チャックの構造と名称は?
チャックの構造
チャックは二つが組み合う形の金具と、それを外したり結合させたりするスライダーという金具、そしてそのスライダーを下で受け止める金具でできています。またかみ合って布と布をつなげる役割をするものをエレメントといいます。
エレメントの金具がずらっと並んでいる部分をテープといい、テープ部分と本体とを縫い合わせることでチャックを取り付けます。テープ部分はチャックの外れとともによく壊れる部分です。
チャックの部品名称①スライダー
チャックの部品名称その1は、スライダーです。エレメントをかみ合わせたり、外したりする役割があります。引手がついていて、それを引っ張り上下させるような仕組みです。
スライダーには引手というスライダーを上下させるための部位があります。チャックが壊れる原因として、スライダーの引手が取れてしまうというのも多くある原因です。
チャックの部品名称②エレメント
チャックの部品名称その2は、エレメントです。チャックの両方についている細かい金具のことで、この金具がかみ合うことでチャックが閉じられます。スライダーによってチャックが開いたり閉じたりする仕組みです。
エレメントはチャックが壊れる原因になりやすく、エレメントの金具の一部が曲がるとチャックが閉じられないなどの現象が起こります。またエレメントの一部が欠けてしまうと、修理は難しくなります。
チャックの部品名称③下止め・上止め
チャックの部品名称その3は、下止め、上止めです。スライダーをチャックの上や下でとめておく役割をします。この金具がないと、スライダーが止まらないのでスライダーをチャック内にとどめておけません。
下止め、上止めの金具は通販や手芸用品店でも購入することができます。なくなってしまい、自分で修理したい場合は、手芸用品店で探してみると良いでしょう。
チャックの部品名称④テープ
チャックの部品名称その4は、テープです。両方の細かい金具エレメントをのせている布の部分です。チャックは、テープの部分で本体とつながっています。テープの部分を本体に縫い付けて使うようになっています。
テープ部分も破損する可能性が高い部位です。テープ部分がキレてしまうと、縫い合わせるか交換して修理という形になります。自力での交換が難しい場合は、専門の業者に依頼すると確実です。
【壊れ方別】チャックの直し方は?
外れたチャックの直し方①両方外れた場合の修理
チャックが両方外れた場合の修理・直し方は、スライダー両方のゆるみを直すためにペンチで締めなおします。チャックが両方外れてしまうのは、スライダー両方の金具が緩くなっている可能性が高いです。
スライダーのゆるみを直すときは、ペンチを使います。ペンチでスライダーの隙間を締めていくのですが、このとき少しずつ調節しながらスライダーを締めていくことが大切です。いきなり強く締めすぎると、今度はチャックが外れなくなります。
- 1スライダーの片方を締める
- 2反対側を締める
- 3スライダーの出口を締める
スライダーの締め方
POINT
少しずつ行う
スライダーは少しずつ締めるようにしましょう。急に締めるとチャックが動かなくなる場合もあります。
外れたチャックの直し方②片方外れた場合の修理
チャックが片方外れた場合の修理・直し方は、基本的に両方チャックが外れた場合と同じです。片方だけ外れてしまうは片方だけスライダーがゆるくなっているからです。
スライダーに片方のジッパーを入れて、スライダーをペンチで締めていきます。スライダーの動き具合を確認しながら、ゆっくりと行うことが大切です。
- 1片方のジッパーをスライダーに戻す
- 2外れた方のスライダーを締めていく
- 3チャックが動くかどうか確認する
片方だけ外れた場合の直し方
外れたチャックの直し方③スライダーの引手が壊れた場合の修理
チャックのスライダーの引手が壊れた場合の修理・直し方は、ファスナーのスライダーの引手になるものを緊急避難的に用意する方法です。引手は壊れたら直すことができないので、新品のものに取り換えます。
しかし突然壊れてしまって、本格的に直す環境にないようなときは引手の代わりにヒモなどを用意してください。引手のついていた場所に結び、引手の代わりとして利用します。
POINT
スライダーだけ交換もできる
スライダーも手芸用品店や通販で入手できます。好みの色や形のスライダーに変えたいときも便利です。
外れたチャックの直し方④ジッパーのエレメントが壊れた場合の修理
チャックのエレメントが壊れた場合の修理・直し方は、ファスナーのエレメントのゆがみを直す方法です。ファスナーのエレメントが一部曲がって、チャックが上がらなくなっている場合は、曲がったエレメントをペンチなどでまっすぐにすることでチャックが動く場合もあります。
複数のエレメントがひどく曲がってしまったり、取れたり外れたりした場合は、新しいチャックを付けなおした方がいいこともあります。ペンチで自分で直せない場合は、専門の業者に修理を依頼しても良いでしょう。
- 1ゆがんだ箇所のエレメントをペンチで直す
- 2スライダーが正常に上下するか確認する
エレメントがゆがんだ場合の修理方法
POINT
歯が欠けている場合は直せない
エレメントの歯が欠けてしまった場合は、残念ながら簡単に直すことができません。どうしても直したい場合は、業者の方に依頼しましょう。
外れたチャックの直し方⑤上止め・下止めが壊れた・外れた場合の修理
チャックの上止め・下止めが壊れた、外れた場合の修理・直し方は、専用の留め金を買ってきてつけるという方法です。チャックの留め金は通販でも入手できますし、手芸用品店でも購入することができます。ペンチで挟んでとめることができますが、難しいようなら専門業者にお願いしても良いでしょう。
- 1止め金具をエレメントにはめる
- 2横をペンチで挟んで固定する
上止め・下止めのつけ方
POINT
上止め・下止めも購入できる
ファスナーの上止めや下止めも通販や、手芸用品店で購入することができます。カラーが豊富なので、好みの留め金を使うことができますよ。
外れたチャックの直し方⑥チャックが動かない場合|その1
チャックが動かない場合は、チャックの中が詰まっている可能性があります。チャックの中に細かいゴミなどが溜まっているか固まっているかなので、それを取り除くと動くこともあるでしょう。
チャックにゴミがつまっている場合は、洗濯用の洗剤で汚れを取り除きます。洗濯用洗剤を少しの水で薄めたものを脱脂綿などつけて、チャックの動かなくなった部分に塗り込みます。スライダーを上下に少しずつ動かして、ひっかかりを解消してください。
- 1洗濯用洗剤を少量の水で薄める
- 2脱脂綿や綿棒に洗剤を染み込ませる
- 3ファスナーの動かない部分にすりこんで汚れを取り除く
- 4スライダーを上下に動かして詰まりを解消する
洗剤で詰まりを取り除く方法
外れたチャックの直し方⑦チャックが動かない場合|その2
チャックが動かない場合で、洗剤で汚れを取り除いても動かないケースもあります。洗剤でゴミや汚れを取り除いても、まだチャックが動かないときは錆などが発生している可能性があります。
チャックがさびていて動かない可能性があるときは、5-56などの錆を取り除く道具を使うと良いでしょう。5-56のスプレーを吹き付けてから、スライダーを少しずつ上下に動かしてみてください。
- 15-56など錆を取り除くスプレーを用意する
- 2取り除く部分に5-56のスプレーを吹き付ける
- 3スライダーを上下させてチャックが動くか確認する
チャックが錆びている場合の対処法
外れたチャックの直し方⑧テープ部分が破れた・外れた場合
チャックのテープ部分が破れた場合の直し方は、テープの部分を縫い合わせるか、チャックごと交換してしまうかです。テープの部分を縫い合わせるだけで良い場合は、糸と針を使ってまつり縫いなどで縫い合わせます。
チャックを丸ごと交換する場合は、ミシンを使って縫い合わせる方が便利です。難しい場合は、専門の業者に修理を依頼した方が確実に美しく修理ができます。
POINT
自分で修理が難しい場合は専門業者に
チャックが壊れて自分で修理が難しい場合は、専門の業者に依頼した方が確実にきれいに直ります。
修理屋でチャックを直すとどれくらいかかる?
金額は修理のレベルによって変わる
修理屋でチャックを直すこともできますが、修理にかかる金額はどういう修理をするのかによっても異なります。チャックをまるごと交換したり、縫製したりする必要がある場合は相応に修理代金も高くなる傾向があります。
チャックを少し直す程度であれば、数千円程度で、まるごと交換する必要があると1万円前後かかることも多いようです。メーカー修理の場合は、メーカーによって対応が異なるので一概には言えません。
修理にかかる時間も修理の状態によってさまざま
チャックの修理を業者に依頼した場合、修理にかかる時間はチャックの修理をどのように行うかによって変わってきます。金具を少しペンチで直したり、付け足したりすれば良いだけなら数日かからず品物が返ってくるでしょう。
しかしチャックの縫製までやり直すレベルの修理だと、数日から1週間以上かかることもあります。メーカー修理の場合、修理の時間はメーカーによってまちまちです。修理をお願いする場合は、どれぐらいかかるのか事前に確認しておくと良いでしょう。
チャックが壊れないように予防する方法は?
チャックが壊れない予防方法①ファスナー両方に汚れがついたら取り除く
チャックが壊れない予防方法その1は、汚れがついたら取り除くという予防方法です。汚れが付着して、それが固まるとチャックが開かなくなる原因になります。今日は汚れたなと思ったら、綿棒や柔らかい布などで、こまめにチャック部分を掃除してあげると良いでしょう。
チャック部分の清掃に便利なのは、洗濯用洗剤です。洗濯用洗剤を軽く水で薄めて、綿棒でスライダーやエレメントの周囲をお掃除します。洗剤が気になるようであれば、硬く絞った雑巾などで水拭きしておきましょう。
チャックが壊れない予防方法②洗濯の際はネットに入れる
チャックが壊れない予防方法その2は、洗濯の際はネットに入れるという方法です。チャックがついている衣類などを、洗濯機に入れて回すと洗濯槽などに当たってチャックが損傷する可能性があります。
また、チャックの硬い部分が他の衣類を傷つけてしまう可能性もあります。チャックがついた衣類などを洗濯機で洗濯する場合は洗濯ネットに入れて洗濯をするようにしましょう。
チャックが壊れない予防方法③ファスナーに強い衝撃を与えないようにする
チャックが壊れない予防方法その3は、チャック部分に強い衝撃を与えないようにするという方法です。チャック部分に強い衝撃を受けるとスライダーやエレメントなどの金具が変形してしまう可能性があります。
金具などが少しずつ変形したり、ゆるんだりすることでチャックが外れたり閉じなくなったりといった不具合が起きるようになります。チャックの機能を長持ちさせたい場合は、なるべく衝撃を受けないように気を付けましょう。
チャックが壊れない予防方法④ファスナーの洗濯が可能なら定期的に洗う
チャックが壊れない予防方法その4は、洗濯が可能なら定期的に洗うという方法です。チャックは繊維などにたまったほこりや汚れが蓄積すると、開かなくなってしまうことがあります。定期的に洗濯などで汚れを取り除いてあげると、チャックの寿命を延ばすことができるでしょう。
また、洗濯をする場合は事前に洗濯タグを確認しておきましょう。水洗い、やドライといった項目にバツ印などがついていなければおおむね水洗いできるでしょう。水洗いできるときは、洗濯タグに指示に従って洗濯をしてください。
- 洗濯タグを確認する
- 水洗い可能であれば洗濯する
- 洗濯タグに書かれた洗剤や干し方をする
洗濯の手順
チャックの直し方を覚えてチャックを長持ちさせよう
チャックは金具やプラスチック素材でできているので、衝撃によって変形してしまう可能性があります。かみ合わせがうまくいかないほど変形してしまうと、チャックが閉まらない、外れてしまうといった状態になるので注意が必要です。軽い壊れ方であれば修理できるので、直し方を覚えてチャックを長持ちさせましょう。
また、下記の記事は100均のファスナーについて書かれた記事です。100均のファスナーに興味がある方は、下記の記事もあわせてごらんください。ダイソーやセリアの14個のファスナーのほか、スライダーやスライダーの引手などについても紹介されています。
商品やサービスを紹介する記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。
KEYWORD
関連のキーワード
NEW
新着記事
RANKING
人気の記事