一段落の正しい読み方は?
一段落の正しい読み方は「ひとだんらく」でなく「いちだんらく」
一段落の正しい読み方は「いちだんらく」です。「ひとだんらく」と読んだ方も多いのではないでしょうか。中には自信を持って、「いちだんらく」なんて周りで誰も言っていないし「ひとだんらく」に決まってる!と感じた方もいるのでは。
近年の女性向け雑誌の調査では、65%もの人が、正解の「いちだんらく」ではなく「ひとだんらく」と読んでいたそうです。20年以上前の放送局の調査では、「いちだんらく」と読む人が8割で「ひとだんらく」と読む人が2割だったそうです。年月を経て、若い世代中心に、誤った読み方を使う人が増えてきたようです。
「いちだんらく」が正解だが「ひとだんらく」という読み方が定着している
一段落の読み方は「いちだんらく」が正解で、「ひとだんらく」は誤りです。ただ、かなり多くの人が誤った読み方「ひとだんらく」を使っていることから、「慣用読み」、という位置づけになりつつあります。「慣用読み」とは、本来は誤りであった読み方の方が広く定着したことから、認められるようになってきた読み方です。
「輸入」は「しゅにゅう」が正解ですが「ゆにゅう」が定着、「堪能」は「かんのう」が正解ですが「たんのう」が定着しています。「一段落」については、辞書の一部で「ひとだんらく」の項目を設けて、「いちだんらく」の誤った読み方だが、話し言葉で使われることが多い」という解説を載せているものがあります。
現時点では、放送局は「いちだんらく」のみを採用しています。「ひとだんらく」は、広まってきてはいるけれど誤り、という状態です。年配の方は「いちだんらく」と正しく使う人が多いです。ビジネスシーンや目上の方との会話では、相手が「ひとだんらく」と言った時以外は、「いちだんらく」を用いるのが賢明です。
「いちだんらく」を「ひとだんらく」と読み方を間違えてしまう理由
「いちだんらく」を「ひとだんらく」と読み間違えてしまう理由は、「一」という漢字を「ひと」と読むケースが多いことだと考えられます。「一安心」は「ひとあんしん」、「一呼吸」は「ひとこきゅう」、「一区切り」は「ひとくぎり」と読みますね。そのため「一段落」も「ひとだんらく」と読んでしまう人が多いのでしょう。
読み方で悩む漢字は他にもたくさんありますね。「漸く」は、何と読むか知っていますか?少し不安になった方は、こちらの関連記事も読んでみましょう。
一段落の意味は?
一段落の意味①文章などの一つの段落
一段落の意味1つ目は、文章などの一つの段落です。文章のまとまりである、段落の数を数える時に「一段落」と言いますね。この時の読み方を「いちだんらく」として、言い回しとして使う場合を「ひとだんらく」だと思っていた方もいるのではないでしょうか。くどいようですが、どちらで用いる場合も「いちだんらく」です。
一段落の意味②物事が片付くことや一区切り
一段落の意味2つ目は、物事が片付くことや一区切りのことです。1つの段落の終わりが文章の節目であるように物事の切れ目や境目、区切りに到達して落ち着いた状態を指す意味で使います。
これまで続けていた仕事、勉強、作業、家事、スポーツなどの動作が、区切りのよいところに達したという意味で「一段落」を用います。また、気候などが継続していた状態から節目に達して切り替わる意味でも用いられます。
一段落の使い方は?
一段落の使い方①一段落
「一段落」の使い方1つ目は、名詞単独での使い方です。「この仕事を終えれば一段落。」などのような使い方になります。「一区切り」など名詞1単語に置き換えられますね。
一段落の使い方②一段落つく
「一段落」の使い方2つ目は、「一段落つく」と「つく」を加えた使い方です。「一段落つく」「一段落ついた」「一段落つかない」などのように「つく」の部分を変化させて活用します。この時の「つく」は漢字「着く」や「付く」ではなくひらがなです。
一段落の使い方③一段落する
「一段落」の使い方3つ目は、「一段落する」と「する」を加えた使い方です。「一段落する」「一段落したら」「一段落しない」などのように「する」の部分を変化させて活用します。
一段落の類語は?
「一段落」の類語①区切り
一段落の類語1つ目は、「区切り」です。「一段落」の「一時的な、無活動状態」という意義からの類語になります。このような意義では、他に「句切り」、「区切りめ」、「間断」、「絶え間」などが類語表現となります。
また、「一段落つく」、「一段落する」の類語で、このような意義をもつものとしては、「一区切りつく」、「節目を迎える」などがあります。
「一段落」の類語②一休み
一段落の類語2つ目は、「一休み」です。「一段落」の「何かが一時的に停止されている、休止時間」という意義からの類語になります。このような意義では、他に「一息」、「休止期」、「中休み」、「ブレイクタイム」、「ポーズ」などが類語表現となります。
また、「一段落つく」、「一段落する」の類語で、このような意義をもつものとしては、「一息つく」、「一服する」、「休憩する」などがあります。
「一段落」の類語③停止
一段落の類語3つ目は、「停止」です。「一段落」の「活動を一時的にやめる」という意義からの類語になります。このような意義では、他に「中断」、「一時停止」、「休む」、などが挙げられます。
また、「一段落つく」、「一段落する」の類語で、このような意義をもつものとしては、「幕を引く」、「終息する」、「収束する」、「鎮静化する」、「解決する」、「終止符が打たれる」、「帰着する」、「落ち着く」、「影を潜める」などがあります。
一段落を使った例文18選
一段落を使った例文①テストが一段落
一段落を使った例文1個目は、「つく」、「する」を加えない「一段落」の使い方です。学生同士の会話のシーンです。「一夜漬け続きで身体がボロボロだよ。でも、今日のテストが終われば、一段落だね。」のように使います。
「例文18個も読まなくていいかな。」と思った方はいませんか。「ひとだんらく」だと思っていた方は、改めるチャンスです。例文を目で追いながら「いちだんらく」と心の中で読んでみましょう。声が出せる環境の場合は読み上げるのもいいですね。18個読み終える頃には、「いちだんらく」と自然に読めてくることでしょう。
もちろん、読み方は正しく「いちだんらく」と読んでいたけれど、使い方をしっかり知りたいという方も、例文集として、活用してくださいね。
一段落を使った例文②文章の区切りの意味での一段落
一段落を使った例文2個目は、「つく」、「する」を加えない「一段落」の使い方です。ビジネスでの会話シーンです。「課長、企画書の冒頭の一段落は、重要だと思うので、今の内容で良いか確認して頂いていいでしょうか。」のように使います。
こちらは、元々の意味である、文章のまとまりとしての「一段落」の使い方をした場合の例文になります。文章を指しているのか、言い回しとして使っているのかは、前後の会話の流れで判断しましょう。
一段落を使った例文③職場のキャンペーンが一段落を告げる
一段落を使った例文3個目は、「つく」、「する」を加えない「一段落」の使い方です。職場での役職者の挨拶シーンです。「春から社員一丸となって計画してきたキャンペーンイベントの第一弾が無事終わり、一段落を告げましたね。これからは第二弾に向けて、準備を進めていきましょう。」のように使います。
一つの区切りがついた、という意味で使用していますね。この例文のように、「一段落を告げる」という使い方をすることもあります。
一段落を使った例文④噂が一段落を告げる
一段落を使った例文4個目は、「つく」、「する」を加えない「一段落」の使い方です。友達同士の電話シーンです。「そういえば、先月言ってた先輩の黒い噂って結局どうなったのさ。」「周りでは噂も一段落を告げたみたいでさ。何事もなかったかのようになってるよ。本人がきっぱり否定したんだって。」のように使います。
「一段落を告げる」という使い方です。噂や騒動など、しばらく続いていたものが、落ち着いた時にも、活動の収束、というニュアンスで一段落を使うことがあります。
一段落を使った例文⑤仕事の作業が一段落
一段落を使った例文5個目は、「つく」、「する」を加えない「一段落」の使い方です。職場での同僚との会話シーンです。「今週仕上げなきゃいけない書類の山だよ。でもとりあえずこれを打ち終えたら、今日が納期の分は一段落。」「頑張れー。私もあと少しで今日の分、終わるから、ランチは外に行こう。」のように使います。
日常的には、それまで進行していた仕事や勉強、作業に一つの区切りがついたことを指す使い方で「一段落」を使うことが多いですね。
一段落を使った例文⑥子育てが一段落つく
一段落を使った例文6個目は、「一段落つく」という「つく」を加えた使い方です。奥様たちの会話シーンです。「奥さんのところは三番目のお子様いくつになったの?」「18歳よ。この春から大学生。県外に行くのよ。これで子育ても一段落ついたわ。」のように使います。
「子育て」という、それまで継続していた状態に一区切りがついたのですね。このように、ライフステータスの節目の意味で「一段落」を使うことがあります。
一段落を使った例文⑦バイトの作業が一段落つく
一段落を使った例文7個目は、「一段落つく」という「つく」を加えた使い方です。飲食店バイトでの会話シーンです。「10卓に座っているお客様の料理の提供が終わったら、一段落つくから、休憩を回そうね。」のように使います。
一段落を使った例文⑧騒動が一段落つく
一段落を使った例文8個目は、「一段落つく」という「つく」を加えた使い方です。家族での会話シーンです。「そういえばお父さんの好きだった女優さんの騒動、最近ワイドショーで見かけなくなったね。」「会見を開いたことで一段落ついたんだろ。」のように使います。
一段落を使った例文⑨会議が一段落つく
一段落を使った例文9個目は、「一段落つく」という「つく」を加えた使い方です。ビジネスメールです。「メールでご質問頂いた、此方の都合のよい時間帯についてです。7日は9時から会議がございます。会議は遅くとも10時半には一段落つきますので、11時ではいかがでしょうか。」のように使います。
一段落を使った例文⑩試験が終わって一段落つく
一段落を使った例文10個目は、「一段落つく」という「つく」を加えた使い方です。先生が生徒に話すシーンです。「試験前は、このクラスもピリピリした空気でしたね。試験も終わって一段落ついて、皆さんに笑顔が戻りましたね。」のように使います。
一段落を使った例文⑪婚活が一段落つく
一段落を使った例11個目は、「一段落つく」という「つく」を加えた使い方です。ブログの文章です。「私の婚活ブログを今まで読んで下さってありがとうございました。先日ご報告しましたように結婚が決まり、2年間続いた私の婚活もついに一段落つくことになりました。」のように使います。
子育ての例文同様、ライフステージの区切りとしての使い方ですね。例文のように、婚活に一段落つけたらいいな、と思ったあなたにおすすめの婚活リップ特集の記事があります。効果があるといいですね。
一段落を使った例文⑫プロジェクトが一段落する
一段落を使った例文12個目は、「一段落する」という「する」を加えた使い方です。恋人との電話シーンです。「今、仕事で関わっているプロジェクトが一段落したら、土曜出勤はしばらくなくなるんだ。旅行に行こうよ。」のように使います。
一段落を使った例文⑬事件が一段落する
一段落を使った例文13個目は、「一段落する」という「する」を加えた使い方です。刑事ドラマのシーンです。「犯人の出頭により、事件は一段落したかのように見えました。」のように使います。
一段落を使った例文⑭酷暑が一段落する
一段落を使った例文14個目は、「一段落する」という「する」を加えた使い方です。時候の挨拶を入れた手紙の冒頭です。「新涼の候、長かった酷暑もようやく一段落しまして、過ごしやすくなって参りましたが、いかがお過ごしでしょうか。」
自然の気象現象や季節の変化についても、「一段落」を使うことができます。一定期間続いていた気候が変わった場合や、季節の変わり目などを差す場合に用いられます。
一段落を使った例文⑮展示会の準備が一段落する
一段落を使った例文15個目は、「一段落する」という「する」を加えた使い方です。オフィスでの会話シーンです。先輩から後輩への発言です。「入社1年目ででこの仕事量は辛いでしょ。でも、この展示会の準備が終わったら、一段落するからあと少しだけ頑張ってね。」
一段落を使った例文⑯忙しさが一段落する
一段落を使った例文16個目は、「一段落する」という「する」を加えた使い方です。友達とLINEをしている例です。「クリスマスセールが終わったらうちの店の忙しさも一段落するよ。一緒に遠出で温泉でも行こうね。」のように使います。
一段落を使った例文⑰梅雨が一段落する
一段落を使った例文17個目は、「一段落する」という「する」を加えた使い方です。店先での世間話のシーンです。「天気予報によると明日でようやく梅雨も一段落しそうですね。久々の晴れが楽しみですね。」のように使います。
一段落を使った例文⑱例文の列挙が一段落する
一段落を使った例18個目は、「一段落する」という「する」を加えた使い方です。web記事の文章です。「さて、一段落を使った例文の列挙もこれにて一段落します。」のように使います。ここまで、18個もの例文を読みきったあなたは、一段落マスターです。
冒頭で、「ひとだんらく」だと思っていた方も「いちだんらく」と意識して読んできていたら、そろそろ頭の中での音声変換が「いちだんらく」に切り替わってきたのではないでしょうか。
一段落の正しい読み方と意味を知って正しい日本語で話そう
「一段落」の正しい読み方は、「いちだんらく」で「ひとだんらく」は誤りであることがわかりましたね。調査結果からすると、日本人の多くが「ひとだんらく」と言っているため、日常的には「ひとだんらく」と言ってしまっても、意味は通じます。
とはいえ、現段階では多くの辞書で「いちだんらく」が正しく「ひとだんらく」は誤り、と記載しています。特に、ビジネスの場や先生との会話では、「ひとだんらく」ではなく、正しい読み方の「いちだんらく」をスマートに使えるようにしましょう。正しい日本語を理解していることが伝わると、あなたの信頼度も上昇しますよ。
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