だるまの両目の目入れの意味や由来は?
だるまの目入れは江戸時代からの風習

志望校に合格したい、選挙で当選したい、という願掛けの意味合いでだるまに目入れするというのは、いつから始まった風習なのでしょうか?だるまの目入れは、江戸時代まで遡ります。江戸時代に「天然痘」という病気が流行し、天然痘の致死率というのはかなり高いものでした。
江戸時代の人の間では天然痘に宿ると言われている「疱瘡神」という神様がおり、疱瘡神は「赤」を嫌う事から「赤色のだるま」が流行したと言われています。だるまと言えば大きな目が印象的だと思います。天然痘を患うと、視力を失う人が数多くいたという事から、目が綺麗なだるまはご利益があるとたちまち人気となりました。
また、目を入れて販売すると、目が雑に描かれたものは売れ残ってしまう事が多かったので、敢えて目を入れずに販売する業者が増え、購入者に目入れをしてもらうようになったようです。そして、時が流れ、徐々に「片目を入れて願掛けをし、願いが叶ったらもう片方の目入れをする」という風習が根付いたと言われています。
だるまの由来は「達磨大師」でだるまの色にも意味がある

だるまというのは、漢字で書くと「達磨」と書きます。この達磨の由来は、「達磨大師」を指すと言われています。この達磨大師というのは、仏教の一派である「禅宗」の開祖であり、修行の為に座禅を9年間もの間続けた結果、手足が腐ってしまい、手足のない姿となった事から達磨の形が誕生したという言い伝えがあります。
日本には、昔から「起き上がり古法師(こぼし)」という置物があります。これと達磨は徐々に融合していき、今の形になっていったようです。そして、先ほども言いましたが、だるまと言えば「赤色」というイメージをお持ちの方も多いと思います。なぜ、赤色のだるまが多いのでしょうか?
その由来には、昔から「赤」というのは魔除けの効果があると信じられてきた事が関係しています。天然痘もそうですが、赤色の物を身につけていれば、あらゆる災難から身を守ってくれるという風に江戸時代の人々は、信じて疑わなっか事が、だるまにも反映されていたという事です。
願掛けをする際のだるまの目入れには書く順番がある

だるまと言えば、「目入れ」というのも大切な儀式です。また、だるまの目入れの順番には、順序があるという事をご存知でしたか?だるまというのは、購入した時点では両目とも目の玉が書かれていない状態で売られています。その為、目入れ自体は自分で行う必要があるのです。
まず、最初に願いを掛けながら「右目」を入れましょう。この儀式を「開眼(かいげん)」と呼びます。そして、願いが叶った時に、だるまに感謝の気持ちを込めながら左目を入れていきます。だるまは、その後神社に持って行き、供養をしてもらえばさらにいいでしょう。
ここに、「願掛け」についてより、詳しく説明している記事があるので併せて読んでみて下さい。願掛けする際には、その由来やご利益を把握し、しっかりと順序を確認しながら行う事で効果が期待できる事が多いと思います。

だるまの目入れのご利益や願掛けする時期は?
だるまの目入れのご利益の期限は1年間で時期も大事

だるまの目入れの期限は、「1年間」と言われています。目入れを行う時期というのは、いつ行っても良いと言われています。しかし、いつ目入れをしても言いとはいっても、一番おすすめな時期は新年にだるまを購入してすぐに願掛けをしながら目入れを行っていくというのが時期の中では、最適です。
だるまに目入れをする際に願掛けをするわけですから、その際には姿勢を正して、心を落ち着かせる事が大事な事です。また、だるまには六曜も関係していると言われていますので、大安や友引、先勝などの日取りが良い日や時期を意識するという事も大事な事です。
地域により目入れの順番で得られるご利益が変わる

地域によっても祈願内容によってはだるまの目入れの順番が変わるという事も覚えておくと何かと役に立つでしょう。「右目」から目入れをする場合には「病気平癒・合格祈願・就業祈願・良縁祈願・選挙祈願」などが挙げられます。逆に、「左目」から目入れするのは「商売繁盛・家内安全・健康祈願・学業成就・厄除祈願」です。
また、左目からの目入れには、他にも「安産祈願・交通安全」などがありますので、伊豆の達磨寺で購入しただるまに目入れをする場合には、自分の願掛けの内容によって目入れする順番をしっかり守って入れる事でご利益を存分に受ける事ができるでしょう。
このように、地域によって目入れの順番が変わるという意味でも順番は気にしなくてもいいのかもしれませんね。その為、どこでだるまを購入したかという事や、お店などで購入した場合には、そのお店の考えに基づいて目入れの順番を決めるという事でも良いと思います。どちらにしても、願いを込めて信じる事が一番大事です。
だるまの目入れの際の注意点は?
目入れをする際にはご利益を得る為にだるまの向く方向にも注意する

目入れをする際に、願掛けをしながら目入れをする順番を守るのはもちろん、日取りにも注意するというのは、先ほどもお話しましたが、実はだるまの向きについても注意しなければいけません。物事は、東から生まれて、西でなくなると考えられています。その為、だるまを南に向けた時に東となる左目から目入れするのです。
しかし、これも一概ではなく、特に選挙の際には逆に目入れをするというのをよく目にすると思います。また、今では、だるまも様々な色や形のものが販売されています。地域によっても見た目が違う物が多く売られていますので、自分好みのだるまを探してみるというのもいいでしょう。
願掛けと言っても、人によってその願いは様々あると思いますので、自分の願いに沿っただるまを見つけるというのも楽しみの一つだと思います。そして、願いが叶った時だけではなく、叶わなかったとしても、しっかりと供養する事は守らなければいけない事項だと思いますので、ぜひ意識してみて下さい。
願いが叶わなくても両目を入れて供養する事で次のご利益に備える

願いが叶ったとしても、叶わなかったとしてもしっかりと供養するべきというお話は先ほどもしましたが、願いが叶った場合には、自宅に飾っているという人も案外、多いものです。やはり、何か目標に向かって一生懸命勉強したり、行動したりしたという証でもありますので、それを見る度に初心に返る事ができると言えます。
また、両目が入っただるまを見る度に、気持ちが上向きになるという意味でも自宅にそのまま飾っておくというのは、何かとメリットがあると思います。しかし、もし願いが成就しなかった場合には、両目を入れた後は神社に持参し、神社に納めた後で新しいだるまを購入した方が良いでしょう。
だるまの更なるご利益を得る為に目入れをする際には筆ペンがおすすめ

だるまの目入れをする際にも、ある程度おすすめの物があります。だるまの目入れをするのを目にする時というのは、よくあるのが選挙の当選者の場面でしょう。選挙で当選した場合というのは、多くが筆と墨を使っての目入れだと思います。しかし、墨を使うとどうしても墨が垂れてしまい、黒い涙に見え、縁起が悪くなります。
その為、おすすめなのが「筆ペン」です。また、目入れをする際には、一般的には大きく丸を描いて書く目ですが、実際には目の形などに決まりはないようなので、好きなように書いても問題はないとの事です。神社によっても、ハートの目やウインクしているような目のだるまがいる程です。
そういう意味でも、子供の願掛けである場合には、子供さんに好きなように書いてもらっても何ら問題ないという事でもあります。大切なのは、信じる気持ちと心を込めて願掛けをするという事なのです。ここに、パワースポットでも知られる伊勢神宮のご利益などについてまとめた記事があるので、併せて読んでみて下さい。

だるまの目入れの順番は地域によっても違いがある
今回は「だるまの目入れの意味や由来」をテーマに、そのご利益や目入れの時期、だるまの色の意味などについても併せて紹介してきましたが、いかがでしたか?だるまの目入れは、江戸時代から始まり、元々の意味には病気の治癒という願いを叶えてくれるアイテムとして重宝されてきました。
また、目入れをする際には、どちらの目から先に入れるかという事もお話してきました。一般的には、左目から入れるのが普通ですが、地域によっても目入れの順番はバラバラで、実際の所はどちらから入れても問題ないようです。その為、購入した場所のだるまの由来ややり方に従った形で行いましょう。
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