明治時代と大正時代の男女に共通するファッションの特徴3選!
明治時代と大正時代の男女に共通の特徴①着物に袴
明治時代と大正時代の男女に共通の特徴は、着物に袴を合わせたスタイルが、学生に代表されるインテリの象徴となりました。書生やハイカラさんの服装です。明治になるまで、女子の袴着用は基本的にありませんでした。例外として武芸をたしなむような家柄のみですが、それでも普段に着用することはありませんでした。
男性の書生スタイルと同じような和服と袴の組み合わせできりっと中性的に仕上げつつ、長い髪を下ろし、大きなリボンをつけて可愛らしくしあげました。男子学生が紺絣に対して、女学生は矢絣の着物を着ていました。
明治時代と大正時代の男女に共通の特徴②軍服を応用した学生服
明治時代と大正時代の男女に共通の特徴2つ目は、軍服を応用した学生服です。セーラー服はイギリス海軍の水兵の制服をアレンジしたものです。デザインがおしゃれだとヴィクトリア女王が子供服として王子たちに着せたことがきっかけで、ヨーロッパにひろまりました。その後日本にわたり、女学生の制服として採用されました。
学ランのランは「蘭」で、オランダを表します。江戸時代に鎖国だった日本は、例外として交流があったオランダと中国からの文化のみ輸入していました。学生服の原型は、オランダ大使の軍服だといわれています。最初に取り入れたのは東京帝大、今の東京大学です。
明治時代と大正時代の男女に共通の特徴③断髪に帽子
明治時代と大正時代の男女に共通の特徴3つ目は、「モボ」「モガ」に代表される断髪に帽子のスタイルで、和服を着たり洋服を着たり、自由に楽しみました。ちょんまげや日本髪から開放されてたことが、新しい時代の象徴になりました。女性はショートカットで、思い思いの髪飾りや帽子を楽しんでいたのです。
モダンの全盛期でしたから、奇抜なファッションも生まれました。そのころのファッションに興味のある方の参考に用意しましたので、こちらの記事も合わせてご覧ください。
明治時代と大正時代の男性の服装3選!
明治時代と大正時代の男性の服装①和洋折衷のとんびコート
明治時代と大正時代の男性の服装1点目は、和洋折衷のとんびコートです。正式名は「インバネスコート」です。二重マントの形になっていて、手が自由に使えます。和服と洋服とどちらにも合い、和洋折衷を楽しめます。高額所得所はとんびコートに金縁の眼鏡と山高帽子を組み合わせていました。
明治時代と大正時代の男性の服装②文明開化の帝大マント
明治時代と大正時代の男性の服装2点目は、文明開化の象徴の一つにもなった、帝大マントです。今の東大ですが、当時はファッションリーダー的な存在だったのですね。着物に袴の書生スタイルの上から、角帽とセットで着るのがトレンドでした。
明治時代と大正時代の男性の服装③富裕層のハイカラーシャツ
明治時代と大正時代の男性の服装4つ目は、富裕層のハイカラーシャツです。襟が高く縫い付けられていることからそう呼ばれ、「ハイカラ」という言葉は、このシャツから始まったそうです。お洒落な人の代名詞ですね。こちらの記事も合わせてご覧ください。
明治時代と大正時代の女性の服装3選!
明治時代と大正時代の女性の服装①銘仙地の着物
明治時代と大正時代の女性の服装1つ目は、銘仙地の着物です。特に対象に入ってから大ブレイクし、大正ロマンとして一世風靡しました。柄は派手なのですが、色合いが渋めで、大きな柄同士を組み合わせても下品にならないのが特徴です。羽織が長めなのも特徴です。
明治時代と大正時代の女性の服装②和服に洋風のアクセント
明治時代と大正時代の女性の服装2つ目は、和服に洋風のアクセントをつけたコーディネートです。半襟がレースだったり、バッグがビーズやサイケデリックな柄、またコテで癖をつけた洋風の髪型など、一見ちぐはぐに思えるものを、センスで決めてしまうおしゃれな女性がたくさんいたのです。
明治時代と大正時代の女性の服装②サックドレスのモガファッション
明治時代と大正時代の女性の服装3つ目は、シンプルなサックドレスです。モダンが主流になってから、流行はバッスルスタイルの鹿鳴館ドレスから、シンプルな筒状のワンピースドレスに変わります。シンプルな服がそのうち柄に凝ったり、アクセサリーで遊んだりして、独特のファッションが広まります。
服装以外の明治時代と大正時代の特徴【食事】
明治時代と大正時代の特徴①肉食を取り入れた
服装以外の明治時代と大正時代の特徴に肉食があります。文明開化の象徴はすき焼きだといわれています。獣の肉を食べる習慣は明治の文明開化で西洋から輸入されました。それまでは一汁三菜、庶民の家では一汁一菜の、ご飯に味噌汁と漬物という粗末な食事でした。肉食が入っても、一部の裕福な人しか口にできないものでした。
日本に肉食が定着し、日本人の体格が向上しました。今は一般の家でも当たり前に肉を食べます。けれども明治時代、大正時代ではまだまだ選ばれた人の食べ物でした。貧しい若者は、すき焼きを食べられることを夢見て出世を目指しました。総じて豊かになった現代に自殺が多いのは、はっきりした目標がないからかもしれません。
明治時代と大正時代の特徴②洋食による食事
服装以外の明治時代と大正時代の特徴に、洋食があります。当時人気だったのは、お好み焼きに似た「一銭洋食」でした。カレーライスやオムライスなど、今なら家庭料理の代表ですが、当時は出世したら食べる目標の高級料理でした。当時の憧れが、今ではおふくろの味を代表する料理なのは、不思議な気がしますね。
洋食には様々なドラマがあります。大正時代、阪急電鉄のオーナーである小林一三の経営するレストランでは、白飯にソースをかけて食べるお客が多かったそうです。たまりかねた支配人が「ライスだけのお客様おことわり」と張り紙をしました。通りがかった小林一三がそれを見て「ライスだけのお客様大歓迎」と書き直しました。
貧しい若者に、高級料理を食べる雰囲気だけでも味わってほしいという思いでした。その時の若者は、恩返しの思いで出世した後に高級料理を注文しに訪れたそうです。近代は人を育てる思いがあり、必ず恩に報いる思いもあった良い時代でした。
明治時代と大正時代の特徴③和洋折衷のあんパン生まれた食事革命
服装以外の明治時代と大正時代の特徴に、和洋折衷があります。その代表こそ、明治時代に生まれた木村屋の“あんパン”です。酒蒸しのまんじゅうをヒントに、ふわふわの柔らかいあんパンが開発され、天皇陛下御用達として人気になりました。商売は小さなヒントからの発想で大きく成功するという好例です。
パンはもともと硬いものでした。今のように白くきめ細かいフワフワしたパンが生まれたのは木村屋の大きな功績です。さらにあんこを使って、和風のパンを作る発想が、パン屋のブランド“木村屋”の名を不動のものにしました。
服装以外の明治時代と大正時代の特徴【暮らし】
明治時代と大正時代の特徴①オイルランプのある暮らし
明治時代と大正時代の特徴1つ目は、オイルランプの普及です。街灯にも自宅にもランプが使われるようになります。人々の暮らしが向上し、文明開化の灯と呼ばれました。さらに大正モダニズムは、シンプルだったランプをおしゃれなデザインにしました。近代を代表するランプはその姿残したまま今もLEDとして生きています。
明治時代と大正時代の特徴②自転車に乗る暮らし
明治時代と大正時代の特徴2つ目は、自転車です。明治時代の憧れの一つに、自転車がありました。男性だけでなく袴姿の女学生が、馬の代わりに自転車で通学する姿も、大正になると珍しくありませんでした。袴姿の女学生は、良妻賢母教育から、自立の学問をするように変わっていきました。
服装以外の明治時代と大正時代の特徴③文明開化の化粧クリーム
明治時代と大正時代の特徴3つ目は、化粧クリームです。今でこそ女性は肌の手入れやお化粧に、普通にクリームを使いますが、それまで日本女性のお化粧はヘチマ水と練り白粉で、クリームは画期的なものでした。肌に栄養を与え、下地にもなるクリームの存在に感動した多くの女性が、こぞって購入しました。
服装以外の明治時代と大正時代の特徴【文化】
服装以外の明治時代と大正時代の特徴①文明開化のモガ時代
服装以外の明治時代と大正時代の特徴1つ目は、洋装が広まったことから、モダンの全盛期となりました。「モダンボーイ」「モダンガール」と言われる人たちが、銀座を闊歩しました。女性が足を出すという冒険が、当たり前になった文明開化のファッション改革時代ですね。
服装以外の明治時代と大正時代の特徴②文明開化のフェミニズム文化
服装以外の明治時代と大正時代の特徴2つ目は、女性が主張するようになっていったことです。明治時代は、「原始女性は太陽だった」と謳った『青踏』の平塚雷鳥や、女子の高等教育を実践した津田塾の創始者津田梅子、女性が恋愛を高らかに歌う与謝野晶子など、明治の文明開化を象徴する女性が多く生まれた時代です。
平塚雷鳥らが作ったフェミニズム文化は、女性の人権を守ることから始まりました。ただ、時代が進む中で、違う価値観の女性への攻撃を生む一面もあらわれました。メディアではヒステリックに専業主婦を罵る光景も見られます。女性が女性に優しく、思うように生きることを助けられてこそ、フェミニズムなのにと残念ですね。
明治時代と大正時代の特徴③洋風の建築物
明治時代と大正時代の特徴3つ目は、洋風の建築物です。官公庁をはじめとする建物が洋館になったことで、自宅も洋館にするのがステイタスになりました。あの頃の建物は、たたずまいがロマンテックでしたね。機能性、利便性を追求すると、あらゆる無駄を省くかわりに心の潤いを失っていく気がしますね。
明治時代の服装は実は今も新しい
大正・明治時代の服装9選と、和洋折衷の男性と女性の暮らしをご紹介しました。国が生まれ変わる勢いのある時代でした。あのころの服装が、今も見直されています。明治時代のドレスがウェディングドレスの参考にされたり、大正ロマンの着物の復興のイベントも記憶に新しいです。いいものは歳月に古びません。
時代は繰り返すといいますが、あの頃の服装は今も少しも古さを感じません。温故知新の精神で、ワンランク上のおしゃれを目指しませんか?きっと一味違う素敵な自分を好きになりますよ。
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