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春の短歌|季語の桜が入った有名な歌とは?

春の短歌|季語の桜が入った有名な歌①「春霞たなびく~」

春といったら桜

春の短歌のなかでも季語の桜が入った有名な歌の1つ目にご紹介するのが「春霞たなびく山の桜花見れどもあかぬ君にもあるかな」という短歌です。こちらは紀友則によって作られた短歌であり「山桜が見ていて飽きないのと同じように、あなたにはいくら会っても飽きないのです」という意味になっています。

古今和歌集にも収録されているこちらの和歌は、紀友則が惚れた女性に対する熱いメッセージとされており、大切な恋人や親友にさりげなく教えたくなるような短歌の1つといえます。

春の短歌|季語の桜が入った有名な歌②「世の中にたえて~」

桜は日本人にとって身近な花の1つ

春の短歌のなかでも季語の桜が入った有名な歌の2つ目にご紹介するのが「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」という短歌です。『伊勢物語』に登場するこちらの短歌は、平安時代のイケメンとしても知られる在原業平の作品です。

「桜というものがなければ、春になってものんびりとした気持ちでいられるだろうに」という意味であり、この短歌に対する返事の短歌(=反歌)も有名です。春になって桜が満開になるのを、人々が待ち遠しく感じる様子に対する気持ちを描いており、何とも春らしい有名な短歌の1つです。

春の短歌|百人一首や万葉集の美しい短歌は?

春の短歌|百人一首や万葉集の美しい短歌①「花の色は~」

女性は花にたとえられることも

百人一首や万葉集に掲載されている美しい春の短歌として1つ目にご紹介するのが「花の色はうつりにけりないたづらにわが身よにふるながめせしまに」という短歌です。百人一首の1つであるこちらの短歌は、美女としても有名な小野小町によって作られました。

女性の美しさを花の色に例えており、すぐに色あせてしまう花のような「女性のはかなさ」とともに、どこか悲しげな雰囲気が感じられる短歌の1つです。


春の短歌|百人一首や万葉集の美しい短歌②「君がため~」

思いやりの心を感じる短歌

百人一首や万葉集に掲載されている美しい春の短歌として2つ目にご紹介するのが「君がため春の野に出でて若菜摘む我が衣手に雪は降りつつ」という短歌です。古今集・百人一首に登場するこちらの短歌は、光孝天皇によって作られたものであり、大切な人のために春の野草を贈った時の歌とされています。

春の短歌|百人一首や万葉集の美しい短歌③「ひさかたの~」

桜が散る様子は何だかもったいない気分になる

百人一首や万葉集に掲載されている美しい春の短歌として3つ目にご紹介するのが「ひさかたの光のどけき春の日に静心なく花の散るらむ」という短歌です。古今集・百人一首に登場するこちらの短歌は、紀友則によって作られました。

あたたかい日の光が射すのどかな春の日にて、桜が散りゆく様子に対する残念な思い・名残惜しい気持ちを表現した短歌となっています。満開になったと思ったらすぐに散ってしまう、桜のはかなさも感じられますね。

春の短歌・和歌の作り方や例文10選

春の短歌・和歌の作り方や例文①57577の基本に基づいて作る

書き出してみよう!

春の短歌・和歌の作り方や例文の1つ目にご紹介するのが「57577の基本に基づいて作る」ことです。俳句では575の全17音で作成しますが、短歌の場合はさらに音が増えた全31音で作るのが基本となっています。

また、内容についても短歌の場合は「作者主体」の内容で作る場合が多く、例として「ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ」という短歌の場合「のどかな光が射している春の日に、どうして慌しく桜の花は散っていくのだろうか」という作者の思いを表しています。このように、音の数に則って短歌を作ります。

春の短歌・和歌の作り方や例文②桜などの春のイメージや舞台で作る


舞台やイメージから作ってみよう!

春の短歌・和歌の作り方や例文の2つ目にご紹介するのが「桜などの春のイメージや舞台で作る」ことです。春の短歌に関わらず、短歌を作る時には作者が感じたことを季節ごとのイメージや舞台を用いて作ることもできます。季節ごとのイメージとは、桜・梅などといった花などが挙げられます。

また先ほどご紹介した例文と同じように「花」を表現する言葉を用いていても「人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける」という短歌のように、梅などといった違う花を表す場合もあるため、より自分の気持ちや見た風景に近い言葉を選びましょう。

春の短歌・和歌の作り方や例文③テーマに基づいて作る

様々なテーマから考えてみよう

春の短歌・和歌の作り方や例文の3つ目にご紹介するのが「テーマに基づいて作る」ことです。「テーマ」と聞くと難しいイメージを持たれがちですが、作者主体の内容を表現する短歌では、用いるテーマは何でもかまいません。春に訪れた場所・新しい人との出会い・別れなど、春ならではのテーマで短歌を作ると良いでしょう。

例えば「桜花今ぞ盛りと人は言へど我は寂しも君としあらねば」という短歌のように、春のイメージを用いて「自分が持つ寂しい気持ち」をテーマにしてみるのもユニークです。

春の短歌・和歌の作り方や例文④思いの中心となる言葉を避ける

直接的な言葉は使わない!

春の短歌・和歌の作り方や例文として4つ目にご紹介するのが「思いの中心となる言葉を避ける」ことです。作者の気持ちを表現するのが短歌の楽しみ方ではありますが、短歌を作るうえで大切なのが「1つのテーマやイメージとなる言葉をいかに他の言葉で表すか」ということなのです。

どれだけ美しい表現を用いていても、楽しい・悲しいなどといった作者の気持ちの中心となる言葉を短歌で用いてしまうと、読み手の心に残りません。例えば「山桜霞の間よりほのかにも見てし人こそ恋しかりけれ」の短歌のように、恋しい気持ちを桜が咲く景色に例えるなどをしてみましょう。

春の短歌・和歌の作り方や例文⑤係り結びを用いて作る

様々な技法を使ってみよう!

春の短歌・和歌の作り方や例文の5つ目にご紹介するのが「係り結びを用いて作る」ことです。古文文法のなかでも春の短歌に多く用いられるのが「係り結び」です。係り結びとは、ぞ・なむ・や・か・こそという5つの係助詞と動詞を組み合わせて用いることで、言葉やイメージを強調したり、反対したりする表現のことです。

例えば「濁り江のすまむことこそ難からめいかでほのかに影を見せまし」という短歌の場合「こそ」という係助詞を用いて「濁った水が澄むのは難しいこと」を強調しています。係り結びを用いた短歌を作る場合、強調したい部分は係助詞によって形が変化するのでチェックしてみましょう。

春の短歌・和歌の作り方や例文⑥言葉マップを作成する

キーワードをまとめてみよう

春の短歌・和歌の作り方や例文として6つ目にご紹介するのが「言葉マップを作成する」ことです。春の短歌をはじめ、短歌をはじめて自分で作るという方にとっては「テーマや気持ちを表現するためにどんな言葉を用いたら良いかわからない」という場合も多いのではないでしょうか。そんな時に便利なのが「言葉マップ」です。

例えば「うち上る佐保の川原の青柳は今は春へとなりにける」という短歌のように「春の訪れ」をテーマとした時に「青柳」や「川原」などといった関連する言葉を書き出してみると良いでしょう。

春の短歌・和歌の作り方や例文⑦倒置の表現を用いて作る

ちょっとしたテクニックで魅力的な短歌に!

春の短歌・和歌の作り方や例文として7つ目にご紹介するのが「倒置の表現を用いて作ること」です。「倒置」とは、和歌・短歌でよく用いられる表現方法の1つであり、短歌の一番初めに作者が思ったことを持って来ることによって、読み手側に「なんでそう感じたの?」と疑問に思わせるスタイルのことをいいます。

例として「しのぶれど色にいでにけるわが恋はものや思ふと人のとふまで」という短歌の場合「心に秘めていたのだけれど」という意味の言葉を先に持って来ることによって、読み手に「何があったの?」と思わせる短歌となっています。こちらの作り方は表現方法のポイントさえ掴めば、ユニークな短歌を作ることができますよ。

春の短歌・和歌の作り方や例文⑧言葉を調節して音を整える

違和感がないように調節しよう!

短歌の最初に「桜が咲いている」という言葉をそのまま用いると、短歌全体のバランスが悪くなります。そんな時に「春の花今は盛りににほふらむ折りてかざさむ手力もがも」の短歌のように「今は盛りであると」という文から余分な音を省いて「今は盛りに」と短く表現することによってバランスを整えることができます。

春の短歌の作り方や例文⑨少しオーバーな表現を用いる

少々オーバーな方が印象に残る!

春の短歌の作り方や例文の9つ目にご紹介するのが「少しオーバーな表現を用いる」ことです。短歌を作る時には、自分の気持ちに合った表現をするのが一番ですが、短歌にインパクトを持たせたい時などには、自分が想像しているイメージより少しオーバーにすると良いでしょう。

例えば「不倫」という単語から「髪がみだれる」というよりインパクトのあるイメージを使用した「うしろよりきぬきせまつる春の宵そぞろや髪のみだれて落ちる」の短歌のようにすると、より読み手の印象に残りやすいのです。

春の短歌の作り方や例文⑩舞台をより具体的に書き表す

具体性をもたせても良し!

春の短歌の作り方や例文として10つ目にご紹介するのが「舞台をより具体的に書き表す」ことです。春の短歌の場合、桜や恋・出会いなどといったテーマで作られた短歌が多いですが、あまりにも抽象的すぎると、読み手に伝わりにくくなってしまうことがあります。

例えば「正月立つ春の初めにかくしつつ相し笑みてば時じけめやも」の短歌のように「いつ・どこで・だれが・何をした」という、より具体的な情報を書き出してから短歌を作ると、より読み手によって身近に思える短歌を作ることができますよ。

実際に春の短歌を作ってみよう!

桜や梅などの花が美しく咲き誇る春の日は、短歌を詠むのにぴったりな季節といえます。今回ご紹介した作り方や例文を参考にしながら、あなた自身の思いを短歌で表現してみてはいかがでしょうか?

春以外にも、百人一首や万葉集をはじめとした歌集ではそれぞれの季節を題材とした短歌・和歌がたくさん収録されています。関連記事では、秋を題材とした有名な短歌・和歌をまとめた記事を掲載していますので、こちらも是非参考にしてみてください。

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