サプールとは?起源や理由も
サプールはアフリカコンゴのおしゃれな集団
アフリカのコンゴ共和国にハイブランドスーツに身を包み、街を闊歩するおしゃれな集団がいます。彼らは「サプール」と呼ばれる人たちでフランス語の「おしゃれで優雅な紳士協会」のの頭文字を取っています。コンゴは世界最貧国のひとつで、サプールが暮らすバコンゴ地区の住民の多くは農畜産物で生計を立てています。
彼らの月収はおよそ3万円。サプールはお給料のほとんどをハイブランド服を買うために使っています。中にはサプールになりたいがために仕事をする人もいるほどです。普段の彼らは街の人たちと変わらない服を着て働き、週末になると教会やバーまでの道のりを街の人からの称賛の声を浴び、時にポーズをとりながら歩きます。
しかし彼らはただおしゃれをしているだけではなく、美しい所作にも気を配ります。ファッションと同様それを着こなすエレガントさも真のサプールであることの証なのです。
おしゃれなブランド服に隠された彼らのメッセージ
彼らは流暢なフランス語を話し、紳士としての教養や精神的な豊かさをも兼ね備え、またこうした装いが彼らの平和への意思を強く願う表現でもあります。「服が汚れるから戦わない」「服装は、平和の武器になる」アフリカの乾いた大地にそんな靴音を鳴らすサプールの存在は、今ここに戦争が起きていないことを意味しています。
戦争に翻弄され、そこからは何も生まれないことを悟ったサプールは、武器を持たずして平和を勝ち取る方法を選びました。今や彼らにとってサプールというファッションが武器です。それに共感しサプールに憧れる若者たちによって、鮮やかなファッションに身を包む紳士の姿がアフリカの1つの文化として受け継がれています。
サプールの起源!アフリカコンゴのサプールはこうして始まった
1880年以降、コンゴはヨーロッパによるアフリカの植民地争いに巻き込まれ、カトリック信仰であった彼らの間で平和を願う人たちが増えていきました。そんな中、フランス軍に従事していたアンドレ・マツワがパリの紳士のファッションでアフリカへ帰国し、彼らの間で紳士的でおしゃれな装いが始まりました。
その後、彼らの平和を願う思いとファッションがびついた表現方法としてサプールは生まれました。フランスのパリジャンのファッションとアフリカの独自のファッションの融合を楽しむサプール。それからというものサプールはアフリカの平和の象徴となりコンゴの人々の絶対的な英雄として今に根付いています。
サプールは親子で受け継ぐアフリカコンゴのファッション技術
サプールを父に持つ子供は、父から色合わせやコーディネートなどを学び、またその技術を我が子に伝えていきます。そして我が子に限らず周りの多くの人たちにその技術を伝えることが、サプールの思いや深いメッセージを世界へ普及していくきっかけにもなるのです。
また、サプールの中には大統領のファッションスタイリングをしている人もいるそうです。世界最貧国のひとつと言われているコンゴにとって、新しい職業が生まれるということはとても喜ばしいこと。そういった意味でもサプールは私たちが考えるおしゃれという枠を超えたアフリカの未来を開くカギでもあるのです。
世界一のサプールは有名デザイナーもインスパイアする
サプールの人気を集めるのは日本のデザイナーではTAKEO KIKUCHI(タケオ・キクチ)やYohji Yamamoto(ヨウジ・ヤマモト)です。逆にサプールからインスパイアされた世界的なブランドがあります。それがマックスマーラやポールスミスです。
マックスマーラは、サプールからインスピレーションを受けて紳士服の技術を取り入れ、逆に女性らしいボディラインを活かすジャケットをデザインしました。ベーシックな色の他、もちろんターコイズブルーやレッド、ピンクなど豊富なカラー展開があります。こうしてサプールのメッセージは世界中の人に届いているのです。
サプールスタイルの5つの魅力とポイント
サプールスタイルの魅力とポイント①とにかくカラフルなハイブランド服
サプールの一番の特徴と言えば、とにかくカラフルなハイブランド服と言えるでしょう。サプールにとってカラフルな色は平和の象徴でありとても好ましいこと。そのためカラフルな服に身を包むことのできることは度重なる内戦に巻き込まれてきた彼らにとって、この上ない幸せを感じる時間だと言えるのです。
でも、ただカラフルな服であればいいというわけはありません。サプールが着るのは、プラダ、ヨウジヤマモトやケンゾーなどのハイブランドです。本物の紳士だけが着こなせる本物の服。サプールは服の細部にわたるまでこだわりを持つハイブランドを愛してやまないのです。
サプールスタイルの魅力とポイント②服は3色以内でスタイリング
サプールスタイルの魅力とポイント2つ目は、色は3色以内でスタイリングする決まりがあります。スーツはただカラフルにすればよいというわけではないのです。とにかくエレガントさをこよなく追求するサプール。フランスやイタリア国旗のように3色の配色は明快でおしゃれなイメージを連想させます。
ただ奇抜で目立つだけがサプールのおしゃれではありません。センス良く服を着こなすには色数が大事だと彼らは語ります。同じ色をさりげなく繰り返してコーディネートするサプールのファッションは、世界中のファッショニスタが絶賛しています。
サプールスタイルの魅力とポイント③タバコや葉巻はおしゃれの一種
サプールスタイルの魅力とポイント3番目は、タバコや葉巻はおしゃれの一種という考え方です。サプールにはパイプや葉巻をくわえている人もいますが、彼らのほとんどが喫煙者ではないそうです。こうしたパイプなどを持っているのはアクセサリー感覚で単なるファッションアイテムとのこと。
身も心も紳士的なサプールはTPOをわきまえ、例えば撮影するために火はつけても、周りの煙を配慮して実際には吸わないサプールも多いのです。ファッションに対する徹底ぶりは彼らの深い思いを感じさせますね。
サプールスタイルの魅力とポイント④人生を謳歌する姿勢
サプールスタイルの魅力とポイント4番目は、人生を謳歌する姿勢です。サプールの最大の魅力はカラフルなブランド服と共にその人生観にあります。世界最貧国と呼ばれる状況や、いつこのアフリカで内戦に巻き込まれるかわからない不安のある暮らし。そんな中でサプールは確かな教養と強い倫理観を持っています。
生まれた環境にも左右されず、美しく生きるサプールの高い人間性は世界中の人々に大きなインパクトを与えます。「人はどこにいても、どんな時も自分らしく生きられる!」そんな人生を謳歌する姿勢が多くの人々を魅了するのでしょう。
アフリカのサプールから見た日本人
日本人はアクセサリーをプラスするといい
カラフルなスーツに身を包んだサプールから見ると、誰もが地味に見えてしまいそうですが、彼らから見ると日本人はとてもおしゃれに見えるそうです。でも、ベーシックな色が多いためもう少し色を使った方がいいとのこと。目立つことがあまり得意ではない日本人にとってカラフルな服を選ぶには勇気がいります。
スーツは仕方ないとしても、プライベートの時はせめて小物をカラフルな色にしてみましょう。女性ならアクセサリーやネイルをカラフルに、男性なら帽子やバッグがおしゃれです。中でもショルダートートバッグがおススメなので、こちらの記事も併せてご覧くださいね。
日本人は繊細で美しい着物の文化を持っている
サプールのファッションの基本は無地。日本でも「サプール展」が開かれ、来日したサプールの1人が日本の着物の花をあしらった柄行にとても感銘を受けたそうです。様々なテキスタイルを生み出す日本の繊細で美しい文化を、私たち日本人もファッションに活かしたいものですね。
女性のサプールはいるの?
サプールの女性版!その名も「サプーズ」
コンゴと名の付く国には2つあり、ひとつはカラフルな服を着こなすサプールのいるコンゴ共和国。もうひとつは黒いシックな服を好むサプールのいるコンゴ民主共和国があります。サプーズはコンゴ民主共和国のキンシャサで多く見かけるようです。
男性社会がまだまだ根強く残るキンシャサ。でも、ここ数年はコンゴ社会も大きく変わり、女性が自信を持ち始めているためサプーズの数は増加しているのです。一説にはコンゴ民主共和国のサプールのうち、5人に1人はサプーズと言われています。
サプーズが愛するデザイナーズブランド
サプーズはとてもアバンギャルドなデザイナーズブランドを好みます。例えばロベルト・カヴァリ、ヴェルサーチ、アレキサンダー・マックイーンです。日本人のデザイナーは川久保玲やYohji Yamamoto(ヨウジ・ヤマモト)など、日本の80年代に一世を風靡した「カラス族」をベースにした装いです。
そこにインパクトのある色やアクセサリーをプラスした唯一無二の自分スタイルを作り出します。サプールとは違った女性ならではのエレガントさがサプーズの魅力です。
サプーズの願いはコンゴの女性の社会進出
現在コンゴ民主共和国では女性の社会進出が進んではいますが、まだ「女性は政治家になれない、兵士になれない」という声もあちこちであがります。また男性の服を着るサプーズに蔑むような視線を投げる人もいるのです。こうした古い女性観と闘うためにサプーズは群衆に紛れてしまわないようハイブランド服を着るのです。
サプーズの中には娘を持つ母親も少なくありません。「彼女たちが大人になる頃には、女性が生きやすくなる社会にしたい」とそう願うサプーズは、自らが広告塔になりその意思を訴え続けています。
スーツのおしゃれな着こなし方10選
スーツのおしゃれな着こなし方①主流のシルエットにすること
サプールのようにカラフルなスーツを着なくとも、ベーシックなスーツもちょっとした着こなしでグンとおしゃれに見せることができます。まずはスーツの着こなし方に一番大切なのは今主流のシシルエットにすることです。スーツにのフィット感には流行りがあります。
大体10年のサイクルでゆるやかに変わっていくものですが、現在のシルエットは全体的に細身です。ジャケットは2つボタン、短めの着丈が特徴です。パンツはタックは入っておらず腰回りはタイトで、脚部も細く全体的にすっきりとしたシルエットになっています。まずは基本のシルエットを意識することがスタートです。
スーツのおしゃれな着こなし方②似合う色のスーツにする
スーツのおしゃれな着こなし方2番目は似合う色のスーツにしましょう。上下同色のスーツは色の面積にするととても大きなものになります。そのため似合う色のスーツにした方が断然おしゃれな着こなしになります。例えば同じ紺でも明るめなのか暗めなのか、黄み寄りなのか青みよりなのか、ほんの微妙な違いの色があります。
似合うスーツの色を調べるには、「パーソナルカラー診断」があります。女性にはもうおなじみになっていますが、スーツを着る男性にこそ知ってもらうと便利です。似合う色は誠実さや信頼感を生み出し、仕事の成果にも結び付くと言われています。
スーツのおしゃれな着こなし方③ワイシャツにこだわってみる
スーツのおしゃれな着こなし方3番目はワイシャツにこだわってみましょう。最近ではワイシャツをピンクや淡いブルーなど着る男性も増えてきましたが、色はもちろん形やデザインにもこだわってみることもおススメします。例えば通常よりも襟の角度が広いワイドスプレッドや、袖と襟だけ色の違うクレリックシャツなど。
同じスーツを着ていてもVゾーンのデザインや形が変わるだけで、ずいぶんと印象が違って見えます。なかなか自由にワイシャツの色が選べない職場ならさりげなく小さなおしゃれをしてみるのもいいでしょう。まずはカジュアルからストライプシャツに挑戦してみましょう
スーツのおしゃれな着こなし方④ネクタイは得意な柄を見つける
スーツのおしゃれな着こなし方4番目は得意なネクタイの柄を見つけましょう。実はネクタイの柄は顔のパーツの大きさに比例します。目や口などが小さめの方は小さな小紋柄や細いストライプなど、逆に大きな方は大柄や太いストライプが似合います。自分の顔の印象に沿った柄にするとおしゃれな着こなしになりますよ。
毎日着るスーツに合わせるネクタイは、ついつい増えてしまうもの。そんなネクタイにとっておきの収納方法をご紹介します。ぜひ試してみてくださいね。
スーツのおしゃれな着こなし方⑤パンツの丈感に注意!
スーツのおしゃれな着こなし方5番目はパンツの丈感に注意しましょう。スーツのシルエット同様、パンツの丈感も非常に重要です。ビジネスシーンの丈には「ハーフクッション」と呼ばれるパンツの丈が足元でややたわむくらいの丈が理想的です。デキるビジネスマンは靴の高さに合わせてパンツの丈を変えているんですよ。
スーツのおしゃれな着こなし方⑥直線と曲線を揃える
スーツのおしゃれな着こなし方6番目は直線と曲線を揃えるとおしゃれな着こなしになります。例えば眼鏡が直線的な四角い眼鏡だとしたら、ネクタイはドットでなくストライプ、ベルトのバックルも直線的なものを選ぶことで統一感が生まれるのです。
スーツのおしゃれな着こなし方⑦Vゾーンのバランスを考える
スーツのおしゃれな着こなし7番目はVゾーンのバランスを考えることです。スーツ、ネクタイ、シャツ3つの組み合わせは色や柄を意識して選びましょう。例えば色を同色系にしたり、どこか柄や素材などどこかポイントを決めてコーディネートするとおしゃれに仕上がります。
スーツのおしゃれな着こなし方⑧小物をプラス
スーツのおしゃれな着こなし方8番目は小物をプラスすることです。普段のビジネススーツにはなかなか小物を取り入れたりするのは難しいと思いますが、チーフやカフスなどちょっとした小物を効かせるといいですね。クリスマスやイベントなど季節感のあるものを装うとぐっとおしゃれになります。
スーツのおしゃれな着こなし方⑨ストライプスーツを着こなす
スーツのおしゃれな着こなし方9番目はストライプスーツを着こなすこと。ビジネスでは無地が主流ですが、ストライプのスーツをおしゃれに着るとスタイリッシュな装いになります。ポイントは線の太さ。細く狭いストライプは繊細に、太いストライプは華やかで力強い印象を受けます。シーンに合わせて使い分けるといいですね。
スーツのおしゃれな着こなし方⑩チェックスーツを着こなす
スーツのおしゃれな着こなし方10番目の最後はチェックスーツを着こなすこと。派手に思われがちのチェックですが、ビジネス向きのチェックもあります。それがウィンドーペーンという縦横に線を交差させたような柄。シンプルなネクタイよりも却って柄の方が合わせやすいでしょう。
サプールに習うおしゃれの極意
『サプールとは?世界一おしゃれなコンゴの服装やスーツの着こなし方も』はいかがでしたか?サプールのファッションには私たち日本人の感覚とは全く違う生き方や深いメッセージが込められています。
平和な日本ではなかなかファッションにメッセージを込めるという発想にはなりませんが、自分らしさや生き方が表れるファッションは素敵ですね。そんなことを意識してこれからファッションを楽しめると、また違った発見がありそうです。
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