Icon search 36px


聚楽壁とは?素材や特徴も

聚楽壁とは京都を代表する最高級の土壁

聚楽壁とは、京都を代表する土壁です。土壁の中でも、聚楽壁は最高級だと言われています。古くからある、歴史的建造物に施行されている伝統的な仕上げ用の土壁です。京都の聚楽第の跡地付近から採取できる、良質な土を使用したことから、聚楽壁という名前が付けられました。

京都の聚楽第とは、安土桃山時代に豊臣秀吉が邸宅として建築した建物です。最近では、聚楽壁と似た風合いに仕上げられた壁も、聚楽壁と呼ばれます。

土壁は、和風建築の伝統的な壁です。土壁である聚楽壁以外にも、土壁の種類があります。土を素材としている土壁は、大津壁や錆砂壁、最近注目を集めている珪藻土などがあります。その中でも国内最高級の聚楽壁は、土壁の最高峰です。

京壁といえば聚楽壁

土壁といえば、和室の京壁と言われる位、京都の土壁は伝統的な技術です。その中でも最高峰の聚楽壁は、京都ならではの繊細な技が光る、有名な施行方法となっています。その為、現在では京壁=聚楽壁という表現が定着しているのです。

本来の聚楽壁の素材は希少な聚楽土

現在は、土壁や京壁をひとまとめに、聚楽壁という言い方をしますが、本来の聚楽壁は、現在では手に入れる事が困難な、本聚楽土を素材とした土壁や京壁を、聚楽壁と呼んでいました。京都の聚楽第跡地付近から採取されていた良質な土が聚楽土です。

聚楽土が採取されていた土地は、多くの建物が建ち、地下を掘って採取する聚楽土は採取が非常に難しくなっています。今では、ごくわずかな地域でしか採取できません。その為、現在出回っている聚楽土は、土をブレンドし、聚楽土に非常に似た風合いに仕上がる、聚楽土風のものがほとんどです。

そして、本物の聚楽土を見分けられる人は、今では数名しかいない現状です。ブレンドして作られた土を使用した聚楽壁も、立派な聚楽壁ですので、良質な土壁に変わりはありません。

聚楽壁の特徴①美しい仕上がり


聚楽壁の特徴1つ目は、美しい仕上がりです。聚楽壁は、砂の目が綺麗に揃い、とても美しい壁に仕上がります。また、混ぜる土のブレンドによって、様々な色合いを出し、暖かみを感じられる風合いの壁です。質感をを綺麗に出すには、熟練の技術が必要で、簡単に出来る施工ではありません。

経験豊富な左官職人さんが、手作業で行っており、クロスや塗装の壁とは異なる柔らかな質感や、風合いを出す事が出来ます。聚楽壁の表面は、ザラザラとした触り心地です。

聚楽壁の特徴②様々な利点がある

聚楽壁の特徴2つ目は、様々な利点です。聚楽壁は、湿度を調節してくれる調湿性、火災時に安心な防火性、音を抑える吸音性、暑さや寒さに対応する断熱性など、様々な利点が揃った壁です。

また、聚楽壁は空気中の有害物質を吸収します。自然の素材を利用して作られる壁が、こんなにも多くのメリットを持っている事に驚きます。

聚楽壁の特徴③欠点は劣化

聚楽壁の特徴3つ目は、劣化が欠点である事です。きめ細かい砂壁状の聚楽壁は、劣化によるひび割れや、表面の砂が落ちるなどの欠点があります。劣化が更に進むと、剥がれ落ちてしまう事もあります。また、クロスや塗装の壁に比べ、施行に費用と時間がかかる欠点もあります。

聚楽壁にするといい部屋は?

聚楽壁は和室のリビングに向いている

聚楽壁は、リビングに向いている壁です。聚楽壁の特徴である、断熱性や吸音性を生かすことが出来るからです。家族が集まるリビングは、1日の内で多くの時間を過ごします。断熱性に優れた聚楽壁は、夏は涼しく、冬は暖かく室温を保ってくれます。暖かみのある聚楽壁で、気持ちもリラックス出来ます。


長い時間を過ごすリビングで、空気中の有害物質を吸収してくれる聚楽壁は、健康面でも、安心を与えてくれます。流行の和モダンなどのリビングに聚楽壁の壁はとてもお洒落な空間です。

聚楽壁は洗面脱衣所に向いている

聚楽壁は、洗面所や脱衣所にも適しています。湿気が多い水周りに聚楽壁を施行する事で、湿度を調節することが出来ますので、カビの発生を予防することが可能になるのです。聚楽壁は、水に強い性質があるので、洗面所や、脱衣所にも安心して施行出来ます。

聚楽壁は玄関に向いている

聚楽壁は、玄関に向いている壁です。玄関は、外からの出入りがある場所ですので、空気中の有害物質を吸収してくれる聚楽壁は、とても頼れる存在です。戸の開け閉めもあるため、断熱性も助かる利点です。見た目の特徴からも、玄関を開けて聚楽壁の美しい壁が目に移ると、こだわりのある、上質な住宅感があります。

和室の壁に良く施行されている聚楽壁ですが、和室のインテリアは、どのようにされていますか?昔風の和室でも、センス良くコーディネートすると、おしゃれな和モダンスタイルの部屋にする事が出来ます。もしご自宅に和室がある方は、下記の記事を参考に、素敵な和室のインテリアにこだわってみて下さい。

関連記事

和室のおしゃれなインテリア18選!畳部屋の和モダン家具の実例も

和室のおしゃれなインテリアについてご紹介しています。和室に合うおしゃれ

Small thumb shutterstock 637113457

聚楽壁のリフォーム方法2選とかかる費用

聚楽壁のリフォーム方法①塗り替えで補修する

聚楽壁のリフォーム方法1つ目は、塗り替えで補修する方法です。劣化でヒビが入ってしまったり、表面の砂が落ちる状態の聚楽壁は、塗り替えでリフォームや補修が出来ます。聚楽壁などの土壁は、専門の左官業者さんへ依頼する事をおすすめします。元々の聚楽壁に、同じく天然素材の珪藻土を塗り替える方法もあります。

    聚楽壁の塗り替え手順

  1. 1塗り替えを行う部屋の家具を中心に寄せ集めるか、他の部屋へ移動する。
  2. 2柱に聚楽が付かないように、養生する。
  3. 3剥離剤を塗り、古い聚楽を剥がす。
  4. 4ひび割れを補修する。
  5. 5下塗りを行い、数日間乾燥されてしっかりと乾かす。
  6. 6聚楽を塗り、仕上げる。

塗り替えで補修する場合のリフォーム費用

費用

塗り替えで補修するリフォーム費用は、施行する部屋の広さや、劣化の状態で変わります。また、業者によってもリフォーム価格に差がありますので、数件に見積もりを依頼してみると良いです。技術が必要な作業なので、安心してお願い出来る業者を探しましょう。同じ部屋の広さでも、壁の状態によって価格に差があります。

また、和室の場合は床の間の有無でも、リフォーム費用が変わります。床の間がある場合、その分施行面積が広くなる為、1~3万円程高くなります。また、ブレンドして作られている聚楽土にも種類があります。使用する聚楽土の種類によっても、価格が違います。洋室にも施行可能です。

聚楽壁の塗り替えリフォーム費用の例

和室6畳 54,000円~89,000円
和室8畳 60,000円~110,000円

漆喰や珪藻土への塗り替えが可能

劣化した聚楽壁の塗り替えは、同じ聚楽壁に塗り替える他に、カビを防止することができる漆喰や、脱臭性が優れている珪藻土への塗り替えが可能です。漆喰や珪藻土への塗り替え費用は、12万円〜20万円程です。

聚楽壁のリフォーム方法②塗装で補修する

聚楽壁のリフォーム方法2つ目は、塗装で補修する方法です。聚楽の塗り替えは、技術が必要なため、自分でDIYを行うのが 難しいですが、ペンキの塗装なら、頑張ればDIYが可能です。聚楽壁を塗装すると、表面の土が落ちにくくなり、施行日数も塗り替えよりも短期間で完了します。

塗装によってリフォームすると、聚楽壁の特徴である、優れた調湿性は失われ、一度塗装すると、元の聚楽壁に戻すことは難しいです。メリットやデメリットを理解し、リフォーム方法を選択して下さい。

塗装で補修する場合のリフォーム費用

費用

聚楽壁の塗装リフォームを業者へ依頼する場合のリフォーム費用は、6畳和室で6万円〜10万円程かかります。自分でDIYをする場合の費用は約3万円程です。塗り替えよりも、比較的安くリフォームが可能ですよ。

聚楽壁の塗装リフォームDIY

業者へ依頼せずに、自分でDIYをする場合は、費用を安く抑える事が出来ます。必要な材料は、下地用水性シーラー、水性シールパテ、水性ペンキです。水性ペンキは、仕上がりの段差が目立ちにくい、「ツヤケシ」がおすすめです。

    聚楽壁の塗装DIY手順

  1. 1聚楽壁の表面に、霧吹きで水をかけ、柔らかくします。
  2. 2柔らかくなった表面の聚楽を、ヘラで剥ぎ落とします。
  3. 3濡らした雑巾で、綺麗に拭き取ります。
  4. 4下地を固める、下地用水性シーラーを塗ります。
  5. 5乾いたら、水性シールパテで表面を平らに整えます。
  6. 6パテが乾いたら、ヤスリをかけます。表面の段差が無くなるまで、パテとヤスリを繰り返します。
  7. 7パテの粉を取り除き、水性ペンキを塗ります。

元の聚楽壁を触っても、ボロボロと剥がれ落ちない状態の場合は、聚楽壁を剥がさずに、下地用シーラーから行うことが出来ます。状況によって、見極めが必要です。

和室に合う聚楽風クロス

住宅の壁材で最も多く使用されているクロスは、様々な色や柄があります。和室の雰囲気に合う、土壁柄のクロスや、聚楽風クロスなどもあり、好みで選ぶことが出来ます。また、費用も比較的安く抑える事が出来ます。塗り替えや、塗装に加え、クロスに張り替えもおすすめです。

和室のリフォームを検討されている方におすすめな記事があります。下記の記事でも、リフォームやDIY についてご紹介しています。和室ならではの押入れのリフォーム方法は必見ですよ。

関連記事

押入れのDIY11選!和室のリフォーム改造や収納の作り方も

こちらの記事では押入れのDIYや、和室のリフォームをご紹介します。和室

Small thumb shutterstock 489393994

本物志向は聚楽壁

京都の伝統的な土壁である、聚楽壁は、価格面や補修が必要な面がありながらも、現在でも人気が高い壁です。本物志向のこだわりがある方は、今でも聚楽壁を大切にしています。高い技術が必要な為、きめ細かく美しい仕上がりに出来る職人の数も多いありません。また、本来の本聚楽土も採取が難しい現状です。

日本の伝統的な素材や技術が途絶えないようにと、願っています。古民家リノベーションや、和室から洋室へのリフォームなどでは、聚楽壁以外の壁へのリフォームもとても良い方法ですが、あえて聚楽壁を残し、粋な雰囲気の和モダンスタイルもいかがでしょうか?


商品やサービスを紹介する記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。

KEYWORD

関連のキーワード


NEW

新着記事


RANKING

人気の記事