克己心とは?意味や読み方は?
克己心の読み方は「こっきしん」
克己心の読み方は「こっきしん」です。「克己(こっき)」と「心」の2つの名詞からなる言葉です。「克己」は男性の名前にもよく見られ、名前での一般的な読み方は「かつみ」ですが、「かつき」「よしき」などの読み方もできます。
「克己」をはじめ、古くから使われている言葉に由来する名前は、可愛らしいだけではなく、落ち着いたイメージがあって素敵ですよね。下の記事では、女の子の名前におすすめの大和言葉を紹介しています。昔からある言葉の響きや意味の美しさを再確認して、命名だけではなく、普段の生活でも活用しましょう。
克己心の意味は「自分自身に打ち克つ心」
克己心(こっきしん)とは、「自分自身に打ち克つ心」のことです。「克己」という名詞には、「己(おのれ)に克(か)つ」、つまり「自分自身に打ち克つ」という意味があります。したがって、「克己心」は、「自分自身に打ち克つ心」を意味します。
ここでの自分自身とは、欲望や気分に流されてしまったり、困難を目の前にして逃げだしたくなったりする、誰しもが持っている「弱い自分」のことです。自分を変えることのできない人、目標を達成できない人は、他人や環境が自分の邪魔をしていると思いがちですが、実は、自分自身の弱さが障害になっていることも多いのです。
自分に打ち克つためには、自分の弱さを知ることが大切です。まず、自分自身を見つめ直し、考え方の癖やネガティブ思考のベースになっているものを自覚しましょう。そして、日常生活の様々な場面で、弱い自分が出てきたらすぐに対処する。自分の力で自分自身を律する。その積み重ねこそ、自分に打ち克つために必要なのです。
克己心の意味の補足①「弱い自分に勝つ」との違いとは
先程、克己心(こっきしん)の意味は「弱い自分に克つ」とご紹介しましたが、「克つ」はあまり馴染みのない言い方ですよね。「弱い自分に勝つ」と言い換えても良いのではないか、と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「克つ」よりも「勝つ」の方がよく目にする言葉ですが、同じ「かつ」でも意味が異なります。相手と戦って勝利したり、相手よりも優れた結果を得たりというように、相手との競争・比較によって勝ることを「勝つ」と言います。
一方、「克つ」は、自分自身の弱点を努力で補ったり、欲望をコントロールしたりすることによって、現在の自分自身を乗り越えていくことを指します。つまり、克己心の場合は、戦う相手が他人ではなく自分自身なので、「勝つ」ではなく「克つ」が適切です。
克己心の意味の補足②「自制心」との違いとは
克己心(こっきしん)の類語には、「自制心」「意志」「精神力」などがありますが、どの言葉も、克己心とは少しニュアンスが異なります。克己心という言葉を使う時、「弱い心や欲望、邪念を抑える」だけではなく、「自ら奮起して努力し、克服する」という意味が重視されます。
一方、「自制心」は「欲望や感情を抑える・コントロールする気持ち」、「意志」は「これをしようという決意」、「精神力」は「やり抜こうという気持ち(=気力)」という意味です。確かに、それぞれの言葉の意味は、克己心の意味の要素ではあります。しかし、克己心の本来の意味を考慮すると、足りない部分もあります。
克己心のように読み方や意味が難しい漢字や言葉はたくさんありますよね。下の記事では、「漸く」の読み方や意味などをまとめています。正しい読み方や意味を知り、どんな場面でも、言葉を的確に使えるようになりましょう。
克己心(こっきしん)を使った文章の例文は?
克己心を使った例文①彼は克己心が強い
克己心(こっきしん)を使った例文1つ目は、「彼は克己心が強い」です。ビジネスやスポーツ、芸術など、ある分野を極めた人、その道で一流と呼ばれる人は強い克己心を持っています。「○○さんは克己心が強い」「○○さんの克己心の強さを見習いたい」など、褒め言葉として使ってみましょう。
克己心を使った例文②克己心を養う(育てる・培う)ことが大切だ
克己心を使った例文2つ目は、「克己心を養う(育てる・培う)ことが大切だ」です。克己心は大きな目標を達成するだけではなく、人生を充実させるために必要なものです。そのため、成長過程において、学校や家庭での教育で育むことが理想とされています。
しかし、大人になってからでも、本人の自覚と努力次第で、克己心を養うことはできるのです。これからご紹介する「克己心が強い人の特徴」や「克己心が養われる名言」を参考に、克己心を養っていきましょう。
克己心(こっきしん)が強い人の特徴3つ
特徴①明確な目標を持つ・目標達成のための努力を惜しまない
克己心が強い人は、明確な目標を持ち、その目標を達成するための努力を惜しみません。例えばアスリートは、「世界一になる」といった大きな目標を達成するために、練習やトレーニングの方法を改善するだけではなく、日常生活の細部まで見直し、目標達成のための基礎をつくる時間に充てています。
どんなに自分を律して努力している人でも、「今日は気分が乗らない」「少し手を抜いても大丈夫だろう」と思うこともあるかもしれません。しかし、克己心の強い人は自分の目標を思い返し、気分に左右されることなく、すぐに気持ちを切り替えることができるのです。
特徴②プレッシャーに強い
克己心が強い人は、プレッシャーに強いという特徴もあります。強い相手を目の前にした時、自分の実力を試される場に出た時に、人は強いプレッシャーを感じます。そんな時でも、克己心が強い人は、感情を適切にコントロールできます。そして、プレッシャーを推進力にして、素晴らしい力を発揮します。
また、自分の夢や目標を応援・支援してくれる存在が、プレッシャーとなることもあります。「失敗して、応援してくれる人を失望させたくない」という気持ちは、時にマイナスに働くことも。しかし、克己心の強い人は、周囲の人への感謝の気持ちを忘れずに、今すべきことに集中できるのです。
特徴③自分に厳しい
克己心の強い人は、自分自身に厳しいです。ついつい飲み過ぎや食べ過ぎ、無駄遣いなどをしてしまった時に、「付き合いだからしょうがない」などと、他人や環境を言い訳にしてしまうことってありますよね。克己心の強い人は、自分自身を厳しくコントロールできるので、このような失敗や言い訳をすることがありません。
「ダイエット中なのに食べ過ぎてしまった」「動画に夢中で寝不足」など、毎日の些細なマイナスが積み重なると、せっかく大きな目標を掲げていても、理想からはどんどん離れていってしまいます。達成したい目標が常に頭にあるため、自制心が発揮されやすくなるのです。
克己心(こっきしん)が養われる名言3選
克己心が養われる名言①新渡戸稲造
- 「克己心を修養するには、最初より大事を目的とし、むずかしきことを選ぶはよくないと思う」
克己心が養われる新渡戸稲造の名言
新渡戸稲造は、著書『修養』の中で、「克己心を修養するには、最初より大事を目的とし、むずかしきことを選ぶはよくないと思う」と述べています。新渡戸は本書で、誰しもが持つ「怖じけ心」の根本的な原因である、他人からよく見られたい、評価されたいという心を克服する必要性を説いています。
そして、克服のためには、日常の小さな実践の積み重ねが大切であり、その結果、大きな事を成し遂げる力が養われると述べています。「克己心を身に付けたいけれど、何をしたらいいのか分からない」「特に目標がないけど、自分を変えたい」という人には、ヒントを与えてくれる言葉なのではないでしょうか。
克己心が養われる名言②マクシム・ゴーリキー
- 「どんな些細な勝利でも、一度自分に勝つと人間は急に強くなれるものである」
克己心が養われるマクシム・ゴーリギーの名言
ロシアの文学者マキシム・ゴーリキーの言葉「どんな些細な勝利でも、一度自分に勝つと人間は急に強くなれるものである」は、「克己心を持つことは、自信につながる」という名言です。自分に打ち克ち、成功経験を重ねることで自信がつきます。自身を持つことは、より大きな目標への原動力になりますよね。
この名言は、新渡戸の名言にも通じるものがあります。自分を変えたいという気持ちがあるならば、まずはそのハードルとなっている、欲望や怠け心などを改めましょう。そんな小さな積み重ねでも、次第に自分の変化を感じられるようになります。そして、心身が整い自信がつくと、自然に大きな目標が見えるようになるでしょう。
克己心が養われる名言③ピタゴラス
- 自制心のない者に、自由はない
克己心が養われるピタゴラスの名言
古代ギリシアの数学者・哲学者ピタゴラスの「自制心のない者に、自由はない」は、一見正反対のようである「自制心」と「自由」の関係について述べた名言です。自分の感情をコントロールできない人は、自分の思うままに振る舞う資格はないという意味です。
自由には常に責任が伴います。結果を考えてから、行動を起こすことはとても大切です。人は、感情を抑えたり、行動を制限されたりすると不自由だと感じます。しかし、不自由の本当の原因を作っているのは、自分自身であるということも。克己心を発揮すれば、本当の自由を感じることができるようになるのです。
克己心(こっきしん)は自己成長・目標達成に不可欠
克己心(こっきしん)とは「自分自身に打ち克つ心」のことです。「困難を避けようとする弱い心や欲望をコントロールし、目標に向かって努力する姿勢や心構え」と言い換えることができます。
大きな目標の達成には不可欠な克己心ですが、少し意識するだけで、日常生活の中でも克己心を養うことができます。克己心を養う生活習慣は、自己成長を促し、考え方や生き方を変えるきっかけになるでしょう。
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