Icon search 36px


金継ぎって何?自分でできるの?

金継ぎについて①割れた陶器や茶碗を修復する伝統の方法

金継ぎとは、日本の伝統文化の1つで、割れた陶器や茶碗を修復するために生まれたやり方・方法です。割れてしまった部分を貼り合わせ、割れ目に漆と金粉で装飾を施すことで、新たな美しさや魅力を作り出します。物を大切にする日本人の心が生んだ文化で、最近では多くの人が金継ぎに熱い注目を寄せています。

金継ぎについて②手順と方法さえわかれば自分でも挑戦できる!

金継ぎと聞くと、専門の職人さんだけができるもので、どんなやり方をするかわからないものです。しかし、体験教室やワークショップが開かれているように、実は自分でも簡単に楽しむことができます。方法や手順、さらには準備する道具や材料、修理キットさえきちんと揃えられれば、金継ぎに挑戦することができます。

金継ぎを自分で行うときに必要な材料と道具は?

金継ぎに必要な材料と道具①生漆・本漆

金継ぎに必要な材料と道具1つ目は、生漆や本漆です。この生漆や本漆は、手が加えられる前の漆のことです。木の樹液である漆は、空気に触れることでどんどん黒くなっていき、徐々に固まっていきます。この漆の性質を利用して、割れてしまった陶器や茶碗を修復していきます。

漆は、専門店以外ではなかなか手に入ることはありません。しかし、最近ではインターネットを利用すれば修理キットやチューブ入りの漆などを手に入れることができます。初心者の方は、チューブタイプの漆などを使ってもいいですね。ちなみに、接着用として漆を用意しますが、環境によっては固まりづらいことがあります。

金継ぎに必要な材料と道具②砥の粉

金継ぎに必要な材料と道具2つ目は、砥の粉です。砥の粉とは、粘土を焼いて粉砕した粉のことです。つまり、陶器の粉だと思えばわかりやすいですね。砥の粉もまた、漆と混ぜ、専用の接着剤として使います。割れ目を埋めていく作業に使用するため、混ぜると固さがでます。


砥の粉と聞くとなかなか馴染みがないため、どこで購入すればいいかわからない人も多いことでしょう。しかし、実は砥の粉はホームセンターなどで簡単に手に入るものです。というのも、砥の粉は木工製品の下処理などに使われたり、目止めと呼ばれる作業でよく使われているからです。

砥の粉は、もともと粘土を焼いて処理したものですので、水に溶くと泥のような状態になります。そのため、陶器やお茶碗との相性も抜群です。漆と砥の粉、さらに木粉を混ぜてパテ状にし、その上に金粉を乗せていくことで金粉が定着しやすい土台を作る役割も果たします。

金継ぎに必要な材料と道具③木粉

金継ぎに必要な材料と道具3つ目は、木粉です。これは簡単に言えば木を加工した時に出る粉のことで、おがくずとも呼ばれています。木粉は、できれば目の細かいものを用意するのがおすすめです。いわゆるパテとして使用するため、割れた部分がしっかりくっつくよう、なるべく細かいものを用意しましょう。

木の粉もまた、なかなかお店では手に入りづらい代物です。木工をしている工場などが近くにあれば手に入る機会もあるかもしれませんが、なかなかそういう機会もないでしょう。そういう時はインターネットで修理キットなどを購入するのがおすすめです。

金継ぎに必要な材料と道具④金粉

金継ぎに必要な材料と道具4つ目は、金粉です。金粉は、最近では東急ハンズなどのお店で手に入るようになりましたが、いわゆるホームセンターなどでは売られていないことも多いため、こちらもインターネットで修理キットなどを購入するのがおすすめです。

金粉を選ぶ際は、目が細かいものを選ぶのがよいでしょう。小目と表記されているものを選んでおくのがいいです。ちなみに、金粉は高級品ですので価格もやや高めなのがネックです。そんな時は、真鍮粉という真鍮を粉上にしたものを代用してみるのもいいですね。

例えば、練習用に使ってみたり、陶器のインテリアの修復に使ってみたりと、金粉の代用に使ってみるのもいいでしょう。尚、金粉や真鍮粉を振っていく際は、筆を使うのもいいのですが慣れない人は綿を用意してもOKです。綿で優しくポンポンと叩くことで、手は汚れますが丁寧な処理ができます。併せて用意しておきましょう。

金継ぎに必要な材料と道具⑤ヘラ

金継ぎに必要な材料と道具5つ目は、ヘラです。ヘラは、木や竹のものを選ぶのがおすすめです。パテ状態にした漆を割れ目に塗りこんでいく際に使います。そのため、使っているうちに自分で加工しながら使える木や竹のようなヘラを選んでいくのがいいでしょう。


木や竹なら、簡単に自分でけずって加工することができるのでおすすめです。また、これからどんどん金継ぎに挑戦していきたい人は、形状や大きさが違うものをいくつか用意しておくと便利です。割れ目の大きさ等によってヘラを変えて使うことができるためです。

ちなみに、ヘラで漆を塗る際は手に漆がつかないよう、併せて薄手のゴム手袋を用意しておくことも大切です。特に初心者は漆の扱いに慣れていないため、誤って手に塗りつけてかぶれてしまったということも少なくありません。しっかりヘラを握れるようなフィットしたゴム手袋を用意しましょう。

金継ぎに必要な材料と道具⑥筆

金継ぎに必要な材料と道具6つ目は、筆です。筆は、割れた陶器や茶碗をくっつけるために漆を塗る際に使います。そのため、細い筆を1本用意しておくのがいいでしょう。修理キットにもちろん入っています。初心者は、やや硬めの毛質でできた水彩用の筆を用意しておいてもいいですね。

ちなみに、漆が付いた筆はなかなか水で洗っても落ちるものではありません。しかし、そのたびに買い直していたのではコストもかかりすぎます。そんな時は、サラダ油やアルコールで筆についた漆を除去しましょう!すっと落ちてくれるほか、アルコールなら漆が固いときに伸ばすことにも使うことができます。

また、筆は細筆と太筆の2本用意しておくと便利です。細筆は漆用、太筆は金粉を振るようです。太筆は、金粉を優しく振り蒔くのに使うため、毛質の柔らかな筆を用意すると便利です。もちろん、前述の通り綿でぽんぽんと金粉を乗せるように使ってもいいですが、慣れてきたら筆を使って手が汚れないようにするのもいいですね。

金継ぎで割れた陶器の修理のやり方は?手順も

自分で修理する方法・金継ぎのやり方①割れた陶器をくっつける

自分で修理する方法・金継ぎのやり方1つ目は、割れた陶器をくっつけることです。漆に、砥の粉を混ぜてしっかりと練ります。練った接着剤を、陶器の割れた部分に満遍なく塗っていきます。この時、手を保護できるようきちんとゴム手袋を使ってください。

また、はみ出た部分についてはアルコールを使うと綺麗にふき取ることができます。ちなみに、初心者がいきなり漆を使ってくっつけようと思ってもなかなかうまくいかないことがあります。その上、漆は固まるまでに期間もかかるものです。手っ取り早く行いたいという方は、この工程のみ接着剤で代用してもOKです。

尚、漆を混ぜたり練ったりする際は、専用の器を用意することをおすすめします。漆の処理に困るため、できれば使い捨てのものを選ぶと便利です。どれを用意したらいいかわからない場合は、クリアファイルや下敷きで代用すると扱いやすいので簡単です。

自分で修理する方法・金継ぎのやり方②割れ目を埋めていく


自分で修理する方法・金継ぎのやり方2つ目は、割れ目を埋めていくことです。漆に砥の粉、さらには木粉を混ぜて練ります。すると、ペーストが固くなりパテ状に変化していきます。ヘラを使いこれを割れ目に埋めていきましょう。

割れ目の間に空洞ができてしまうと、後々そこから水漏れをしてしまったり、割れやすくなってしまうため、この作業は気を抜かずにしっかりと行います。割れ目が大きい場合は、砥の粉を増やしたりして固めのペーストにして形を作り、しっかり乾燥させます。乾燥は状況によりますが、数日から数か月程度かかります。

この作業でも、はみ出た部分は最後にアルコールで拭きあげると綺麗になります。しかし、乾くまではなかなか処理するのも難しいため、とりあえず乾かしてからでこぼこした面をサンドペーパーで仕上げていく方法のほうが便利です。そのため、必要に応じてサンドペーパーも用意しておくとよいでしょう。

自分で修復する方法・金継ぎのやり方③金粉を振って割れ目を装飾する

自分で修復する方法・金継ぎのやり方3つ目は、金粉を振って割れ目を装飾することです。しっかり乾燥させ、サンドペーパーなどで処理が終わったらあとはいよいよ金粉を振る作業に取り掛かります。漆を前回パテで埋めていった割れ目に塗っていき、その上に金粉を乗せていきます。

漆をヘラでしっかり練り、黒っぽく変化したものを塗っていくやり方をしますが、塗った部分がわかりづらいという方は顔料を混ぜておくと塗った部分がわかりやすいのでおすすめです。縫った部分が乾かないうちに、今度は金粉を優しく振っていきます。

筆や綿を使い、金粉を満遍なく振り蒔きます。金粉は、体内に入っても大丈夫なものですが、真鍮粉を使う場合はできるだけ食器の修復などには遠慮し、インテリア用などのものに使うのが良いでしょう。金粉を蒔いたら、あとはしっかり乾燥させて完成です。

金継ぎが簡単に出来る市販のキットって?

金継ぎを簡単に楽しめるキット①金繕いセット

金継ぎを簡単に楽しめるキット1つ目は、金繕いセットです。金継ぎのために必要な材料や道具が一通りそろっているだけでなく、マニュアルもバッチリなので初心者には大変おすすめです。Youtubeで動画を見ることができるので、まずは予習してみるといいですね。

また、初心者にも嬉しい金粉の代用粉が入っているということもおすすめの理由の1つです。金粉は高価なものですので、まず最初は代用粉で練習ができるというのは何より助かりますよね。ちなみに、作り方がわからないときは問い合わせ窓口もあるので、そちらに掛け合ってみるのもよいでしょう。

POINT

イチオシの理由

マニュアルがバッチリなので、初心者にはとくにおすすめ! わからない点は、窓口に連絡ができる点も至れり尽くせりです。

金継ぎを簡単に楽しめるキット②金継初心者セット

金継ぎを簡単に楽しめるキット2つ目は、金継初心者セットです。Amazonのベストセラー1位にも選ばれているこちらのキットは、とりあえず金継ぎという文化に触れてみたいという人におすすめなセットになっています。

工程説明書の通りにやっていけば、自分でも簡単に金継ぎがどんなものなのかを実際に体験することができるのが魅力です。もちろん、必要な材料や道具はしっかり入っているため、金継ぎ初心者の入り口的な存在としても利用することができますね。

POINT

イチオシの理由

金継ぎってどんなものなのかな?と思っている初心者中の初心者におすすめ。マニュアルも道具・材料もバッチリ揃ってます!

金継ぎを簡単に楽しめるキット③藤井漆工芸金継ぎ「美」セット

金継ぎを簡単に楽しめるキット3つ目は、藤井漆工芸金継ぎ「美」セットです。金継を何度か体験して自分でも実際に家でやってみよう!と思っている中級者におすすめのセットです。本格的な道具や材料が揃っているため、金継ぎをこれから本格的に極めてみたいという人におすすめです。

マニュアルはついておりますが、初心者にはやや難しい点もあるため、一度金継ぎをどこかで体験したことのある人にとっては使い勝手のいいセットになっています。材料や道具は最低限のもののみが揃っているため、必要なものは買い足して使いましょう。

POINT

イチオシの理由

金継ぎ中級者におすすめ!一度金継ぎ体験をしてみて、自分でもやってみようと思った方に丁度いいセット内容になっています。

金継ぎで大切な陶器をいつまでも使おう!

金継ぎは、難しいように見えて実は結構シンプルな工程の繰り返しです。そのため、取り掛かりやすいといったメリットがあります。材料にこだわれば、金継ぎた陶器や茶碗は食器として使うことも可能です。伝統作法に興味のある方なら、下記の記事を参考に抹茶を立ててみてもよさそうですよね。

まずは一度、金継ぎ体験教室やワークショップ、さらには動画などで金継ぎのやり方について実際に目で見て体験してみましょう。そのうえで、今回の記事を参考に自分なりの金継ぎの方法を試してみるといいですね。みなさんもぜひ、金継ぎで大切な陶器や茶碗を大事にしてみてくださいね!

関連記事

【人気】抹茶の美味しい飲み方は?作法/お茶/マナー

抹茶の美味しい飲み方をみなさんはご存知ですか?お茶の作法や基本的なマナ

Small thumb shutterstock 237930475

商品やサービスを紹介する記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。

KEYWORD

関連のキーワード


NEW

新着記事


RANKING

人気の記事