冷凍焼けになる原因って?
冷凍庫で嫌な臭いがつく「冷凍焼け」
冷凍しておいた、肉や魚がいつの間にか、パサパサになったり嫌な臭いがしまった、という経験はありませんか?それは「冷凍焼け」というものです。冷凍焼けとは、長期間冷凍保管することで起こる現象です。冷凍焼けすると、味や風味が落ちてしまったり、冷凍庫内の嫌な臭いが付着したりと、食品が劣化してしまうのです。
冷凍焼けする原因は「酸化」
では、冷凍焼けしてしまう原因とはいったい何なのでしょう。それは、ずばり「酸化」です。冷凍庫内では、個体から気体に一気に変化する「昇華」とい現象が起きています。食品から水分がどんどん抜けていくのです。その抜けた部分には空気が入ってしまいます。空気に触れた食品の細胞は「酸化」してしまいます。
食品内の油分が「酸化」してしまうことで、固くなってしまったり変色してしまいます。また冷凍焼けの嫌な臭いも付着してしまいます。
冷凍焼けの原因は、乾燥と酸化冷凍焼けは、乾燥や酸化が原因で起こります。食品をそのまま置いておくと、水分が蒸発して乾燥しますが、冷凍した状態においても乾燥は進行します。 固体から気体へと変化する昇華によって、氷から水蒸気へと変化し、食品内の水分が抜けていきます。食品内の細胞から水分が抜けると、抜けた部分に空気が入り込み酸化します。酸化するとタンパク質が変質し、変色、油やけ、酸敗を引き起こします。その結果、風味や食感が落ち、品質が劣化してしまいます。
引用 : 春夏秋冬
冷凍焼けを防ぐ方法
冷凍焼けを防止するには、酸化させないように空気を入れないことがポイントです。隙間のあかないようにぴっちりとラップなどで食品を巻いてから、ジップロックやタッパーなどの密閉容器に入れて冷凍することが大事です。袋タイプのジップロックも、空気を抜いてからジップで閉じます。
また、冷凍する前の工夫として、お肉の場合は砂糖水(水1リットルに対し砂糖1グラムを溶かしたもの)にさっと漬けると冷凍焼けを防ぐことが可能です。魚の場合は下処理をして内臓を取り除き、水分はキッチンペーパーでしっかりふき取ります。水分の多い食品のほうが、昇華から冷凍焼けを起こしやすいのです。
肉の冷凍保存期間は一ヶ月です。2~3週間までが美味しく食べられる期間といわれています。魚の冷凍保存期間は2~3週間です。魚の場合は、下味をつけることで、冷凍焼け防止と同時に保存期間が一ヶ月に伸びる効果もあります。どちらにしろできる限り、冷凍長期保存をしすぎずに、はやめに使い切るのがベストでしょう。
冷凍焼けで付く嫌な臭いを取るメリットは?
冷凍焼けした食品も食べられる
冷凍焼けしないようにしたつもりでも、すでに冷凍焼けしてしまったお肉や魚。捨てるにはもったいないですね。嫌な臭いがするから、抵抗があります。冷凍焼けした食品は食べられるのでしょうか?冷凍焼けした食品は、食品の劣化は起きていますが、安全性に問題があるわけではないので、食べることは可能です。
嫌な臭いの原因が冷凍する前の物でなければ(冷凍する前に腐っていたなど)、冷凍庫の環境で菌は繁殖しないので、腐った食品の臭いではありません。
冷凍焼けの臭い消しで美味しく食べられる
冷凍焼けした食品も食べられるとはいえ、通常通りに調理しても、パサパサ感や嫌な臭いは残ったままです。一度冷凍焼けしてしまった食品は元には戻せないのです。調理してみても「美味しくない…嫌な臭いがする…」となると、やはり残念ですね。
付着してしまった冷凍焼けの臭い消しの方法があれば、どうでしょう。嫌な臭いがなくなれば、気にせずにおいしく食べられるというメリットがありますね。肉や魚についた冷凍焼けの臭い消しの方法を次でご紹介します。
冷凍焼けした肉の臭いを消して食べられるようにする方法
冷凍焼けした肉の臭い消し①塩水に漬けて寝かす
冷凍焼けした肉の臭い消し方法としてメジャーなのが、塩水を使う方法です。塩水を使うと、浸透圧によって抜けてしまった水分が肉に戻っていくのです。実際に食べてみても、塩水処理した肉は臭いも気にならず、ジューシーで柔らかくなるという結果になっています。この方法はひき肉以外の肉なら使えます。
- 1冷凍焼けした肉の重量を測ります。
- 2肉の重量の3%の塩水をポリ袋に入れます。
- 3ポリ袋に冷凍焼けした肉を入れます。
- 4ポリ袋の口をねじってしばり、2~3日冷蔵庫で寝かせます。
塩水を使った冷凍焼けした肉の臭い消し
決め手は塩水にあり!まず、冷凍焼けした肉の重量を測ります。同量の水と肉の重量の3%の塩をポリ袋に入れてふり、よく混ぜて塩水をつくります。そこに、冷凍焼けした肉をイン!決め手は塩水にあり!そのままポリ袋の口をねじってしばり、2~3日冷蔵庫に入れてなじませるだけ。 こうすると浸透圧の関係で、抜けた水分が肉に戻り、おいしさが復活するんです。
引用 : ESSEonline
冷凍焼けした肉の臭い消し②牛乳に漬けて柔らかくする効果も
続いての、冷凍焼けした肉の臭い消し方法は、牛乳を使用することです。牛乳のたんぱく質が、臭いを吸着する性質があります。冷凍焼けした肉を解凍し、牛乳の中に30分から一時間くらい漬けておきます。調理する前に軽くすすいで、水気をふき取ってから使います。これで冷凍焼けの嫌な臭いを消してくれますよ。
この方法では、肉を柔らかくする効果もあるといわれています。また、ヨーグルトでも同様の効果が得られるといわれています。臭い消しができて柔らかく美味しくできたら一石二鳥ですね。
冷凍焼けした肉の臭い消し③おろし玉ねぎに漬ける
すりおろした玉ねぎに一晩漬けておくのも、冷凍焼けの肉の臭い消しに効果的です。玉ねぎのプロテアーゼという酵素が肉のたんぱく質を分解してくれるので、肉の臭いや硬さが和らぎます。他にも、ニンニク、ねぎ、しょうがなどに漬けると、嫌な臭い消しとともに、下味効果もあります。
パイナップルやキウイにも同様の酵素が含まれています。香味といっしょに調理したり、肉料理の味付けに使用すると臭いも気にならなくなります。
また、冷凍肉を柔らかく調理するひと手間として、約15分前に室温に戻しておくのがおすすめです。焼き上がりが柔らかく、おいしくなります。
解凍したお肉をそのまま加熱すると、お肉が硬くなってしまう傾向があります。これは、冷凍・解凍したお肉に限ったことではなく、冷蔵庫で保管していたお肉も同様です。お肉は焼く15分くらい前から冷蔵庫等から出し、室温に戻してから加熱したほうが柔らかく焼けるそうです。室温に戻すことで、お肉の外側と内側の温度差がなくなり、火が均一に通りやすくなるそうです。
引用 : ウチコト
冷凍焼けした肉の臭い消し④50度洗いで解凍する
「50度洗い」ということばを聞いたことはありますか?ちょっと熱いと感じるぬるま湯で洗うことで、お肉が美味しく臭みもとれます。これは、50度のお湯によって付着した酸化物が洗い流されるからなのです。余分な脂肪も取れてヘルシーになるほか、肉が柔らかくなる効果もあります。50度洗いの手順をご紹介します。
- 1ボウルかざるに50度のお湯を用意します。
- 2熱く感じたらゴム手袋などを使用し、お湯の中で肉を洗います。
- 3冷凍肉でお湯の温度が下がってしまうので、差し湯をしながら解凍します。
- 4洗い終わったらざるにあげて水気を切ります。
- 5粗熱がとれたら冷蔵庫へうつします。
50度洗いで解凍する方法
お肉は切り身やブロックになると、その瞬間から表面は空気に触れて、酸化が始まり、その酸化がアクとなりお肉の味を低下させるといわれています。しかし、50℃のお湯でお肉を洗うとその酸化物が流され、酸化を最小限に抑えてくれるのです。また、余計な脂肪分も流されるので、健康にもよい効果があり、食感にも変化が起きます。身がしっとりジューシー、そしてふっくらとするので、鶏の胸肉などパサパサしがちなお肉もやわらかくおいしくなります。洗ったお肉は軽く水気を拭き取り、冷蔵庫保管し、その日のうちに使い切りましょう。同様に冷凍したお肉も差し湯をしながら、50℃洗いすると解凍も同時にでき、冷凍肉特有の臭みもなくなります。実は、ステーキハウスや焼肉店でも50℃洗いを取入れているところがあるそうです。50℃のお湯のなかで、お肉が熟成されていく感じなのでしょうか。酸化した脂が取り除かれるので、活性酸素の原因である老化物質を体内に取り込むことがなくなり、さらには余分な脂が落ちるため健康的なヘルシーな調理法として、ダイエット中の人にも朗報です!
引用 : Suzie
冷凍焼けした肉の臭い消し⑤濃い味付けの料理に使う
冷凍焼けした肉の臭い消し方法として、料理の味付けそのものを濃いものにしてしまう方法もあります。例えば、パサパサしてしまった鶏肉も場合、抜けてしまった水分を補えるようなカレーや煮物、シチューなどにしてしまいます。カレーはスパイスも効いているので消臭効果もあります。
牛肉の場合は、ビーフシチューやハッシュドビーフに調理します。ミンチ(ひき肉)にしてハンバーグにする場合はナツメグでの臭い消しが効果的です。ひき肉であれば、ミートソースやキーマカレーも同様に濃い味付けで臭いが気にならなくなります。
牛肉が冷凍焼けしてしまった場合は、煮込み料理にするのが手っ取り早くて美味しく食べられる方法です。ビーフシチューやハッシュドビーフにするのがおすすめです。 また、あえてミンチ状に細かくしてからハンバーグにすると、食感の悪さを補うことができます。 ハンバーグにする時は、ナツメグなどのスパイスを入れると臭い対策にもなりますね。ステーキや焼肉といった食べ方は、冷凍焼けの感覚をダイレクトに感じてしまうため、控えた方がよいでしょう。
引用 : トリビアハウス
冷凍焼けした魚の臭いを消して食べられるようにする方法
冷凍焼けした魚の臭い消し①お酒をふりかける
冷凍焼けした魚の臭い消しの方法として、お酒を使う方法があります。解凍する際にお酒をふりかけて解凍すると、アルコールが揮発するときに臭いも一緒にとばしてくれます。また、失ってにまった水分も補給してくれます。簡単な下味効果もあります。洋風の料理の時は、白ワインでもOKです。
冷凍した食品が臭うときは、お酒に漬けておいたり、お酒を振りかけて解凍しましょう。お酒に含まれるアルコールは、揮発するときにニオイの成分も成分も一緒に飛ばしてくれるため、冷凍臭も消すことができるんです。また、冷凍した食材は乾燥しているので、お酒をかけることで失われた水分も補給され、パサつきも軽減できますよ。
引用 : スロイフ
冷凍焼けした魚の臭い消し方法②牛乳やヨーグルトに漬ける
お肉と同様に、牛乳にヨーグルトに漬けることも、冷凍焼けした魚の臭い消しに効果的です。牛乳の中に30~1時間くらい漬けておくと臭いを気にせずに食べられるようになります。ムニエルやカレー風味の調理の下味にも生かせます。こちらの方法は、冷凍焼けに限らず魚の臭み取りとして、レシピサイトにも紹介されています。
魚の臭みを取る簡単な方法淡水魚や川魚などの不快な臭みを取る方法です。 国境付近の主婦 材料 (2尾)魚2尾牛乳魚の半分が浸かるほど水量増し用1水気を切った魚をボールなどに入れて魚の半分ほど牛乳を入れます。 2水を入れて重増しして、常温で30分から1時間放置したら料理に使います。
引用 : COOKPAD
冷凍焼けした魚の臭い消し方法③ぬるま湯洗い
冷凍焼けした魚の臭い消し方法として、調理する前の解凍の際に塩水を使ったぬるま湯につけるという方法があります。これはプロの方も実際に行っている方法です。
- 140度くらいのぬるま湯に塩をいれます。(1リットルにつき3グラムくらい)
- 2そこに冷凍魚を入れ、氷を落とします。
- 32分ほどつけておきます。
- 4クッキングペーパーで水分をふき取り、包んだまま冷蔵庫で30分寝かせます。
- 5冷蔵庫から取り出し、水分をきれいにふき取ります。
塩水のぬるま湯を使っての冷凍焼けした魚の臭い消し方法
魚にやさしい解凍方法を紹介します。冷凍の状態や魚の大きさにもよりますが、調理する1時間くらい前から冷凍庫から出しておくのが基本です。 ・40度くらいのぬるま湯に塩を入れます。(1リットルにつき30グラム程度)そこに冷凍の魚を入れ、氷を落とします。・二分ほどつけておき、取りだしたら水気をキレイに拭きます。・クッキングペーパーに包んだ状態で、ラップはせずに冷蔵庫に入れ、30分ほどねかせておきます。・冷蔵庫から取り出し、水気をキレイにふき取ってください。この方法でいくらか生臭さは取れるかと思います。 冷凍魚は、解凍する時に細胞が破壊されることで出るドリップに菌が繁殖してイヤな臭いが出ます。 凍った魚を解凍すると、どうしても水気は出てしまいます。ですのでキッチンペーパーなどでしっかりと拭いてください。
引用 : 知恵のガイド
冷凍するときも、キッチンペーパーで水分をふき取ることが重要でしたが、魚を解凍する際にも水分をしっかりふき取ってから調理することが重要です。
冷凍焼けした魚の臭い消し④すりおろししょうが汁につける
冷凍焼けした魚の臭い消しに、しょうが汁に漬ける方法も有効です。しょうがを含んだ下味の料理にも生かせます。酒、酢、おろしにんにくなどに漬けると嫌な臭いも気になりません。スパイスやハーブを効かせた料理にするというのも1つの手です。
レシピサイトにも、多くの冷凍焼け魚の臭い消しレシピが掲載されていますが、中でも「ぶりの香味揚げ」がとても参考になりました。ぶり12枚を生姜含む下味調味料に半解凍の状態から漬け込み、解凍したらさらにもみこみます。次に、片栗粉をまぶして揚げます。よりおいしくなる、辛子ダレをつけてもOKです。
- おろししょうが小さじ2分の1
- おろしにんにく小さじ2分の1
- 醤油大さじ1
- 酒大さじ1
- ごま油大さじ1
ぶりの香味揚げ下味調味料
冷凍焼けの臭い消しで食材の無駄ゼロを目指そう
冷凍焼けしてしまうメカニズムと防止のポイントは「酸化」にあったことがわかりました。正しく冷凍保存することで、できる限り冷凍焼けしないように対策しましょう。冷凍庫に保存してしまったまま忘れてしまうのを防ぐために、保存容器に日付をつける、冷凍庫の中を見やすいように整理整頓するなども活用すると良いですね!
それでも冷凍焼けしてしまった肉や魚。これまでは捨ててしまっていたかもしれませんが、今回紹介した臭い消しの方法をぜひ試してみてください。きっとおいしい料理に生まれ変わることができます。食材の無駄ゼロを目指しましょう!
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