てるてる坊主の由来・起源とは?
てるてる坊主の由来・起源①てるてる坊主とは江戸時代から続く晴天祈願
てるてる坊主の由来・起源の1つ目は、てるてる坊主とは江戸時代から続く晴天祈願の方法の一つだということです。現在の姿は、白い紙、または布で作った丸い人形ですが、昔は折り紙で作った人の形に近いものだったと伝えられています。
晴れになってほしい前日に、軒先などに吊るし、晴天祈願が成就したあとは神酒を供えて川に流すという風習でした。別名「てり雛」と呼ばれることから、お雛様の風習の原型にも近い形だったんですね。昔のお雛様も、悪いことを引き受けてくれる身代わりの紙人形を、川に流すというものでした。
「てるてる坊主」や「てり雛」にあてられる文字は、当然「照る」という漢字ですね。このほかにも「照る照る法師」、「照り照り坊主」、「照れ照れ坊主」など、いろいろな別名が残されています。
POINT
平安時代から続く身代わり人形という説も
平安時代に使われていた「天児(あまがつ)」が、てるてる坊主のルーツではないかという説もあります。天児は、木や竹で十字に作った体の上に、丸い首をのせて服を着せた人形です。子どもの災難を肩代わりすると言われているので、「てり雛」や「雛人形」と関係がありそうですね。
てるてる坊主の由来・起源②中国の風習が起源
てるてる坊主の由来・起源の2つ目は、中国の風習が起源となっていることです。赤または緑の切り紙で作った「掃晴娘(さおちんにゃん)」という人形を、晴天を願いながら飾る風習です。13世紀ごろの中国に、すでに存在していました。手に必ず箒を持っており、悪天候の折には、雲を掃き飛ばしてくれると信じられています。
また、さらに由来を調べてみると、龍王の生贄となった少女の伝説へと行き着きます。かつて大雨に悩まされた中国の都市に、天から「龍王の妃となる娘を捧げるように」というお告げが下りました。娘を捧げなければ、雨で都市を沈めてしまうという天の声に、一人の少女が犠牲になることが決まったのです。
少女が天へと召されたとたん、箒で掃いたかのように、雨雲が消え去ったと伝えられています。残された人々は、切り紙が得意だったという少女にあやかって、紙で作った人形を飾るようになりました。日本には、江戸時代ごろに伝わったとされています。
POINT
中国にはてるてる坊主が逆輸入
掃晴娘のおまじないは、中国ではかなり古い風習になっています。逆に、てるてる坊主がアニメ『一休さん』の影響によって中国で広まったことから、知名度は同じぐらいではないかと考えてられています。文化が融合して、てるてる坊主型の掃晴娘が見られるケースもあるようです。
てるてる坊主の由来・起源③日照りの祈願が坊主の由来
てるてる坊主の由来・起源の3つ目は、日照りの祈願が「坊主」の名前の由来となったことです。中国から入ってきた「掃晴娘」から、「てるてる坊主」へと姿を変えたのは、もともと日本では、日照りの祈願を行うのが僧侶であったことが関係していると考えられています。
また、晴天祈願にまつわる、坊主の恐ろしい伝説も残っています。とある長雨に悩む地域で、一人の僧侶が、お殿様に晴天祈願を命じられたというものです。お経を唱えると、必ず晴天になると評判の僧侶でしたが、このときに限って雨がやむことがありませんでした。祈願の失敗に腹を立てた殿様は、僧侶の首をはねてしまいます。
このとき、はねた首を布で包んで吊るしたところ、あっという間に快晴になったというのです。僧侶の伝説に由来して、現在の形になったとも言われています。丸い頭部は、頭を丸めた僧侶の首、ひらひらとした体部分は僧侶の衣を示していると考えると、一気にホラーになりますね。
POINT
童謡の『てるてる坊主』もホラー
「明日天気にしておくれ~」という歌詞で有名な童謡『てるてる坊主』には、あまり知られていない歌詞があります。天気にならず曇っていたら「首をチョンと切ってしまう」というものです。僧侶の伝説を連想させる歌詞ですね。
【番外編】てるてる坊主以外におすすめの晴れるおまじないは?
晴れるおまじない①靴を飛ばす
晴れるおまじないの1つ目は、靴を飛ばす方法です。履いている靴を飛ばして、落ちたときの状態が表であったら晴れ、靴底が見える裏であったら雨という遊びがありますね。明日の天気を占うための方法だと思われがちですが、実は欠けているお作法があります。お作法を完全にこなすと、晴れるためのおまじないとなるのです。
- 1「明日天気になあれ」と口にして右足の靴を飛ばす
- 23回続けて「晴れ」の結果が出るまで続ける
- 3同じ手順を左足の靴でも行う
- 4「明日は太陽の恵みが受けられますように」と唱える
- 5飛ばした靴を、感謝しながらキレイにぬぐう
靴をとばすおまじないの手順
晴れるおまじない②手鏡を使って願う
晴れるおまじないの2つ目は、手鏡を使って願うものです。日本の太陽神といえば「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」ですね。太陽神の力にあやかって、晴れてほしい日の前日の夜と、当日の朝に行います。日本酒を入れたコップや、炊いたお米といったお供えものも一緒に、南の窓に準備すると良いとされています。
- 1前日の夜に手鏡に向かって晴れを願う
- 2手鏡を枕元に置いて眠る
- 3当日の朝に手鏡に向かって晴れを願う
- 4手鏡に、太陽の光を反射させる
- 5手鏡に感謝してお供え物はいただく
鏡を使って願う手順
晴れるおまじない③呪文を唱える
晴れるおまじないの3つ目は、呪文を唱えるものです。なんとなく語呂がよい「カムイパパイヤアホーイヤ」という言葉を口にすると絶対に雨が降らないと言われています。夜寝る前に、空を見ながら唱えると良いでしょう。語源はアイヌ語という説もありますが、定かではありません。
夜寝る前にできるおまじないは、意外とたくさんあります。晴れを願うものだけではなく、他のおまじないも試してみたいと思った方は、こちらの記事で特集されているものはいかがでしょうか。恋愛に効果があると言われる、夜寝る前にできるものがまとめられています。
晴れるおまじない④精霊さんにキャンディを捧げる
晴れるおまじないの4つ目は、精霊さんにキャンディを捧げるものです。丸いキャンディをアルミホイルで包み、端を赤い糸で結びます。夜になるのを待って、てごろな木に吊るしながら「精霊さん、お願いします。明日の太陽をバラ色に」と願いましょう。素敵なバラ色の明日になるかもしれません。
晴れるおまじない⑤晴れ男&晴れ女を誘う
晴れるおまじないの5つ目は、晴れ男または晴れ女と呼ばれる人を誘う方法です。大きなイベントのときに出かけても、絶対に雨と遭遇しないという、お天気に関する幸運にあやかりましょう。仲の良い知り合いに、晴れ男&晴れ女がいる人限定のおまじないとなりますね。デートのときはダブルデートにすればOKかもしれません。
お天気のことで願うのは、晴れの日だけではありませんね。どうしても、雨になってほしい日だって存在します。晴れるおまじないがあるのなら、当然、雨になるおまじないもありますよ。こちらの記事で、いろいろな方法を紹介しているので、気になったものを試してみましょう。
正しいてるてる坊主のおまじないの方法
正しいおまじないの方法①てるてる坊主に顔は描かない
正しいおまじないの方法の1つ目は、てるてる坊主に顔は描かないというものです。のっぺらぼうのまま吊るしておき、晴れになったときに感謝の気持ちを込めて顔を描きます。吊るす前に顔を描いてしまうと、雨になってしまうとも言われているので、注意しましょう。
正しいおまじないの方法②吊るす方角は南側
正しいおまじないの方法の2つ目は、吊るす方角は南側が良いというものです。他の方角でも良いのですが、太陽がよくあたる方向に置いておくほうが、願いが叶いやすくなります。昔は軒先に吊るしていましたが、軒先がない場合は、窓際など太陽がよく見える場所に吊るせばOKです。
正しいおまじないの方法③雨を願うなら逆さにする
正しいおまじないの方法の3つ目は、雨を願うなら逆さにするというものです。「逆さてるてる坊主」とも「ふれふれ坊主」とも呼ばれる方法で、頭を下にして吊るすと雨を招くおまじないになります。また、曇りにしたい場合は、横向きになるように吊るすというケースもあります。紫外線が強いときに試してみませんか?
正しいおまじないの方法④願いが叶ったら感謝する
正しいおまじないの方法の4つ目は、願いが叶ったら感謝をすることです。てるてる坊主に顔を描いたあとに、日本酒などを捧げて感謝の気持ちを伝えましょう。処分するのは、感謝をしてからです。
また、願いが叶わなくても、そのまま捨ててはいけないとされています。顔を描かずに箱などに入れて処分しましょう。次こそは願いが叶いますようにという気持ちを込めて、処分すると良いとされています。
てるてる坊主に感謝して晴れを招こう
コロンとした丸い姿が愛らしいてるてる坊主ですが、いろいろと悲しい由来や起源が隠されていました。遠足や運動会の前に、気軽に使っていたおまじないですが、伝説を知ってしまうと、粗末に扱えなくなってしまいます。
てるてる坊主を吊るすときは、願いが叶っても叶わなくても、力を貸してくれたことに対する感謝を忘れないようにしたいですね。その他の、晴れるおまじないでも同様に、感謝をしながら晴れの日を迎えましょう。
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