸を使う

市販の矯正箸を使うのもおすすめです。矯正箸は親指や薬指付け根など箸を持つ際のポイントにフィットするようにくぼみが作られており、使うだけで自然に無理なく正しい箸の持ち方を身に着けることが出来ます。といっても使った直後に出来るわけではありません。訓練する目安として、2週間はみてください。

矯正箸にはいくつものサイズや、女性用、男性用、子供用、右利き左利き用など様々な種類が用意されています。箸を持つ際に一番適したサイズは、親指と人差し指を広げた1.5倍がの長さといわれています。その長さや用途に最も近いものを購入してくださいね。

矯正箸は、一見普通の箸と変わらないシックで洗練されたデザインのものが多くなっています。外出先で使っても違和感は無い上、汚い持ち方を矯正する間だけでなく、出来た後も普段用として充分使っていただけますよ。

豆つかみトレーニング

トレーニング

正しい持ち方や動かし方が出来るようになったら、豆つかみトレーニングに挑戦しましょう。やり方は簡単で、2つお皿を用意して、片方のお皿に入れた豆をもう片方のお皿に箸を使って移動させるだけです。ですがこれは箸の使い方でも高度な細かいものをつかむトレーニングで、実際やってみると意外と難しくて苦戦します。

まずは柔らかい甘納豆や煮豆を使って、慣れてきたらあずきなどの乾いた豆に移行しましょう。1分、2分と時間設定してトレーニングすると上達具合がわかりやすく、やる気も出て楽しく取り組めます。

大人の箸マナー5選

大人の箸マナー①箸の取り方


箸の取り方

大人の箸マナー1つ目は、箸の取り方です。箸を持ち上げるときは、右手・左手・右手の3ステップで、両手を使って持ち上げます。まず右手で箸の真ん中より少し上をつかんで持ち上げます。このとき右手は揃えておきましょう。次に左手を軽く箸の下に添えます。最後に右手を箸の右端から下へと滑らせます。

箸の取り上げ方ひとつでも、片手でひょいっと持ち上げるのではなく、「箸さばき三手」と呼ばれるこの工程を踏んで取り上げるととても美しく上品に見せることが出来ます。さりげなく正しい取り方が出来ていると、周りから一目置かれるかもしれませんよ。

大人の箸マナー②箸の置き方

箸の置き方

大人の箸マナー2つ目は、箸の置き方です。箸を置くときは、取り上げ方の逆の手順になります。まず箸に両手を添えます。指はきれいに揃えましょう。左手を外し、右手で静かに箸置きの上に戻します。箸の先を3センチほど外に出して置くと尚良しです。

ちなみに、器の上に箸を置くのはマナー違反です。箸を置きたいときは箸置きの上に戻しましょう。箸置きが無いときは、膳や平皿のフチを箸置きがわりにして置いてください。箸袋があれば、リボンや鳥などに折って箸置きの代用にするのも粋ですね。

大人の箸マナー③器を取る際は一度箸を置く

器をとる

大人の箸マナー3つ目は、器を取る際は一度箸を置くことです。まず、両手で器を取り、どちらかの手にうつします。器のフチは持たないようにしてください。箸置きから器をもっていない方の手で箸をとって、器を持った手の人差し指と中指の間に箸の先を挟んで正しく持ち直します。

器に入った料理を食べ終えたら、先に箸を箸置きに置いてから、器を両手で持ってもとに戻します。ついついやってしまいがちですが、器と箸を同じ手で同時に持つことはタブーとされています。器は箸を持たない方の手で持つようにしましょう。

大人の箸マナー④割り箸は上下に割る

食事中

大人の箸マナー4つ目は、割り箸の割り方です。割り箸なんてどんな割り方でも良いじゃないか、と思うかもしれませんが、正しい割り方をすると所作が美しく見えるだけでなく、割り箸自体とても綺麗に割ることが出来ます。ささくれだってしまったり、太さが極端に違う…なんて失敗もなくなりますよ。

まず割り箸を胸の前で持ちます。箸先は左側に、上下に引っ張るようにして割ります。こうすると力の加減がおさえられ、綺麗にぱきっと割れます。左右に割ると力が入りすぎて隣の人や机の上のものに当たってしまう恐れもあります。

大人の箸マナー⑤一口で食べられる分だけ切る

切る

大人の箸マナー5つ目は、一口で食べられる分だけ箸で切ることです。一口で食べられない大きさの料理は、箸で一口サイズに切って食べます。大きい料理を無理に口に入れて食べると、咀嚼音が大きくなったり、頬が膨らんでしまったり、口に食べ物がいっぱいで話を中断しなければならなくなります。

箸で料理を切るときは、箸を2本揃えてそっと押さえるように切ります。手前から向こう側に少しずつ動かしながら切りましょう。よくやりがちなのが、箸を1本ずつ持ってナイフとフォークのように切ってしまうことです。これは正しい箸のマナーとはいえません。

大人の箸マナー⑥はさみ箸やもぎ箸などの「嫌い箸」はマナー違反

驚き

大人の箸マナー6つ目は「嫌い箸」と呼ばれるタブー行為をしないことです。嫌い箸には42もの種類があります。やってしまいがちな箸のマナー違反が42種類もあるということですね。「はさみ箸」や「もぎ箸」など一度は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。代表的な嫌い箸は以下の通りです。

代表的な嫌い箸一覧

握り箸 棒を持つような手つきで2本の箸を同時に持つこと。
はさみ箸 箸と箸で食べ物を渡しあうこと。
立て箸 ごはんに箸を突き立てること。仏箸ともいわれ、葬儀で使われる枕御膳のため、普段の食事で行ってはいけない。
もぎ箸 箸先についた食べ物を口でもぐように食べる。
くわえ箸 箸をくわえたり、くわえたまま器を手で持つこと。
迷い箸 どの料理を食べるか食事の上で箸を迷い動かすこと。
空箸(からばし) 箸を一度料理につけたのに、食べずにそのまま戻すこと。
直箸(じかばし) 取箸を使わずに、個人の箸で直接料理を取ること。親密な関係性だと場合によっては直箸をすすめられることもある。
寄せ箸 箸で器を手元に引き寄せること。
差し箸 箸を料理に刺して食べる。
かき箸 器から直接料理をかきこむこと。
渡し箸 食事の途中に箸を器の上に置く。「ごちそうさま」の意味にもなる。
差し箸 箸で人を差すこと。

お葬式を連想させる、間違った持ち方である、周りの人に迷惑をかける、怪我をする恐れがある、など嫌い箸は様々なタブーを含んでいます。食事の場では使わないようにしましょう。嫌い箸を意識するだけでも箸のマナーはぐんと向上します。

握り箸はマナー違反!正しい箸の使い方を身に着けよう!

握り箸は「嫌い箸」とも呼ばれるマナー違反な持ち方です。握り箸だけでなく、箸の持ち方にはいろいろルールがあり、面倒に感じるかもしれません。ですが正しい箸の持ち方や食べ方は、食べ物を扱いやすいように、器や食卓、自分の手を汚さずにすむようにと昔の人々が四苦八苦しながら生み出したとても合理的な動作なのです。

きちんとした所作は、周りの人に迷惑をかけることもありません。会話を楽しみながらしっかり食事をすることが出来ます。正しい箸の使い方を身につけると、不思議と心が洗われるような感覚になり、いつもの食事もより美味しく感じられるようになります。

箸のマナー違反な行為や汚い持ち方は、自分にも、食事を共にする相手にも良いことはありません。大人になっても思い立った日からいつでも箸の持ち方は矯正出来ます。正しい箸の使い方を身に着け、楽しい食卓を囲みましょう。正しい箸のマナーをより深く知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみてくださいね。

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