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春の俳句で桜を入れた有名な俳句は?

春の俳句で桜を入れた有名な俳句①散る桜残る桜も散る桜

桜のはかなさが感じられる

春の俳句で桜を入れた有名な俳句の1つ目にご紹介するのが「散る桜残る桜も散る桜」という俳句です。こちらは江戸時代の曹洞宗の僧侶で歌人でもあった良寛和尚による辞世の句といわれています。

「今はどんなに美しく咲き誇っている桜であっても、いつかは必ず散る」という意味であり、生きとし生ける者全てが持つ「命」には限りがあるということを表しています。桜のはかなさとともに、力強さも感じる俳句といえます。

春の俳句で桜を入れた有名な俳句②朝桜みどり児に言ふさやうなら

別れの季節に桜を合わせた俳句

春の俳句で桜を入れた有名な俳句の2つ目にご紹介するのが「朝桜みどり児に言ふさやうなら」です。こちらは中村草田男による春の俳句であり「みどり児(=幼い子ども)」への別れの言葉を表現した俳句です。この子どもが誰なのかは不明ですが、別れの季節でもある春らしい俳句の1つです。

春の俳句で桜を入れた有名な俳句③糸桜こやかへるさの足もつれ

桜の美しさに見とれる様子

春の俳句で桜を入れた有名な俳句の3つ目にご紹介するのが「糸桜こやかへるさの足もつれ」です。こちらは俳聖としても知られている松尾芭蕉の俳句であり、俳句に登場する「糸桜」とはしだれ桜を意味しています。大胆な美しさを持つしだれ桜に見とれていたら、足がもつれてしまったというシーンを表現しています。

春の俳句の例文一覧13選

春の俳句の例文一覧①白梅に明くる夜ばかりとなりにけり

梅の香りがイメージできる俳句

春の俳句の例文一覧として1つ目にご紹介するのが「白梅に明くる夜ばかりとなりにけり」です。こちらは俳人・蕪村による俳句の1つであり、蕪村の辞世の句とされています。雅な香りの白梅から夜を迎えるのだという意味です。病に苦しみながらも、かつて松尾芭蕉に憧れた蕪村らしい俳句です。

春の俳句の例文一覧②雪とけて村いっぱいの子どもかな

元気いっぱいの子供達が想像できますね

春の俳句の例文一覧として2つ目にご紹介するのが「雪とけて村いっぱいの子どもかな」です。小林一茶によるこちらの春の俳句は、春になって一面の雪が溶けるのを待ちかねていた子ども達が、外に飛び出して遊んでいる様子を表現した俳句です。元気いっぱいに走り回る子ども達の様子に思わず笑顔になる俳句です。

春の俳句の例文一覧③春風や闘志いだきて丘に立つ

元気をもらえる俳句の1つ

春の俳句の例文一覧として3つ目にご紹介するのは「春風や闘志いだきて丘に立つ」という俳句です。高浜虚子により作られたこちらの俳句は、春の風を感じながらこれから勇ましく闘おうと決心する様子を表現した俳句となっています。卒業・入学・就職・転職などを通して新しい舞台に立った人へ贈りたい俳句の1つです。

春の俳句の例文一覧④朝夕に雫のふとるこのめ哉

春らしい植物を用いた俳句

春の俳句の例文一覧として4つ目にご紹介するのが「朝夕に雫のふとるこのめ哉」です。こちらの俳句は加賀千代女により作られたものであり、新しく花を咲かせる木の芽を用いて、春の訪れに対するワクワク感をイメージさせるような俳句となっています。桜なのか梅なのか、どんな香りの花を咲かせるのかも気になりますね。

春の俳句の例文一覧⑤春雨やものがたりゆく蓑と傘

春雨だからこその風景

春の俳句の例文一覧として5つ目にご紹介するのが「春雨やものがたりゆく蓑と傘」です。有名な俳人・蕪村が作ったこちらの春の俳句は、春雨が降るなかで並んで歩く人の様子を表現した俳句です。それぞれ持っている物が蓑と傘ということから、違う身分の人という可能性もありますが、実に仲の良さそうな雰囲気が魅力的です。


春の俳句の例文一覧⑥春や昔十五万石の城下哉

あらためて訪れるからこそ見える風景もある

春の俳句の例文一覧として6つ目にご紹介するのが「春や昔十五万石の城下哉」です。明治時代の有名な俳人・正岡子規により作られたこちらの春の俳句は、記者として戦争に従軍する子規が故郷に帰省した時に作ったとされている俳句です。暗いイメージの俳句が多い子規ですが、こちらはノスタルジックな雰囲気が漂っています。

春の俳句の例文一覧⑦梅が香にのっと日の出る山路かな

立体的な風景がイメージできる

春の俳句の例文一覧として7つ目にご紹介するのが「梅が香にのっと日の出る山路かな」です。松尾芭蕉によって作られたこちらの春の俳句は、春先の山道の様子を美しく表現しており、夜明け前の神秘的な雰囲気がイメージできる俳句となっています。

春の俳句の例文一覧⑧猫の恋やむとき閏の朧月

春の俳句で猫はよく用いられる

春の俳句の例文一覧として8つ目にご紹介するのが「猫の恋やむとき閏の朧月」です。松尾芭蕉により作られたこちらの春の俳句は、春の夜の時間経過が立体的に表現されており、春先でパートナーを探して鳴く猫に感化されて、少々人恋しくなってしまうという、何ともユニークな俳句の1つです。

春の俳句の例文一覧⑨春雨や二葉に萌ゆる茄子種

生命を育む春

春の俳句の例文一覧として9つ目にご紹介するのが「春雨や二葉に萌ゆる茄子種」です。松尾芭蕉が作ったこちらの春の俳句は、伊賀上野を舞台としており、芽吹いた茄子の種に春雨が優しく降り注いでいる様子を表現しています。生命を育む季節である春らしい雰囲気の俳句の1つです。

春の俳句の例文一覧⑩愚に暗く茨を掴む蛍かな


植物や蛍を用いたユニークな俳句

春の俳句の例文一覧として10つ目にご紹介するのが「愚に暗く茨を掴む蛍かな」という俳句です。こちらは松尾芭蕉によって作られた俳句であり、俳句に登場する「愚に暗く」とは「自分が愚かであることがわからない」という意味です。蛍を捕るつもりが茨を掴んでしまったというなんともコミカルな俳句となっています。

春の俳句の例文一覧⑪行く春や鳥啼き魚の目は泪

春の終わりを表現した俳句

春の俳句の例文一覧として11つ目にご紹介するのが「行く春や鳥啼き魚の目は泪」です。松尾芭蕉によって作られたこちらの俳句は『奥の細道』にも登場しており、花が美しく咲き誇る季節である春の終わりに対する名残惜しい様子を表現しています。

春の俳句の例文一覧⑫校塔に鳩多き日や卒業す

卒業式をテーマとした俳句

春の俳句の例文一覧として12つ目にご紹介するのが「校塔に鳩多き日や卒業す」です。中村草田男によって作られたこちらの春の俳句は、中学生・高校生などには一大イベントでもある卒業式の様子を表現しています。時計台に集まったたくさんの鳩がまるで卒業していく学生達を祝ってくれているような優しい俳句です。

春の俳句の例文一覧⑬たんぽぽや日はいつまでも大空に

たんぽぽならではの可愛らしい俳句

春の俳句の例文一覧として13つ目にご紹介するのが「たんぽぽや日はいつまでも大空に」です。こちらの俳句は昭和を代表する女流俳人・中村汀女によって作られたものであり、何気ない日常のワンシーンを表現しています。桜や梅ではなく、あえて身近な「たんぽぽ」を用いていることもあり、親近感のある一句です。

中学生向け!春の俳句の作り方や季語の入れ方は?

中学生向け!春の俳句の作り方や季語の入れ方①575のリズムに乗せて作る

実際に書いてみよう

中学生に向けた春の俳句の作り方や季語の入れ方として1つ目にご紹介するのが「575のリズムに乗せて作る」ことです。俳句の作り方において5・7・5の全17音は基本であり、音のリズムに合わせた単語や季語を使います。

音の数は読んだ時に違和感がない程度であれば異なっていてもかまいません。規定の音数より少ない場合は「字足らず」、多い場合は「字余り」と呼ばれています。より作品の印象を強めるために、あえて字足らず・字余りにする場合も多いですが、中学生や高校生で初めて俳句を作る時には、基本の音数を意識すると良いでしょう。

中学生向け!春の俳句の作り方や季語の入れ方②イメージから題材を見つける

テーマは何でも良い!

中学生に向けた春の俳句の作り方や季語の入れ方として2つ目にご紹介するのが「イメージから題材を見つける」ことです。中学生や高校生になって初めて俳句を作るという方にとっては「どんな内容にしたら良いか分からない…」という場合も多いことでしょう。そこでまずは「自分の作りたいイメージ」を書き出してみましょう。

自分が好きな風景や恋愛はもちろん、学校での様子・旅行での思い出など、俳句のテーマは基本的に何でもかまいません。そのため、自分にとって作りやすいイメージやテーマを選びましょう。また実際に俳句を作り始める時にはイメージをより広げるために、関連語を書き出しておくと良いでしょう。

中学生向け!春の俳句の作り方や季語の入れ方③季語は季節のズレに注意

季節によって使える単語は違う!

中学生に向けた春の俳句の作り方や季語の入れ方として3つ目にご紹介するのが「季語は季節のズレに注意」ということです。俳句の作り方において最も重要視される「季語」は基本的に『歳時記』という辞書に基づいていており、5000以上もの季語が存在しています。

桜などといった、まさに「春」を代表する単語ならわかりやすいですが、春の季語のなかには蛙・雪崩などといった季語のように、現在のイメージとは異なる季節の季語として設定されているものも多く、中学生が間違いやすいポイントです。以下に俳句を作る時によく用いられる春の季語を掲載していますので参考にしましょう。

    俳句によく用いられる春の季語集

  • 植物…桜・梅・牡丹の芽・パンジー・菜の花・柳・伊予柑
  • 動物…蛙・猫・雀の子・雲雀(ひばり)・わかさぎ
  • 天文系…春嵐・蜃気楼・春の月・霞・東風(こち)
  • 時候系…立春・旧正月・春分・彼岸

春の季語を使って俳句を作ってみよう!

桜や梅などといった花が咲き誇り、入学・卒業などといったイベントも満載な季節である春は、俳句を作るには持って来いの季節といえます。今回ご紹介した有名な春の俳句や例文も参考にしながら、ぜひあなたのオリジナルの俳句を作ってみましょう。

春とはまた一味違った雰囲気やイベントがある季節の1つが「夏」です。旅行・行楽シーズンともいえる夏を表現した季語や有名な俳句も存在しています。関連記事では、夏の有名な俳句を紹介するとともに、中学生・高校生向けの夏の俳句の作り方や季語の入れ方も解説していますので、こちらもぜひ参考してみてくださいね。

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