「月うさぎ」はなぜ?由来は?
月にうさぎが居るのはなぜか:満月の模様に由来する
昔から「月にはうさぎがいる」という話がありますよね。月にはうさぎが住んでいて、そこで餅つきをしているというファンタジックな言い伝えです。
そもそもなぜ月にうさぎがいるという話になったのでしょうか。その由来は、満月の模様が関係しています。満月の表面には暗い部分の影ができ、その形がうさぎの姿と餅つきの臼に見えますよね。
こうした形状に見える事から、月にはうさぎが住んでおり、餅つきをしているという言い伝えが生まれたのです。満月の模様が由来なので、満月の日は是非よく眺めてみてくださいね。
月にうさぎがいる伝説はアジア各国に存在する
月にうさぎがいるという伝説は、満月の模様以外にアジアに伝わる伝説も関係あると言われています。なぜ月にうさぎがいるのかと言うのは、インドに伝わる伝説が元になっています。
猿、狐、うさぎの前に空腹に苦しむ老人が現れます。三匹は老人の為に食べ物を集めますが、うさぎだけが食べ物を見つけられず、自ら火に飛び込み自身を食べるようにと老人に身を捧げました。
実はこの老人は帝釈天という神様であり、うさぎの慈悲深い精神を哀れんだ帝釈天は、うさぎを月の中に蘇らせたというものです。このようなインドの伝説が、アジア各国に広まったと言われています。
満州では中秋の名月を祝う中秋節でもうさぎの絵が描かれていた
月にうさぎがいるという伝説は古代インドの物語に由来しますが、インド以外の国でも同様の物語は知られています。例えば満州(現在の中国東北部)では、中秋の名月を祝う中秋節というお祝いが行われています。
この中秋節では、杵を持ったうさぎの姿が描かれていたと言います。また、日本でも飛鳥時代や室町時代などに描かれた芸術作品等に、月のうさぎが描かれています。
また、タイやミャンマーにも月のうさぎに関する伝説は存在します。このように、アジアのあちこちで月のうさぎ伝説が知られています。
海外では満月の模様がうさぎ以外のものに例えられている
日本では馴染みのあるうさぎの模様ですが、国によって見え方は様々です。その為海外では、うさぎの餅つき以外に色々な見え方があると言われています。
例えば南ヨーロッパでは蟹と言われています。逆さまになった蟹が大きなハサミを掲げた様子ですね。また、東ヨーロッパでは女性の横顔に見えると言われています。
その他にもバケツを持つ女性、本を読むおばあさん、吠えているライオン、ロバ、ワニなど様々なバリエーションがあります。国によって見え方がまるで違うのは面白いですね!
海外での月の模様の見え方一覧
日本・韓国 | うさぎの餅つき |
中国 | 薬を作るうさぎ |
カナダ | バケツを持つ女性 |
北ヨーロッパ | 本を読むおばあさん |
南ヨーロッパ | 蟹 |
東ヨーロッパ | 女性の横顔 |
アラビア | 吠えているライオン |
ドイツ | 薪をかつぐ男 |
インド・南部アメリカ | ワニ |
ヨーロッパ・南米 | ロバ |
「月うさぎの餅つき」はなぜ?由来は?
月うさぎの餅つきはなぜか:満月の模様が臼に見えるのが由来
月にうさぎがいるという話でもう一つ知られているのが、うさぎが餅つきをしているというものです。なぜ餅つきをしているかというと、こちらも満月の模様が関係しています。
満月の向かって左側がうさぎ、右側には餅つきの臼があるように見えませんか?この満月の模様が由来となって、うさぎの餅つきと言われるようになりました。
また、インドの伝説に由来する空腹の老人の為に餅を作っている、秋に収穫されたお米に感謝をして餅を作っているなど、いくつかの由来があります。
月うさぎの餅つきは薬を作っているとも言われている
日本ではうさぎの餅つきとして知られていますが、日本に伝説が渡る前の中国では、餅つきではなく薬を作っていると言われていました。
中国の伝説では臼の中には不老不死の薬が入っており、杵で粉末に砕いている様子だと言われています。つまり、元々は餅つきをしていたわけではないのですね。
なぜ餅つきになったのかは、その伝説が日本に渡った際、日本人にとってより馴染みのある餅つきに変化したと言われています。確かに臼と杵と言えば、薬よりも餅つきのイメージがありますね。
月うさぎの餅つきは望月(もちづき)を掛けたとも
月うさぎの餅つきは、望月(もちづき)に掛けた言葉とも言われています。望月とは満月という意味があります。望月が転じて餅つきになり、月うさぎの餅つきになったというわけです。
このように、月うさぎの餅つきという話には様々な由来があります。満月の模様がうさぎの餅つきという形に見えた節の他に、アジアの伝説も関係しています。
インドや中国に伝わる伝説や、望月に掛けて生まれたなど、色々な由来があるので、是非満月を見る際はうさぎの餅つきを思い出してみてくださいね。また、こちらの記事では十五夜について詳しくご紹介しています。こちらも合わせてお楽しみください。
世界各国の月にまつわる言い伝え5選
世界の月にまつわる言い伝え①メキシコの月ウサギ伝説
世界の月にまつわる言い伝え、1つ目はメキシコの月ウサギ伝説です。月にウサギがいる伝説は、メキシコの先住民族にも語り継がれています。
インドの伝説に似ており、ケツァルコアトル神という神様が旅の最中空腹に襲われ苦しんでいたところ、近くにいたウサギがケツァルコアトルの為に自身を食物として捧げたというものです。
ケツァルコアトルはこのウサギに感激し、その姿を月に掲げたというものです。メキシコの伝説ですが、インドの伝説によく似たストーリーと言うのも面白いですね。
世界の月にまつわる言い伝え②メソアメリカの月ウサギ伝説
世界の月にまつわる言い伝え、2つ目はメソアメリカの月ウサギ伝説です。メソアメリカに伝わるナナワツィンという神様は、自ら火に飛び込み太陽になるという勇敢な姿を見せました。
しかし、テクシステカトルという神様は火に飛び込むのをためらい、5度目の挑戦でようやく飛び込みました。月となったテクシステカトルは、臆病者と言われるようになり、太陽よりも明るく輝いてはいけないと他の神々に言われるようになりました。
その為、神の一人が月にウサギを投げつけ、輝きを減らしたと言われています。ウサギを投げるとは少し可哀想な気もしますが、このようにウサギが関わる伝説も存在します。
世界の月にまつわる言い伝え③ネイティブ・アメリカンの月ウサギ伝説
世界の月にまつわる言い伝え、3つ目はネイティブ・アメリカンの月ウサギ伝説です。ネイティブ・アメリカンのクリーという民族に伝わる言い伝えです。
ある若いウサギは、月に登りたいという願望を抱きます。その願いを叶える為、空を飛べる鶴がウサギを運んであげました。しかし鶴の足にウサギが飛びついた為、鶴の足は長く伸びてしまいます。
更に月に到着したウサギは血の付いた足で鶴の頭に乗った為、鶴の頭は赤くなったというものです。今でも月の中には、その時のウサギが住んでいると言われています。
世界の月にまつわる言い伝え④北欧に伝わる伝承
世界の月にまつわる言い伝え、4つ目は北欧に伝わる伝承です。北欧には昔から、「月を見てはいけない」という言い伝えがあり、今でもその伝承は残っています。
特に言われるのが、「若い女性や妊婦は満月を見てはいけない」というものです。若い女性が満月を見ると、妊娠してしまうと言われています。
また、妊婦が満月を見るとお腹の子によくないとも言われています。何故そう言われるのかは定かではありませんが、満月を見るのはよくない事だと言い伝えられています。
世界の月にまつわる言い伝え⑤中国に伝わる伝承
世界の月にまつわる言い伝え、5つ目は中国に伝わる伝承です。中国のある所に、呉剛という男性が居ました。この男性は仙人から仙術を学んでいました。
ある時呉剛はとある失敗をしてしまい、仙人をひどく怒らせてしまいます。罰として呉剛は月へ追放されてしまい、かつ月に生えているという桂の木を切り倒すようにと命じられます。
ところが、月にある桂の木は何度切っても元通りになってしまう為、呉剛は永久に月で木を切り続けるというものです。いかがでしたか?世界中には色々な月にまつわる言い伝えがありますね。最後に満月に関するおまじないもご紹介します。こちらも記事も楽しんでくださいね。
月うさぎの由来について覚えよう
月にはなぜうさぎが居るのか、その由来についてご紹介しました。月でうさぎが餅つきをしているのは満月の模様が由来だったり、アジアの伝説が元になっていたりします。
日本以外にも世界の様々な国に、月とうさぎに関する言い伝えが存在します。今回ご紹介した言い伝え以外にも、是非月にまつわる伝説を調べてみてくださいね。
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