冬の短歌の季語一覧7つ
季語とは短歌や和歌に使用される季節を表わす言葉のこと
季語とは短歌や和歌に使用される季節を表わす言葉のことをいいます。四季それぞれに季節を表わす言葉があります。春夏秋冬も、それぞれが季語となります。自分がその言葉に季節を感じ、他の人もその言葉を見て自分と同じ季節を想像することが出来たら、その言葉は季語ということが出来るのだそうです。
季語は短歌や和歌だけでなく、ビジネスシーンや手紙を書くときにも活用することが出来ます。こちらの記事は、冬よりも少し早い10月上旬の季節の挨拶や季語について書かれています。いろいろな季節の季語を知って、様々な場面で活用していただければと思います。
短歌や和歌の作り方
短歌や和歌の作り方について紹介します。まず、短歌と和歌の違いについてです。奈良時代の頃、大和歌と呼ばれるものがあり、これを和歌と呼んでいました。大和歌は、長歌や短歌など4種類ありましたが、平安時代以降短歌だけが作られるようになりました。そのため、和歌と短歌は同じようなものとして考えられているのです。
短歌は、五句三十一音から成り立っています。文字の並びは五七五七七です。短歌や和歌を作るとき、季語を入れて作る事がほとんどでした。ですが、ある歌人さんのベストセラーになった短歌の影響で、季語の入っていない短歌も増えてきているようです。
- 1短歌や和歌のテーマ(何について短歌を作るのか)を決める
- 2決めたテーマに合う言葉を探す
- 3探した言葉を組み合わせていく
短歌や和歌の作り方
冬の短歌の季語一覧①「冬」のように暦を表わす言葉
冬の短歌の季語一覧、1つ目は「冬」のように暦を表わす言葉です。十一月や十二月、神無月や霜月など寒い時期の暦に使われている言葉です。これらの言葉は、見ればたいていの人が「冬だな」や「寒い頃だな」ということを理解することが出来ます。冬を感じる暦は、このほかに冬至や師走、年越し、寒の入りなどがあります。
冬の短歌の季語一覧②「霜柱」のような自然に関する言葉
冬の短歌の季語一覧、2つ目は「霜柱」のような自然に関する言葉です。冬野や枯野、氷などは、冬の季節の間にだけ見たり感じたりすることが出来るものです。冬の風情を感じる言葉を短歌に用いることで、冬の風景を簡単に想像することが出来ます。冬の風情を感じるそのほかのものに氷柱、氷海などがあります。
冬の短歌の季語一覧③「歳暮」のように日々の生活を表わす言葉
冬の短歌の季語一覧、3つ目は「歳暮」のように日々の生活を表わす言葉です。冬はボーナスがあったり冬休みがあったりしますね。このボーナスや冬休みも季語になります。そのほか、セーターやコート、マントなど寒い時期に活躍する装いも季語となります。
冬の短歌の季語一覧④「除夜の鐘」のようにイベントを表わす言葉
冬の短歌の季語一覧、4つ目は「除夜の鐘」のようにイベントを表わす言葉です。クリスマス、酉の市、年越、除夜の鐘など、冬はイベントがたくさんありますよね。この冬のイベントも季語として使用することが出来ます。
冬の短歌の季語一覧⑤「北風」のように天文に関する季語
冬の短歌の季語一覧、5つ目は「北風」のように天文に関する季語です。雪や霜、霙など冬を感じること出来る現象です。見ただけで、寒さや冷たさを思い出ししまうものも冬の季語として使うことが出来ます。ほかには、冬日や冬の星、冬の雲などがあります。
冬の短歌の季語一覧⑥「狼」のように冬を代表する動物
冬の短歌の季語一覧、6つ目は「狼」のように冬を代表する動物です。動物も季語になるということを知って、驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、鼬(いたち)や狐、狸、兎も冬の季語として使える動物です。
冬になると全てではありませんが、動物は冬眠しますよね。この冬眠という言葉も冬の季語とのこと。また、たらや鮪、鰤、鮫などの魚類も冬の季語だそうですよ。こうしてみると、冬の季語になる動物も様々いて、なかなか興味深いですね。
冬の短歌の季語一覧⑦「蝋梅(ろうばい)」のような冬の植物
冬の短歌の季語一覧、7つ目は「蝋梅」のような冬の植物です。冬の植物として千両や万両、葉牡丹、などが知られています。また大根、白菜、葱などの野菜も冬の季語となります。ポインセチアのようにクリスマスの頃に出回る事が多くなる植物も使用しやすい季語として好まれています。
百人一首にも登場する冬の短歌で有名な歌とは?
百人一首にも登場する冬の短歌で有名な歌①枕詞「白妙の」を使った短歌
百人一首にも登場する冬の短歌で有名な歌の1つ目は、枕詞である「白妙の」を使った短歌を紹介します。「白妙の」を使った短歌は「田子の浦にうちいでてみれば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ」です。この短歌の作者は、山部赤人(やまべのあかひと)です。
この短歌に出てくる「白妙の」は枕詞です。枕詞とは、修辞法の一つとされています。ある決まった言葉の前に置かれる言葉で、現在はその言葉に直接的な意味はなく、雰囲気を強調したり語調を整えたりするために使用されているようです。「白妙の」の場合は「衣・袂・袖・紐・雪・雲」の枕詞になります。
ですが、この短歌の場合、「白妙の」は「雪」ではなく「富士」にかかる枕詞となっており、富士山の頂上辺りが雪で真っ白になっていく様子を強調しています。この短歌の意味は「田子の浦に出てみたら、頂上辺りがすでに白くなっている富士山に、今も雪が降り続けている」となります。
百人一首にも登場する冬の短歌で有名な歌②冬の季語「霜」を使った短歌
百人一首にも登場する冬の短歌で有名な歌の2つ目は、冬の季語「霜」を使った短歌を紹介します。「霜」を使った短歌は「かささぎの渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞふけにける」です。この短歌の作者は中納言家持(ちゅうなごんやかもち)ですが、中納言家持は大伴家持(おおとものやかもち)のことだそうです。
この短歌に出てくる「かささぎの渡せる橋」は天の川に架かる橋のことをいいます。この橋は、年に1度、天の川にたくさんのかささぎが翼を重ねて橋をかけたそうです。また、宮中の御殿と御殿を繋ぐ橋や階段を天の川に架かる橋に見立てて「かささぎの渡せる橋」と呼んだそうです。
この短歌の意味は、「かささぎが翼を重ねてかけた橋に霜のように白く広がっている星を見ていると夜も更けてきたと感じる」となります。また、「かささぎが翼を重ねて作った橋のように見える宮中の階段に霜が降り白くなっているのを見ると夜も更けてきたと感じる」という解釈も出来るそうです。
百人一首にも登場する冬の短歌で有名な歌③強調する「ぞ」が付いた短歌
百人一首にも登場する冬の短歌で有名な歌の3つ目は、強調する「ぞ」が付いた短歌を紹介します。強調する「ぞ」が付いた短歌は「山里は冬ぞさびしさまさりける人目も草もかれぬと思へば」です。作者は、源宗于朝臣(みなもとのむねゆきあそん)です。
この短歌には、言葉を強調するときに使用する「ぞ」が「冬」に付けられています。この短歌の意味は、「山里は普段から寂しいけれども特に冬は寂しく感じるものだ。(冬以外の季節の訪れた人も来なくなるので)人目もなくなり草も枯れてしまうのだと思うと」となります。
百人一首にも登場する冬の短歌で有名な歌④冬の季語「初霜」を使った短歌
百人一首にも登場する冬の短歌で有名な歌の4つ目は、冬の季語「初霜」を使った短歌を紹介します。冬の季語「初霜」を使った短歌は「心当てに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花」です。作者は、凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)です。
この短歌は「(白菊の花を)無造作に折ろうとすれば折ることができるのだろうか。真っ白な初霜が降りて白菊の花と見分けにくくなっているのだから」という解釈が出来ます。
百人一首にも登場する冬の短歌で有名な歌⑤冬の季語「雪」を使った短歌
百人一首にも登場する冬の短歌で有名な歌の5つ目は、冬の季語「雪」を使った短歌を紹介します。冬の季語「雪」を使った短歌は「朝ぼらけ有明の月と見るまでに吉野の里に降れる白雪」です。作者は坂上是則(さかのうえのこれのり)です。
「朝ぼらけ」とは、夜が明け始めてきて空がほんのり明るくなってきた頃のことをいいます。この短歌は、「夜明け頃、辺りを見回してみると有明けの月が照らしているかと思ってしまう程、吉野の里に白雪が降り積もっている(その白雪に朝陽が反射して輝いていた)」という風景を表しています。
冬の季語を使って短歌や和歌を作ろう
短歌や和歌を作る際の季語や百人一首に出てくる冬の短歌について紹介してきました。短歌は、日常のことや身の回りの事など、身近なことを題材に作る事が出来ます。様々なテーマの短歌を作って楽しんでいただければと思います。
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