銅像で有名な二宮金次郎(にのみやきんじろう)とはどのような人物?
銅像で有名な二宮金次郎(にのみやきんじろう)とは江戸時代の思想家
銅像で有名な二宮金次郎(にのみやきんじろう)ですが、いつの時代に何をした人物なのか実は知らないという方も多いでしょう。二宮金次郎とは、武士として二宮尊徳(にのみやたかのり)という名前を持つ思想家です。
また、思想家以外に経世家、農政家としても知られています。江戸時代後期に活動した人物で、背中に薪を背負いながら本を読む姿の銅像は、全国の学校に飾られており有名ですよね。
何をした人物なのか簡単に説明すると、貧しい農家を努力で再建し、更に他の家や村まで救済したことから幕府の役人として認められた人物です。ここからは更に詳しく二宮金次郎(にのみやきんじろう)についてご紹介します。
二宮金次郎(にのみやきんじろう)は武士の位を貰い二宮尊徳となる
一般的には二宮金次郎(にのみやきんじろう)の名前で知られていますが、後に出世して武士の位を貰った時に、二宮尊徳という名前となります。
農家出身の二宮金次郎が武士の位を貰えた理由は、その活動が評価されたからです。元は裕福でありながら自然災害や両親の死で傾きかけた生家を、努力と勉強によって無事立て直しました。
その時のノウハウを生かし、二宮金次郎はあらゆる家や村の再建を行いました。傾いた村を立て直すのは並大抵のことではありません。そういった活躍が、武士として認められるようになったのです。
二宮金次郎(にのみやきんじろう)は本を読む銅像の姿が知られている
二宮金次郎(にのみやきんじろう)といえば、やはり全国の小学校にある背中に薪を背負い歩きながら本を読む姿ではないでしょうか。何故このような銅像が小学校に飾られるようになったのかを説明します。
二宮金次郎は元々裕福な農家の家に生まれますが、災害で田畑を失い更に両親も亡くしたことから、叔父の家に預けられます。読書家の二宮金次郎は夜遅くまで本を読んでいました。
しかし、当時電気がなく油の明かりを使用していた為叔父に油がもったいないと叱られてしまいます。そこで二宮金次郎は農家の仕事をしながら本を読み勉強したのです。それがあの有名な銅像の姿なのです。
二宮金次郎(にのみやきんじろう)の銅像は勉強熱心な人物像が影響している
では何故全国の小学校に二宮金次郎(にのみやきんじろう)の銅像が置かれているのでしょうか。二宮金次郎は毎日熱心に本を読み勉強し、困っている人々を助けました。
その人間性や活躍が評価され、最終的には農家から幕府の役員として認められます。かなりの出世ですよね。つまり、二宮金次郎は熱心に勉強し世の中の為に働いたことで、自身も出世した人物なのです。
このように熱心に勉強をし人の為に働き、立派な人間になった人物を目標とするように、小学校に銅像が置かれるようになったのです。現代の日本人も二宮金次郎のような生き方は参考にしたいですね。
銅像で有名な二宮金次郎(にのみやきんじろう)の一生とは?
銅像で有名な二宮金次郎(にのみやきんじろう)は裕福な農家出身
銅像で有名な二宮金次郎(にのみやきんじろう)は、現在の神奈川県小田原市に位置する相模国足柄上郡栢山村に生まれました。元々は裕福な農家でしたが、川の氾濫により田畑と家を失ってしまいます。
その為生活は急変し、裕福だった家庭も貧しくなってしまいます。更に二宮金次郎が14歳の時に父が、16歳の時に母が亡くなり、二宮金次郎は叔父の家に身を寄せるようになります。
二宮金次郎は毎日熱心に働きながら本を読み勉強をします。その後も親戚の家に身を寄せながら貯金し、20歳の頃に生家の再建に挑みます。再建後は地主、農園経営をしつつ、小田原で武家奉公人もしていました。
銅像で有名な二宮金次郎(にのみやきんじろう)は多くの家や村の救済をする
生家を立て直したことで二宮金次郎(にのみやきんじろう)は沢山の家や貧しい村の再建を頼まれるようになります。小田原藩士である服部十郎兵衛という人物も、二宮金次郎に服部家の建て直しを依頼します。
二宮金次郎はこちらの立て直しも見事に成功します。服部十郎兵衛は謝礼として報酬を渡そうとしますが、なんと一銭も受け取らず報酬なしで再建をしてくれました。
このような働きが非常に評判となり、二宮金次郎に家や村の再建を頼む人たちが増えたと言います。なんと、生涯で615もの村を立て直したと言われています。
銅像で有名な二宮金次郎(にのみやきんじろう)は桜町領再建時に尊徳となる
その後も二宮金次郎(にのみやきんじろう)は多くの再建を命じられます。小田原藩主である下野国芳賀郡桜町(現在の栃木県真岡市)が荒廃していた為、再建を命じられました。
二宮金次郎は米やお金を持ち桜町へ移住して、再建の為働きます。再建は簡単なものではなく、時には村人から反感を買い批判も受けたと言います。
そのような時は成田山で断食修行をしたとも言います。そのような苦労もあり無事に桜町を再建した二宮金次郎は、その働きを認められ武士の位を貰い、名前も尊徳と名乗るようになりました。
銅像で有名な二宮金次郎(にのみやきんじろう)は70歳で一生を終える
一時期は貧しい農家として生活していたものの、その後努力によって生家を再建し、多くの貧しい村を救済してきた二宮金次郎(にのみやきんじろう)は、その後も活躍を続けます。
1833年には天保の大飢饉が関東を襲いますが、この時も多くの人々を救済します。農作物の出来栄えからその年の冷害を予想し、冷夏でも育つ作物を予め植えておき飢饉を避けるなどの知恵もあったと言います。
また、熱心に働く真面目な労働者には多くの賃金を与え、不正をする人間には厳しく叱るという高い人間性も評価されていました。こうして多くの人や村を救った二宮金次郎は、70歳でその一生を終えます。
二宮金次郎が人々に教えた五常講とは?
銅像で有名な二宮金次郎(にのみやきんじろう)は五常講を人に教えた
銅像で有名な二宮金次郎(にのみやきんじろう)ですが、貧しい村を再建する際には人々に「五常講」というものを教えたと言われています。
「五常講」とは、「仁義礼智信」という5つの徳目のことで、お金の貸し借りでは「仁(思いやり)」、借金をした際は「義(利欲にとらわれずするべきことをする)」、お金などを差し出す際は「礼(上下関係を守るための行動)」という教えをしていました。
更にお金を使う際は「智(知識)」、約束を守る時には「信(誠実な心)」が大切だと教えていました。このような正しい教えがあったからこそ、多くの人々は二宮金次郎を支持していたのかもしれませんね。
銅像で有名な二宮金次郎(にのみやきんじろう)は勤労分度推譲を勧めた
銅像で有名な二宮金次郎(にのみやきんじろう)は、貧しい村を再建する為に人々に勤労・分度・推譲という3つの教えをしました。単に金銭的な援助をするのではなく、人々に正しい教えも行っています。
勤労とは文字通り働くことですが、二宮金次郎は「徳に報いる為に働く」と教えました。分度とは、自身の収入を知り、それに応じて正しく支出を決めて生活することです。
推譲とは勤労で得て分度で貯蓄した財産を、自分の将来や困っている人々の為に正しく使う事です。このような教えは現代人の生活にも役立ちそうなものですね。
二宮金次郎(にのみやきんじろう)について詳しく学べる本は?
二宮金次郎について学べる本①親子で学びたい二宮金次郎伝
二宮金次郎について学べる本、1つ目は「親子で学びたい二宮金次郎伝 (不運を幸運に変える生き方・考え方)」です。二宮金次郎の生涯について、親子で楽しく学べる一冊となっています。
特に中学生、高校生のお子様がいるご家庭では、親子で学んでみることをおすすめします。二宮金次郎の勤労・分度・推譲という教えについても詳しく書かれており、どのようにして貧しい村を再建したのかがよくわかります。
江戸時代の人物ですがその考え方や生き方は、現代人の生活にも必ず役立つ知恵でしょう。傾いた村をどのようにして立て直したのか、この本を読めばそれに必要な精神や行動が学べるはずです。
二宮金次郎について学べる本②二宮金次郎の一生
二宮金次郎について学べる本、2つ目は「二宮金次郎の一生」です。二宮金次郎の一生をほぼ余すことなく書いている為、この一冊で二宮金次郎という人物を詳しく知ることができるでしょう。
資料を基に二宮金次郎がどのような考えを持ち、どのような行動をしたのかが詳しく書かれています。また、成功例だけでなく失敗例も挙げている為、失敗から学び経験として次に活かすという事も学べるでしょう。
特にこの本の中で書かれている「分度」は、現代人としても生き方にも役立ちます。自身の収入を知り生活を見直したい時に、是非役立ててください。
二宮金次郎について学べる本③教養として知っておきたい二宮尊徳
二宮金次郎について学べる本、3つ目は「教養として知っておきたい二宮尊徳」です。二宮尊徳の生涯と、一生のうちに人々に教えた哲学についてが学べます。
二宮尊徳はどのような考えでどのような行動を起こし飢饉や貧困を打ち返したのか、それについてが詳しく書かれています。その知恵は、現代人にも役立つ発想でしょう。
単に他人にお金を貸すのではなく、その際に必ず「知恵を働かせる生き方」を教えたと言います。そのようにアイディアを活かし熱心に働いた二宮尊徳についてがわかるでしょう。なおご紹介した本はこちらの記事でご紹介している大型書店などで探してみてくださいね!
二宮金次郎という人物についてを知ろう!
銅像として有名な二宮金次郎(にのみやきんじろう)ですが、その一生は多くの人々に役立ったものでした。現代人も彼の生き方から学べることはたくさんあります。是非二宮金次郎についてを知り、生活にその考えを活かしてみましょう!
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