亥の子餅の由来や食べる理由は?
亥の子餅の由来はイノシシの子供のうり坊
亥の子餅の由来は、イノシシの子供のうり坊です。イノシシの子供は、独特の横縞模様をしており、横から見た姿が、野菜のうりに似ていることから、「うり坊」と呼ばれています。亥の子餅は、このイノシシの子供のうり坊をかたどって造られています。
亥の子の日とは、旧暦の10月、亥の月の上旬にある最初の亥の日のことです。亥の子の日は、玄猪、亥の子の祝い、亥の子祭りとも呼ばれ、主に西日本で行われる年中行事の一つです。元々は宮中行事として行われていましたが、秋の収穫に合わせて、庶民の間でも祭りとして祝われるようになりました。
亥の月の最初の亥の日の亥の刻に、亥の子餅を食べることで、病気にかからずに過ごすことができると言われていました。現在では、焼印でうり坊の模様を表現することの多い亥の子餅ですが、元々は、穀物の混ざった色合いが、うり坊の模様を表現していました。
亥の子餅を食べる理由は子孫繁栄
亥の子の日に亥の子餅を食べる理由は、子孫繁栄の願いを込めてです。イノシシは、多産であり、安産な動物なので、イノシシの子沢山にあやかって、子孫繁栄の願いを込めて、イノシシの子供であるうり坊をかたどった亥の子餅を食べるようになりました。
宮中では、亥の月の最初の亥の日の、亥の刻に、その年に取れた新穀である、米、大豆、小豆、ごま、栗、さといも、さつまいもなどを使って作った亥の子餅を作り、その年の収穫に感謝し、冬の無病を願い、イノシシの多産にあやかって、子孫繁栄を祈願しながら食べていました。
貴族の間では、子孫繁栄が主に祈願されましたが、庶民の間に伝わるにつれ、毎年その年に取れた新穀を使うことから、子孫繁栄とともに、その年の収穫も祝うようになりました。さらに、江戸時代には、暖房器具に火を入れる日ともなりました。
亥の子餅の作り方・レシピは?
亥の子餅の作り方・レシピ①白玉粉の亥の子餅
亥の子餅の作り方・レシピ1つ目は、白玉粉の亥の子餅の作り方です。白玉粉とあんこを使った簡単な亥の子餅の作り方です。白玉粉は、電子レンジで加熱しながら寝ることで、きれいな求肥に仕上げることができます。亥の子餅独特の「亥の子模様」は、熱したフォークや金ぐしなどを使ってつけましょう。
- 1あんこを20gずつ程度に計り、うり型にしておきます。
- 2フライパンで白ごまを軽く炒ります。
- 3耐熱容器に白玉粉、グラニュー糖を入れてよく混ぜ、水を少しずつ加えてこねます。
- 4ラップをかけて、1分程度加熱します。
- 5水で濡らしたヘラでよく練り、さらに1分ほど加熱します。
- 6全体的に透明感が出てくるまで、3、4回繰り返えすと、求肥ができあがります。
- 7求肥に炒った白ごまを混ぜ込みます。
- 8クッキング台の上にコーンスターチを広げ、求肥を乗せて、厚さ6mm程度に伸ばします。
- 9求肥を適度な大きさに切り、あんこを包んで、うり型になるように仕上げます。
- 10包んだ側が下になるようにして、並べておきます。
- 11フォークまたは金ぐしをガスの火で1分ほど炙ります。
- 12うり坊の背中の模様を、求肥に焼き付けたら、できあがりです。
白玉粉の亥の子餅の作り方
亥の子餅の作り方・レシピ②さといもとそば粉で作る亥の子餅
亥の子餅の作り方・レシピ2つ目は、さといもとそば粉で作る亥の子餅の作り方です。そば粉で作る亥の子餅は、さといもとさつまいもを使い、昔ながらの作り方で作ります。さといものもちもち感と、さつまいもの自然な甘さの素朴な味わいの亥の子餅です。
さといもとさつまいもは、電子レンジで加熱して、柔らかくすることもできます。電子レンジを使用するレシピでは、さといもとさつまいもをしっかりと柔らかくし、全体がきれいに混ざるように、少しずつお水を加えながら混ぜると良いでしょう。
- 1さといもは乱切りにし、塩で洗ってぬめりを取ります。
- 2さつまいもは乱切りにし、水につけてあくを抜きます。
- 3さといもとさつまいもを水に入れ、ひたひたになるくらいまで水を入れます。
- 4砂糖と塩を加え、火にかけます。
- 5さといもとさつまいもに火が通るまで煮たら、そば粉を入れてかき混ぜます。
- 6さといもとさつまいもがしっかりと潰れ、全体が混ざったら火を止めます。
- 7俵型にまとめたら、きな粉の上に乗せて転がします。
- 8全体にきな粉をまぶしたら、できあがりです。
さといもとそば粉で作る亥の子餅の作り方
亥の子餅の材料にも使われるさつまいもは、代表的な秋の味覚です。甘く美味しいさつまいもは、上手に保存することで、長期保管することも可能です。美味しいさつまいもをたくさん手に入れたら、こちらの記事もチェックして、上手に保管してはいかがでしょう。
亥の子餅の作り方・レシピ③7種類の粉で作る亥の子餅
亥の子餅の作り方・レシピ3つ目は、7種の粉で作る亥の子餅です。雑穀で作る亥の子餅は、うるち米を潰して、7種類の作物を入れて作る亥の子餅です。秋の収穫を祝う祭りでもある亥の子の日は「古くは、大豆、小豆、大角豆(ささげ)、胡麻、栗、柿、糖(あめ)の七種の粉を入れた餅をついた」という作り方が残っています。
7種類の粉で作る亥の子餅の作り方は、源氏物語にも登場します。糖(あめ)は水あめを使うと良いでしょう。大豆は、きな粉を代わりに使っても良いでしょう。大豆、小豆、大角豆は、硬めに茹でた上で、少し炒るようにして水分を飛ばしておくと、細かく切りやすくなります。
- 1大豆、小豆、大角豆、胡麻、栗は軽く茹でてから細かく切っておきます。
- 2柿は皮をむき、細かく切っておきます。
- 3うるち米は、通常通り洗ったのち、しばらく水につけて炊きます。
- 4ご飯が炊けたら、器に移し、すりこぎでつき、米粒を潰します。
- 5大豆、小豆、大角豆、胡麻、栗、柿、糖(あめ)を加えてよく混ぜます。
- 6しっかりとついて、米粒がなくなり、全体がしっとりとするまでつきます。
- 7手のひらに片栗粉をつけ、適量とってうり型に丸めます。
- 8形を整えたら、できあがりです。
7種類の粉で作る亥の子餅の作り方
いのこ祭とは?
いのこ祭とは①万病除去・子孫繁栄と収穫を祝う祭り
いのこ祭の1つ目は、万病除去・子孫繁栄の祭りです。単純に亥の子の日をいのこ祭りということもありますが、かつては、宮中行事として、行われていた祭りです。亥の子の日には、階級によって色の違う包み紙に包まれた亥の子餅が、配られていました。
亥の子祭りは、特に関西では「女の子祭り」とも言われています。宮中の女性たちの間で広まった祭りは、多産のイノシシにあやかって、女の子の成長と出産を祝い、さらに亥の子の神は田んぼの神とも言われ、多産は豊作にも繋がることから、豊作も祈るようになりました。
さらに、農村の豊作は、商人たちの商売繁盛につながって、祝われるようになりました。亥の月には、2回または3回の亥の日があるため、1日目を宮中や武士、2日目は農村、3日目は商人というように、分かれて祝っていたようです。
いのこ祭とは②こたつを出す日
いのこ祭の2つ目の意味とは、こたつを出す日です。江戸時代、収穫を祝ういのこ祭を行ったのちに、囲炉裏、火鉢、こたつなどの暖房器具を出して火を入れ、使い始める習わしになっていたそうです。いのこ祭りの後からが本格的な冬といったところです。イノシシは、火の神の使いとされていたためにこの習わしが生まれました。
江戸時代、江戸幕府の年中行事として亥の子祭り(玄猪の祝い)を行う際に、囲炉裏を開いて、炉に火を入れて鍋を炊き、火鉢に火を盛る習慣がありました。この日から暖房器具を使う準備がされました。これが一般にも広がり、亥の子祭りの日から囲炉裏や火鉢、こたつを使うようになりました。
現代では、囲炉裏や火鉢はあまり使われませんが、こたつは今でも冬の風物詩です。夏場はしまってあるこたつを、亥の子餅を食べながら出しても良いかもしれません。また、こたつは、夏の間に簡単にDIYしておくのもよいかもしれません。こたつのDIYについては、こちらの記事もチェックしてみてください。
亥の子餅を食べて寒い冬に備えましょう
亥の子祭りは、秋の収穫と子孫繁栄を祝うために、古くから日本に伝わる年中行事です。そこで食べられる亥の子餅も、たくさんの感謝と願いが込められて作られました。また、収穫祭の後は、本格的な冬に備えて、こたつを出すことが恒例となっていました。亥の子祭りは、秋が終わり、冬の始まりを知らせる祭りでもあります。
亥の子餅は、あんこを求肥で包んだもの、7種類の穀物や果物を使ったもの、さといもやさつまいもを使ったものなど、地域によって、様々なものが作られています。どの亥の子餅も、収穫への感謝と子孫繁栄の願いが込められています。かわいくおいしい亥の子餅を食べて、寒い冬に備えましょう。
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