三人官女(さんにんかんじょ)とは?役割は?
三人官女(さんにんかんじょ)とは優秀な女性の集まり
三人官女(さんにんかんじょ)とは優秀な女性の集まりです。お付の人・お世話係のイメージがありますが、単なるお世話ががりではなく男子禁制の宮廷でお姫様の生活を管理する仕事を任されています。現場の指揮監督で非常に仕事ができる女性です。
三人官女は選ばれた優秀の女性のみしか役職につけません。お姫様に近い存在で高い身分の女性です。雛人形の三人官女のお顔をよく見ると、しっかりとしたお顔立ちで仕事もよくできる様子がうかがえます。
三人官女(さんにんかんじょ)の役割は教育係
三人官女(さんにんかんじょ)の役割は、簡単にまとめるとお姫様の教育係です。ひな壇では、お内裏様とお雛様のすぐ下の段に位置しています。お世話係とは少し違いお姫様にいろいろなことを教える立場にいます。お姫様がお嫁に行くときは一緒に三人官女もついていきます。
仕事もできる優秀な存在の三人官女は、今でいうスーパーキャリアーウーマンですね。三人官女のありとあらゆる教育でお姫様の品の良し悪しが決まる存在なのです。
三人官女(さんにんかんじょ)の持ち物の意味・並び方は?
三人官女(さんにんかんじょ)の持ち物
三人官女(さんにんかんじょ)の持ち物は一般的には「長柄(ながえ)」「三宝(さんぽう・さんぼう)/【盃】」「提子(ひさげ)」を持っています。京都では「三宝」ではなく婚礼の儀に用いられる飾り台の「島台」をもちます。地域によっては「三宝」ではなく「盃」を持った三人官女もいます。
三人官女(さんにんかんじょ)の持ち物の意味
三人官女(さんにんかんじょ)の持ち物の意味で、向かって右端の官女が持っているのは「長柄」です。「長柄銚子(ながえのちょうし)」とも言われ、これは長い柄がついているひしゃくで「盃」にお酒を注ぐ道具です。真ん中の官女が持つものが「島台/三宝」です。「島台」は祝儀の飾りが乗っています。
「三宝」は「盃」がのっていますが、お雛様の飾りによっては「盃」だけの場合があります。右端の官女が持っている物は「提子」です。長柄に注ぎ足すお酒が入っています。金属製の器でふたがないやかんに似ています。
お酒を加える役目があるので「加銚子(くわえのちょうし)」ともいわれています。例外的に御宮の最上級の女官の「釆女(うねめ)」は「長柄(ながえ)」「三宝(さんぽう)【盃】」「提子(ひさげ)」の変わりに「昆布巻」「鯛」「かまぼこ」を持っています。お雛様を選ぶときに何を持っているか観察してみましょう。
三人官女(さんにんかんじょ)の並び方
三人官女(さんにんかんじょ)の並び方は、一般的に目にする雛人形は真ん中の官女が座っています。両サイドの官女は立っていて、足を前に出しているほうを外側になるようにひな壇へ飾ります。
よくお顔を拝見すると、真ん中の女性だけ眉がなく、歯が黒く塗られています。これは真ん中の女性が既婚者と言うことです。お雛様によっては三人とも立っている雛飾りもあります。
例外的に帝に仕える御宮の最上級の女官は「釆女(うねめ)」と言われ、日本各地から集められた容姿端麗の独身女性でした。三人とも眉がありお歯黒はしていません。公家の女性なので頭に「玉串」をつけています。「釆女」は歴史が古く飛鳥時代の帝によって創設されたといわれています。
【番外編】雛人形に関する豆知識は?
【番外編】雛人形に関する豆知識|ひな祭りの由来
【番外編】雛人形に関する豆知識で最初に紹介するのはひな祭りの由来です。中国から伝わった「五節句」の1つの「上巳(じょうし)」という行事です。現在も変わらず行われている「ひな祭り」はもともとは「女の子の行事」ではなく、草やワラでつくった「人形」をなでてそれを川に流して厄払いや邪気払いを行う風習です。
平安時代の貴族階級の子どものあいだで、現在のままごとに近い人形遊びが流行して「雛(ひいな)あそび」とよばれていました。この「雛」とは、小さくてかわいらしいものという意味がありました。この人形遊びと「上巳」が結びつき今の「ひな祭り」の原型になったと考えられています。
現代の雛人形の原型は江戸時代後半から昭和にかけて定着したものです。7段タイプのお雛様が流行ったのは昭和に入ってからだといわれています。時代によって雛人形の形も変わり未来へと受け継がれていきます。「五節句」下の表でを簡単に説明しています。
五節句(ごせっく)とは
1月7日 | 人日(じんしつ) | 七草の節句 | 七草粥を食べて無病息災を願う |
3月3日 | 上巳(じょうし) | 桃の節句 | おひな祭り。女の子の誕生と成長を祝う |
5月5日 | 端午(たんご) | 菖蒲の節句 | 子供の日。男の子と誕生と成長を祝う |
7月7日 | 七夕(しちせき) | 星祭 | 別名「笹の節句」短冊に願いをこめて笹に飾る |
9月9日 | 重陽(ちょうよう) | 菊の節句 | 宮中や寺院で菊を鑑賞する行事 |
【番外編】雛人形に関する豆知識|お雛様の十二単衣
【番外編】雛人形に関する豆知識で次に紹介するのはお雛様の十二単衣です。正式名称は「五衣唐衣裳(いつつからぎぬも)」です。十二単衣は唐衣(からぎぬ)・表着(うはぎ) ・打衣(うちぎぬ)・五衣(いつつぎぬ)・単衣(ひとえ)・長袴(ながばかま)・裳(も)からなります。聞きなれないものばかりですね。
12枚以上着用している人もいたようですが、実際には12枚も着ていなかったようです。十二単衣の12は「たくさん」「多い」の意味もあります。平安時代の中期に着られていて女性の第一正装です。十二単衣の重さは約20kgでかなり重かったようです。
身分によって着られる色が細かく決まっていました。禁色の「黄櫨染(こうろぜん)」「濃赤(こきあか)」「濃紫(こむらさき)」忌色の「鈍色(にぶいろ)」「黒橡(くろつるばみ)」は皇族や高位の人物しか使用が許可されなかったようです。着物関連で夢占いの記事があります。是非参考にしてくださいね。
十二単衣の構成
唐衣(からぎぬ) | 一番上に着る衣。十二単衣の装束で一番美しく衣 |
表着(うはぎ) | 唐衣の下に着る。袿(うちぎ)の中で一番上に着るもので少し小さめに作られ高級な生地が使われている |
打衣(うちぎぬ) | 表着の下に着る袿 |
五衣(いつつぎぬ) | 袿を五枚重ねて着るので五衣とよばれる。昔は10枚程重ねていたが12世紀末ごろから5枚が正規になった |
単衣(ひとえ) | 袿の下に着るもの |
長袴(ながばかま) | この袴は筒形で、裾は後ろに長く引く |
裳(も) | 奈良時代には腰に巻いたもの。平安時代からは腰に当てて結び、後ろに垂れて引くものになった |
【番外編】雛人形に関する豆知識|お雛様と市松人形
【番外編】雛人形に関する豆知識で紹介するのはお雛様と市松人形の関係です。家庭によってはお雛様と一緒に市松人形を飾ることがあります。一般的にはお雛様は母方の実家から送られて、父方の実家から送られるのが市松人形です。また長女には雛人形、次女など姉妹に送られる場合があります。
市松人形は江戸時代の歌舞伎役者・佐野川市松に似せて作られたのが始まりといわれています。非常に美形であって女性から大人気でした。佐野川市松のように「きれいな子に育つように」と思いがこめられ飾られるようになったそうです。
【番外編】雛人形に関する豆知識|雛人形の種類
【番外編】雛人形に関する豆知識で雛人形の種類を紹介します。一般的によく目にする雛人形はお内裏様とお雛様が座っている座雛が多いです。昔はもとが「人形(ひとかた)」ですので江戸時代始めまでは立雛で飾られていました。
「人形(ひとかた)」は人間の身代わりとして信仰されていました。3月3日の桃の節句である上巳に「人形(ひとかた)」をなでて身のけがれや災いを移して川に流して子の成長を祈る風習です。
地域によってお雛様の姿も違います。「土人形」や「木目込み人形」、「吊るし雛」も伝統として残っています。また最近は、キャラクターの雛人形も登場しています。大きさも2人飾りのシンプルなものから、7段飾りまであります。各ご家庭で納得したものを飾ることができますね。
- 土人形・・・京都伏見、三河、信濃
- 木目込み人形・・・賀茂人形とも呼ばれる。京都の下賀茂神社に仕えた高橋忠重が始まりとされる
- つるす形のお雛様
- つるし雛・・・伊豆の稲取地域
- さげもん・・・九州の柳川
- 傘福・・・山形の酒田
代表的な雛人形
三人官女(さんにんかんじょ)の役割や意味を教えてあげよう!
三人官女(さんにんかんじょ)とは何か、どんな役割をしているかを調べていきました。何気なく飾っていたお雛様もそれぞれの役割や意味があります。理解を深め子供に聞かれたときに答えられるようにして、ひな祭りを楽しみましょうね。
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