夏の俳句の作り方や季語の入れ方は?
夏の俳句の作り方①夏の季語を確認する
夏の俳句の作り方のポイント、1つ目は夏の季語を確認することです。まず俳句を作るのに重要なのが、季語です。季語とは季節を表す単語のことで、これを入れると俳句になります。
季語がない五・七・五は、俳句ではなく川柳なので注意しましょう。そして季語は、春夏秋冬それぞれの季節ごとに決まっています。例えば紅葉は秋の季語、雪は冬の季語ですよね。
まずは夏の季節感に合った季語を選んで、そこから俳句を作るといいでしょう。なお、季語は俳句だけでなく手紙などでの挨拶にも使用できます。こちらの記事では一例として、10月上旬に使える季語をご紹介しています。
夏の俳句の作り方②俳句に使いたい夏の季語一覧
夏の俳句の作り方のポイント、2つ目は俳句に使いたい夏の季語一覧を確認することです。一言に季語と言っても、実に様々な種類があります。例えば朝、昼、晩と時間帯を表す言葉には季節感がありますが、これを「夏の朝」などにすれば、それは季語になります。
季語の種類はざっくりと分けて、気温や天候など、行事、習慣、食べ物、飲み物、自然、生き物、服装などが挙げられます。例えば飲み物を例にすると、「ホットコーヒー」は秋や冬めいていますが、「アイスコーヒー」は夏ならではというイメージですよね。
また、セミの鳴き声のように生き物の鳴き声や気配を季語にする方法もあります。その他にも、天候で言うと夕立などのワードは夏らしい季節感のある言葉ですね。おすすめの季語は以下の一覧も参考にしてください。
おすすめの夏の季語一覧
自然 | 場所・もの | 行事 | 行動 | 生き物 | 食べ物 |
入道雲 | うちわ | 肝試し | 日焼け | 金魚 | そうめん |
海 | 蚊取り線香 | 花火大会 | 海水浴 | カブトムシ | ひやむぎ |
ひまわり | 風鈴 | 夏祭り | お盆 | クワガタ | アイスコーヒー |
スコール | 麦わら帽子 | 盆踊り | 昼寝 | カタツムリ | アイスクリーム |
あじさい | 金魚鉢 | 夏休み | 釣り | アゲハ蝶 | うなぎ |
夕立 | プール | キャンプ | 夕涼み | セミ | かき氷 |
夏の俳句の作り方③有名な俳句を参考にする
夏の俳句の作り方のポイント、3つ目は有名な俳句を参考にすることです。どのように夏の俳句を作ればいいかわからないという方は、まず有名な夏の俳句を参考にして、アイディアのヒントにしましょう。
夏の有名な俳句と言えば、松尾芭蕉の「夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡」ですね。この俳句の季語は夏草です。意味は、昔武士たちが栄光を夢見たこの場所には、現在夏草が茂りかつての戦いが嘘のような状態であることを表しています。
また、同じく松尾芭蕉の俳句で「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」もありますね。これは、とても静かな自然の中では、セミの鳴き声ですら岩に染み入るような様子であるという、自然の中の静かな風景を表しています。
夏の俳句の作り方④夏のどこに着目するかにこだわる
夏の俳句の作り方のポイント、4つ目は夏のどこに着目するかにこだわることです。俳句は五・七・五という非常に短い文章の中で季節や情景を表現しなければいけません。
その為、基本的に一つの俳句に使う季語は一つだけが望ましいでしょう。欲張ってあれこれ入れると内容が散らかり、まとまりのない俳句になってしまいます。まずは夏をテーマに、何をメインにするかを決めましょう。
例えば夏に見た花火について考えるなら花火を、夏の暑さや風景を表現したいなら照り付ける太陽など、メインに持ってくるキーワードを一つに決めると、季語を選びやすくなります。
小学生の夏の俳句例5選
小学生の夏の俳句①せみの声季節のお手紙ゆうびん屋
小学生の夏の俳句、1つ目は「せみの声季節のお手紙ゆうびん屋」です。こちらは夏の季語では定番のセミの鳴き声を選んだ俳句ですね。
夏ならではのセミの鳴き声を「季節のお手紙」という表現で表すのは、小学生らしく非常にのびのびとした発想が感じられます。大人はついうるさいと感じがちなセミの声を、季節のお手紙を運ぶ郵便屋と呼ぶのはとても可愛らしいですね。
子供ならではの可愛らしい言葉のチョイスや、ひねりのある着眼点がユニークです。毎年セミの声を聴いたら季節のお手紙が来たと情緒が感じられそうな一句ですね。
小学生の夏の俳句②夏祭りひみつのぬけ道かけぬける
小学生の夏の俳句、2つ目は「夏祭りひみつのぬけ道かけぬける」です。こちらの俳句は夏祭りが季語ですね。夏ならではの情景を表しています。
自分しか知らない秘密の抜け道を駆け抜けてまで、早く夏祭りへ行きたいというワクワクとした気持ちが伝わってきます。近道をして向かう様子が目に浮かぶようです。
夏祭りと言えば金魚すくいやヨーヨーすくい、屋台の食べ物などがありますが、あえて祭りそのものではなく祭りへ向かう様子を選ぶ点も、着眼点に優れていますね。
小学生の夏の俳句③日焼あと太陽からの送りもの
小学生の夏の俳句、3つ目は「日焼あと太陽からの送りもの」です。こちらの季語は日焼あとですね。こちらも夏ならではの光景が浮かぶキーワードです。
大人になると夏の日焼けが気になり、日焼け止めを塗ったり日傘をさしたり色々と気を使ってしまいます。しかし、子供のうちはそのようなことを気にせず、たっぷりと日焼けして外で遊べます。
その日焼け跡は、夏にたっぷり外で遊んだという証拠でもあり、まるで太陽からの贈り物のようですね。厄介な日焼け跡に対して、このように素敵な感性で受け止められるのは小学生の自由な発想ならではです。
小学生の夏の俳句④なつ休みしゅくだいなければ天ごくだ
小学生の夏の俳句、4つ目は「なつ休みしゅくだいなければ天ごくだ」です。季語はなつ休みですね。子供の頃のお楽しみと言えば、やはり夏休みです。
しかし、誰もが抱える宿題は目を背けられません。宿題さえなければ天国なのに!という、子供の正直な気持ちをストレートに表現した俳句です。
思ったことや感じたことをそのまま俳句にするというのは、まさに小学生ならではの自由な俳句です。子供目線の素直な表現が楽しめるのも、小学生ならではですね。
小学生の夏の俳句⑤手をはさむおれがきらいかクワガタよ
小学生の夏の俳句、5つ目は「手をはさむおれがきらいかクワガタよ」です。夏の虫を代表するクワガタが、この俳句の季語になります。
思わずクスリと笑ってしまうような表現が可愛らしいですね。この少年はクワガタに手を挟まれてしまったのでしょう、俺が嫌いかという問いかけがユーモラスです。
俳句は綺麗な言葉を使いまとめるだけでなく、ユニークな言い回しで面白い表現をするのもいいですね。見た人が楽しい気分になれるような俳句を作ってみてはいかがでしょうか。
中学生・高校生の夏の俳句例5選
中学生の夏の俳句①母さんと背丈が一緒になった夏
中学生の夏の俳句、1つ目は「母さんと背丈が一緒になった夏」です。季語はストレートに夏ですね。季節をそのまま季語として表現しています。
中学生と言えば身長も伸び盛りで、どんどん成長していくお年頃です。特に夏休み頃になると、グッと体が成長するという子供も多いでしょう。
この俳句は、いつの間にか母親と同じ背丈になった自分の成長に対する喜びや驚きが感じられます。夏を迎え成長した自分を、五・七・五で見事に表現していますね。
中学生の夏の俳句②夏の海方程式を砂で解く
中学生の夏の俳句、2つ目は「夏の海方程式を砂で解く」です。季語は夏の海です。海と言えば夏のレジャーでは定番の場所ですよね。
しかし、中学生になると学校でわからなかった勉強が気がかりで、思い切り遊べない場合も多いでしょう。そんな時、ふと砂の上に方程式を書いてみた様子がわかります。
教室では難しくてわからなかった方程式も、夏の海という開放的な場所で解くと頭が冴えたのか答えがわかったようです。海を楽しみながらもしっかりと勉強をしている、中学生の姿が目に浮かびます。
中学生の夏の俳句③テスト後の雲一つない夏の空
中学生の夏の俳句、3つ目は「テスト後の雲一つない夏の空」です。季語は夏の空で、雲一つない清々しい夏の青空が目に浮かぶようですね。
学生時代最も嫌なものと言えば、テストです。しかし嫌な期末テストが終われば、あとは楽しい夏休みが待っています。この俳句はそんなテスト明けの清々しさが感じられます。
テスト期間中はのんびり空を眺める余裕もないかもしれません。しかし、テストが終わり開放的な気分で空を見上げれば、そこには雲一つない空が広がっています。
高校生の夏の俳句①飲むほどに麦茶の氷音を変え
高校生の夏の俳句、1つ目は「飲むほどに麦茶の氷音を変え」です。季語は麦茶です。麦茶と言えば夏を感じる飲み物の一つですよね。
氷をたっぷりと入れたコップに注いだ麦茶は、何杯でも飲める美味しさです。飲むほどに少しずつ氷が溶け、微妙に音が変わる様子を表しています。
氷の音が響くコップという日常の一コマを切り取った俳句は、ささやかな生活から感じる夏の情緒が描かれていますね。その風景が目に浮かぶようです。
高校生の夏の俳句②金魚すくい紙破れたり敗れたり
高校生の夏の俳句、2つ目は「金魚すくい紙破れたり敗れたり」です。季語は金魚すくいで、夏祭りの定番である金魚すくいをしている様子がうかがえます。
金魚すくいの紙が敗れる様子と、金魚すくいという勝負に敗れた様子を「破れたり敗れたり」で表現している、ユニークな俳句です。
このように音の響きに注目して、リズム感のいい俳句に仕上げたユーモアあふれる一句です。学生ならではのみずみずしい着眼点による俳句をご紹介しました。
夏の俳句を作ってみよう
夏の俳句の作り方をご紹介しました。今回は夏の俳句におすすめの季語一覧と、その一覧を使い作った俳句の例も合わせて説明しました。
夏はきらびやかな季節を感じるシーズンです。今回ご紹介したおすすめの季語一覧に限らず、夏の風景を感じられるキーワードを取り入れ、夏の俳句を詠んでみましょう!
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