【その1】意味を間違えやすいことわざ・慣用句4選
意味を間違えやすいことわざ・慣用句①ぬれ手で粟の誤用は意味がない
意味を間違えやすいことわざ・慣用句1つ目は、ぬれ手で粟の誤用は意味がないということです。本来の意味は大変な苦労もせずに多くの利益を得ることを指した言葉です。誤用されるようになった理由ですが、濡れ手で泡というイメージで濡れた手で泡を掴んでも消えてしまうというところから来ているようです。
そもそも濡れ手で粟の「粟」とは、穀物のことです。米と同じように小さな粒の形をしています。本来の意味の由来は、濡れた手で粟を掴むと、濡れている部分にも引っ付くのでたくさん取ることができる、という発想から来ているそうです。泡ではなく粟なので、くれぐれも間違えないようにしましょう。
意味を間違えやすいことわざ・慣用句②雨後の筍の成長が早いは誤用
意味を間違えやすいことわざ・慣用句2つ目は、雨後の筍の成長が早いは誤用ということです。筍はたけのこと読みます。たけのこのイメージから、成長が速いことを表すために言うことがありますが、実は誤用です。本来の意味は同じようなことが次から次へと立て続けに起こることを指しています。
例えば「子供の成長は雨後の筍の様で目を見張るものがある」という使い方は誤用です。正しい使い方は「最近、雨後の筍のように家の近くにコンビニが建設された」となります。前者は成長が速いという意味で使っており、後者は次々と同じことが起こっているという意味で使っています。正しくは後者です。
意味を間違えやすいことわざ・慣用句③檄を飛ばすは実は元気づけではない
意味を間違えやすいことわざ・慣用句3つ目は、檄を飛ばすは実は元気づけではないということです。言葉のイメージから勘違いされやすい日本語の1つで、元気づけたり励ますという意味で使うのは誤用です。本来の意味は、自分の意見やメッセージを広く知らしめて行動を促すことを指しています。
また「激」と「檄」も間違えやすいので注意しましょう。部首はさんずいではなく木です。使い方については「やる気を失ったチームメイトに檄を飛ばして励ました」は誤用した文章です。正しくは「自分の考えを世間に向けて檄を飛ばした」という風にメッセージを発信するという意図で使うのが本来の使い方です。
意味を間違えやすいことわざ・慣用句④斜に構えるの意味は不真面目ではない
意味を間違えやすいことわざ・慣用句4つ目は、斜に構えるの意味は不真面目ではないということです。言葉のイメージから間違えやすいのですが、決して不真面目な態度や様子を指した日本語ではありません。本来の意味は、態度を改めて身構えることです。また剣道では刀を斜めに構える様子も指しているようです。
言葉の由来は改めて刀を構える様子から来ているため、何かに用心している様子を指す言葉とも言えます。ですが、不真面目や皮肉な態度、という意味であまりに誤用されやすいため、最近では正式な意味としても認められつつあります。ですが、本来の意味を知らないよりは知っている方が損はないでしょう。
【その2】意味を間違えやすいことわざ・慣用句3選
意味を勘違いしやすい日本語①情けは人の為ならずは誤用すると恥ずかしい
意味を勘違いしやすい日本語1つ目は、情けは人の為ならずは誤用すると恥ずかしいことわざです。理由は勘違いの多さで有名だからです。本来の意味は、人に情けをかけるとめぐり巡って自分の所へ帰ってくるという意味です。しかし言葉のイメージから、情けをかけるとその人のためにならないという意味で間違えやすいのです。
(ア) 人に情けを掛けておくと,巡り巡って結局は自分のためになる・・・・・・・・・・・・・・・・ 45.8% (イ) 人に情けを掛けて助けてやることは,結局はその人のためにならない・・・・・・・・・ 45.7%
引用 : 文化庁 「情けは人のためならず」の意味
ちなみに、文化庁の世論調査では、上記のような結果がでています。正しい意味で解釈している人と、間違えた意味で覚えている人は半々ぐらいのようですね。意味を勘違いして取り違えている人が多いことが分かります。間違えやすいことわざですごく有名なので、うっかり誤用すると少し恥ずかしい思いをするかもしれません。
意味を勘違いしやすい日本語②気の置けない人とは親しい人のこと
意味を勘違いしやすい日本語2つ目は、気の置けない人とは親しい人のことです。気を許せない人という意味で誤用されやすい慣用句の1つです。正しくは親しい人のことを指している言葉です。そのため、自分と親しくない人に対して気の置けない人だと表現すると、逆に親しい人と伝わってしまい誤解を招くかもしれません。
(ア) 相手に気配りや遠慮をしなくてよいこと・・・・・・・・・・・・・・・42.4% (イ) 相手に気配りや遠慮をしなくてはならないこと・・・・・・・・・48.2%
引用 : 文化庁 「気が置けない人」は,油断ならない人?
気の置けない人の反対語に気の置ける人という言葉があります。意味は油断できず気が許せないことを指します。上記の文化庁の世論調査でも言葉の解釈が半々に分かれています。意味を取り違えて覚えている人がやはり多いようです。2つの言葉は似た言葉なうえ、誤用すると誤解に繋がりやすいので、注意しましょう。
意味を勘違いしやすい日本語③同じ釜の飯を食うは友人同士では使わない
意味を勘違いしやすい日本語3つ目ですが、同じ釜の飯を食うは友人同士では使わないということです。「同じ釜の飯を食った仲」という言い回しがありますが、友人の間柄では実は不適切なのです。というのも、苦しみも喜びも分かち合った仲というニュアンスがあるため、楽しい遊び仲間に対して使うのは適切ではありません。
例えば、職場の仕事仲間や、部活動で切磋琢磨したチームメイトなど、同じ道のりを歩んで苦楽を共有した親しい人に対して使うといいでしょう。苦難を共にした固い絆で結ばれている仲間なのだな、という印象を相手に伝えることができます。逆にただ楽しく遊んで親しいという間柄の人に対して使うと誤った印象を与えます。
ことわざ・慣用句について学べるおすすめの書籍は?
おすすめの書籍①これでカンペキ!マンガでおぼえることわざ・慣用句
おすすめの書籍1つ目は「これでカンペキ!マンガでおぼえることわざ・慣用句」です。大人から子供まで読める優しい書籍です。マンガという名の通り、言葉の紹介と一緒にイラストも載っており、文章だけではなくイラストでも理解しやすい工夫がされています。特に絵がついているので感覚的に分かりやすいと思います。
分かりやすいと評判で、大人だけではなく子どもに読ませる本としても重宝されているようです。ことわざや慣用句を覚えやすいよう、体や動物、数字などのカテゴリに分けて本文で紹介されているようで、辞典を見るよりもより印象に残りやすい書籍と言えそうです。
おすすめの書籍②実用ことわざ新辞典ポケット判
おすすめの書籍2つ目は「実用ことわざ新辞典 ポケット判」です。ポケット判なのでコンパクトで持ち運びしやすく、外出中でもふとした空き時間に楽しんだり学べて良いと思います。また、テーマや使用する状況ごとに分けられているようで、表現としてぴったりことわざが知りたいときに便利な書籍とも言えます。
日本語だけではなく、海外のことわざも訳文付きで載っています。海外のことわざはふだんの生活では聞く機会があまりないため、新鮮で面白いのではないでしょうか。仕事の合間や、ことわざを用いた円滑なコミュニケーションのために利用している人もいるようです。
おすすめの書籍③慣用句・故事ことわざ・四字熟語使いさばき辞典
おすすめの書籍3つ目は「慣用句・故事ことわざ・四字熟語使いさばき辞典」です。用語が豊富だという声があり、好評です。実践のための用例、言葉の由来などが詳しく解説されており、日本語に興味があって、知識を深めたい人や、日本人としてもっと使いこなしたいという人におすすめの濃い内容の書籍となっています。
おすすめの書籍④誰も知らない世界のことわざ
おすすめの書籍4つ目は「誰も知らない世界のことわざ」です。ことわざや慣用句は日本だけではなく世界中にあります。この書籍では、カラフルなイラストと共に外国の文化に根差したユニークなことわざが紹介されています。日本にはない異文化、民族を感じることができて面白いとの声が多くおすすめの書籍です。
ことわざ・慣用句を正しく使おう
以上が間違えやすい・勘違いしやすいことわざ・慣用句でした。言葉のイメージで何となく使ってしまうと、誤解を招くこともあります。また、多くの人が間違うため、誤用の意味も認められていることわざや慣用句もあります。しかし、対人のトラブルを防ぐという意味でも、やはり元の意味も知っておくべきでしょう。
誰もが間違えやすい、勘違いしやすいからといって、誤ったままの意味で覚えていると、恥ずかしい思いをするシーンもあるかもしれませんので、しっかり正しい意味を知っておきましょう。
ほかにも言葉に関する記事や、美容、恋愛、生活に役立つ知識など多数まとめております。どれも楽しんで読んで頂けるものとなっていますので、ぜひご覧ください。
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